転生して最弱職に就職された俺達は神のお告げにより最強の複数職者達と共に異世界を旅する事になりました!?~転生者による異世界冒険弾~

市瀬燐

第1話


俺は一体どこにいるんだろう…。

普通なら五感が働くはずだが、俺はあの時の怪我の影響だろうか五感が全く機能せず
意識さえも安定しなかった。

だが 突然今まで感じた事がない程優しく暖かい柔らかな光が辺りに差し込む。
『やっと目覚めたな。 新しい“赤き救世主”。』
突然 その光の中から赤髪の男が現れ、
俺に近付いて来た。
「あんた…一体何者なんだ?」
俺の問いにその赤髪の男は少し沈黙し、
淡々と話し始める。
『俺は“世界神”からの使いの一人だ。』
俺よりも背が高い赤髪の男は俺の両腕を見るなり 少し顔を曇らせる。
(なんでこんなボロボロな状態でこの子を転生させたんだ…。)
「どうしたんですか 俺の?」
『…いや こっちの話だ。君は気にしないでくれ。』
「分かり…ました。」
『とりあえず お前の怪我を治さないとな。 まず 俺の前に両手を広げてくれ。』
俺は言われた通り 赤髪の男の目の前で両手を広げた。
『よし これで大丈夫だ。』
そう言うと赤髪の男は微笑みながら
俺の両手をそっと優しく握りしめた。

先程感じた優しく柔らかな光が
再び俺を包み込む。

再度 俺が目を覚ますと見知らぬ部屋の天井が目に写った。
『良かった、目 覚めたんだね。』
(ここは一体どこなんだ? 俺はさっきまで真っ暗な所にいたはずなのに…。)
『ここはアルローマ地区の山腹近くにある修道院だ。』
「あの…なんでクズみたいな俺を救おうとするんですか?」
『それは君にとって愚問じゃないかな?』
「愚問…それは一体どういう事なんですか?!」
『ふふっ、その内 分かるさ。 あぁ まだ自己紹介してなかったね。 俺はドヴェルグ、商人さ。』
「…俺は紅崎 樹です。 よろしくお願いします、ドヴェルグさん。」
『あぁ、こちらこそよろしくな 樹。』
「はい!」


この時 出会った赤髪の人こそ後に俺の年上の相方となるドヴェルグさんだった。





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