SNS仲間で異世界転移

浪村

第6章 10話 女の意地

ー美泉sideー

バルザ「ヒャッハー!!」

ドゴォン!バァン!

荒々しく振り回すハンマーを次々に避けていく美泉。今回、念の為に持ってきていたトンファーで攻撃を仕掛ける

美泉「隙がありすぎ」

素早くふところに入り鼻に2発、顎に1発喰らわせた

バルザ「効かねえなぁ!!」

ハンマーを手放し美泉の腹を殴った

美泉「うぐっ!もう…獣みたいな奴ね!」

負けじと美泉もトンファーで殴り返す。少しの間殴り合いが続いた

バルザ「はぁ…はぁ…女のくせに、なかなか根性あんじゃねえか」

美泉「女が男より劣るなんて、誰が決めたの?」

バルザ「ヒャッハッハ!おもしれぇ!」

バルザはポケットから長めの鎖を取り出した

バルザ「わりぃが本気でいかせてもらうぜ」

そしてハンマーのの部分の先端に取り付け、反対側は自分の右手首に巻いた

美泉「面倒な事を…」

バルザ「ヒャッハ!」

ハンマーのグリップを持って正面から突っ込んでくる。ある程度接近してくると、大きく振りかぶって横振りしてきた。美泉は振りかぶった時点で先読みして後ろに下がった

美泉「(しまった…!下がってよけたら…)」

バルザ「ヒィィヤッハー!!」

ドオン!!

バルザはグリップから手を離し、ハンマーを投げて当てた

美泉「あぁ!…」

美泉は衝撃で倒れ込んでしまった

美泉「った……こんな重い物振り回して…」

立ち上がることはできたのだが、左腕がプランプランしている

美泉「(これは肩外れたかも…)」

バルザ「ヒャッハ!左撃破!」


美泉「もう知らないからね…今日は大暴れしちゃうんだから…」

トンファーをその場に落とし、腰に着けているポーチを開けた。ポーチの中には小型爆弾がぎっしり詰まっていた

バルザ「死ねぇ!」

ハンマーのグリップを持たず、鎖でハンマーを振り回してきた。美泉は右手に爆弾を2つ握り、飛んできたハンマーに投げ当てた

バアァン!!

爆発によりハンマーは弾かれた。丈夫にできているため壊れることはなかったが鎖は引き離された

バルザ「なに!?」

美泉「あなたは頑丈そうだから容赦なくこの技を使えるね」

煙に紛れてバルザに接近する美泉。バルザは肉弾戦を仕掛けるが、美泉はそれをかわしてバルザを攻撃する事なく追い抜いた

バルザ「どこ行っ…!!!」

ふと見るとバルザの周りには爆弾が多数浮いていた。なんとあのわずかな時間で、攻撃をかわしながら爆弾を投げていたのだ


美泉「改新エグスプロージョン…ってとこかな?」


バァン!ドゴォン!ブオォン!

撒かれた爆弾が一斉に爆発した。バルザは顔面を腕で隠すように防いでいたが、どうなったのかはまだわからない

美泉「あーあ、左手が使えないからダメージ半減かぁ」

煙が薄くなっていき、バルザの姿を確認する

美泉「え、ちょっと…嘘でしょ…」

あれほどの爆発をくらってボロッボロになりながらもバルザは立ち上がっていた

バルザ「どうした…それで終わりか?あぁ?」

美泉「この化け物…」

バルザは美泉の腹に重い膝蹴りを入れた。それは見事に鳩尾みぞおちにクリーンヒットし、美泉は膝を着いて腹を抱え込んでしまった

バルザ「やはり女は男より劣る…なかなか面白かったぜ、お嬢さん…」

美泉「くっ……」

落ちているハンマーを手にとり、大きく振りかぶった


美泉「った……最後に…1つだけ……いい?」

バルザ「なんだ、この期に及んで命乞いかぁ?」


美泉「そうじゃなくて………後ろ」

バルザ「!?」


バゴォン!!

バルザの顔面に抜剣されていない刀が命中した

バルザ「なっ……」

さすがのバルザも今の重い一撃をくらっては正気ではいられず、気を失った


モルファス「遅れてすまない」

美泉「大丈夫なんですか?」

モルファス「ああ、もう大丈夫だ」

美泉「そうですか。香奈はどこに?」

モルファス「汏稀のところだ。俺達も行くぞ」

美泉「はい」

少し離れた場所で戦っている汏稀のもとに急いで向かった

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