やはり、創造神の加護はチートでした

弥音 雪

25話 専属魔法教師レオン




(なんだか結構呆気なかったな。)

  もう少し期待していたのだが、同時にファイアランスを10個が限界なのは正直驚いた。

「………!救護班!バビルさんを救急室に運んであげてください。」

  周りは最初唖然としていたがすぐに動き始めた。

  レオンは自分に喧嘩を打ってきたやつにまで優しくするつもりはないらしく、バビルを救護班に任せる。

「レオンさん。学園長がお呼びです。」

「分かりました。すぐに向かいます。」

  レオンは闘技場を降り学園長室へと向かう。

(なんの話だろう?)

  5分ほど歩いたところで学園長室の目の前にやってきた。

「レオンです。お呼びのことと言うことで参りました。」

「入ってくれ。」

「失礼します。」

  中は広く所々に豪華なものがあるが基本は落ち着く雰囲気である。

「そこに座ってくれ。」

  指された場所に座ると、その目の前に学園長が座る。

「さっきの決闘は見事じゃったよ。同時に複数の属性魔法をまさか100個展開するとはの。」

「お褒めに預かり光栄です。」

「そんなに堅くならんでくれ。もっと気安く話してくれんか。」

「分かりました。それで何用で僕を呼んだんですか?」

「まずは決闘の件じゃよ。と言っても事務的なことじゃ。3日後にラッセル家の財産の半分が支払われるので、また3日後ここに来て欲しいということじゃ。」

(随分と早いな。)

  予想以上の早さに少し驚いた。

「分かりました。ですけどほいそれと自分の財産を渡しますかね?」

「それは任せてくれ。こう見えても力はなかなかあるのでの。」

  何の力かを言わないあたり色々とあるのだろう。

「さて、これからが本題じゃ。お主、冒険者登録をする気はあるかの?」

「えっ?出来るんですか?」

  確か10歳から登録が出来るはずだったので、今日で1番驚いている。

「一応出来るぞ。この学園の生徒の中でも特に優秀な生徒を冒険者ギルドに推薦して、課題をクリアするのじゃ。」

「なるほど。確かにそれならば安心ですね。」

「でどうじゃ?する気はあるかの?」

「はい。ではありがたく受けさせてもらいます。」

(よし!これで表立って魔物を倒せるぞ!)

「そうかそうか。ならばそのように手続きを済ませておく。その代わりと言ってはなんだが…。」

「はい、なんでしょう?」

「フィリア様に魔法を教えてくれぬか?」

  もとよりその気だったレオンは快く受けるが理由が気になる。

「別に構いませんよ。しかしなぜですか?」

「王家の人がなフィリアには魔法の才がある。それを開花させて欲しい。そう言ってきたんじゃ。」

  フィリアの魔法はまだ発展途上だと言う。にも関わらず試験で見せた魔法は普通の人から見たらなかなかのものだった。

(少し楽しみだな。)

「なるほど。しかしどのレベルまでおしえれば良いですか?」

「できれば上級魔法かの。」 

「分かりました。お受け致しますよ。」

「ありがたい。では頼むぞ。」

「はい分かりました。では失礼しますね。」

  こうしてフィリアの専属の魔法教師に任命された。

  学園長室から出た後は帰るつもりで門に向かっていた。

「あっ、レオン!」

  途中フィリアに会ったのでそのまま一緒に向かう。

「レオンは強いのですね。決闘の時あらためて思いました。」

「まぁ確かに強いとは思うけど、あのぐらいならフィリアでも出来るようになるよ?」

「本当ですか?!」

  以外にも結構食いついてきた。

(魔法が好きなんだろうな。)

「あぁ本当だよ。学園長直々にフィリアに魔法を教えて欲しいと頼まれたからね。つまり、フィリア専属魔法教師になるのかな?」

「お願いしますね。レオン先生。」

「先生は付けなくていいから。」

  まだ門は先なので話を続ける。

「そういえばさ、フィリアの得意魔法とか聞いたことなかったな。」

「確かにそうでしたね。私は風属性と水属性、光属性、それと聖属性が使えますよ。技量も4つとも中級魔法を少し使えます。」

「4つも使えるなんて凄いね!」

「嫌味ですか?」

「そうなことないよ。僕は少しズルをしたから使えるけど。努力だけでここまで伸ばしたのは尊敬するよ。」
  
「そういうことですか。ありがとうございます。」

  魔法の話をしていたら実際に教えたいことが多く浮かんできた。

「ねーフィリア。この後時間ある?実際に魔法をやりたくなった。」

「はい。ありますよ!しかしどこでやりましょうか。」

「それは任せて。」

  そう言ってレオンは時空魔法を使う。

「この中は空間になっているんだけど、この中でいくら魔法を放とうとも外の世界に影響はないんだ。全力で魔法の練習をするならこれが一番いいかなって思ったんだけど。」

「レオンはそんなことまでできるのですね。」

「まぁね。で、どうする?」

  少しだけ考え込んだが答えはすぐに出たようだ。

「では遠慮なくその空間を利用させて頂きますね。」

「そう来なくちゃ!じゃあ僕に続いて来てね。」

  そう言って初めにレオンがぴったりその後にフィリアが続く。

「この様になっているのですね。」

  初めて見る真っ白い空間に少々驚いていた。

「よし!今から練習を始めます!」

  こうしてフィリアの魔法練習が始まる。

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