SNS仲間で異世界転移
第5章 10話 市場での衝撃
翌日、龍剣は壮助・汏稀と共にセンテッド近郊のレストランに来ていた。この世界に来てから、「久々に男だけで食事をしよう」という壮助の提案だった
男3人で談笑しながら、大盛りのクルア蒸し(地球で言うパエリアのような物)を食べていた
食事を終えてセンターポールに戻る途中、この前の初仕事で美泉と香奈が仕事に割り当てられたケンクールマーケットに立ち寄った
汏稀「広い市場だなぁ」
龍剣「日本で言う、豊洲みたいな感じか」
市場の旦那「はい、安いよ安いよー!本日限定、ドンバチの大量販売ー!ドンバチ1尾、200ノームー!」
ドンバチとは、日本で言うアカハタにも似た高級魚。この世界の貨幣単位は1ノームあたり約3円の感覚なので、そう考えれば破格の値段だ
壮助「スゲーな…ドンバチを200ノームで売ってたら、あのオヤジも商売上がったりじゃんww」
と、その時。龍剣が市場内を不審に早歩きする少女を見かけた
龍剣「(ん…この季節にしては変な服装、ボサボサの髪、中が見えないビニール袋…何かありそうだな)
なあ、2人とも」
汏稀「んー?」
壮助「どうした?」
龍剣「あの子…」
と、龍剣が周りに変な目で見られぬように、不審な少女を目線で示す
壮助「あの小さい子が………」
汏稀「どうしたんだ?」
龍剣「はぁ…お前ら、わかれよ。季節に合わない服装、ボサボサの髪型、怪しいビニール袋、市場。これで連想される物は?」
汏稀「誰かへの差し入れ!」
壮助「汏稀、ご名答!パチパチパチ〜」
龍剣「じゃねえよ!お前ら、バカか!いいか?落ち着けよ?麻薬の臭いがする」
汏稀「麻薬…そう言われれば、そうだな」
壮助「確かに。こんな人混みであんな小さい子が1人ってのもおかしいな」
龍剣「よし、尾行すんぞ」
尾行の結果はすぐに出た
少女を尾けて行くと、市場の裏に出た。そこで少女が男性に袋を手渡し、お金を貰っていた。目視で10万ノームはあるだろうか。そして、男性がこんな事を言った
男性「ありがとな、シェミール。このクラーレが無いと生きていけねえぜ…」
クラーレ。その名を聞いた途端、龍剣達は震え上がった。クラーレとは、地球のマリファナを凌ぐ危険ドラッグ。そのクラーレの売買にあんな少女が関与している
この世界の刑法によれば、麻薬の取り締まりは現行犯のみ有効。スグに龍剣達は男性を取り押さえ、少女を保護した
汏稀「騎士団です。大人しくしてください」
騎士団の手帳を見せて、汏稀が言った
男性「………チッ」
数分後、合流した制裁課に男性を引き渡して少女は龍剣達がセンターポールに連れて行った。少女は男性に「シェミール」と呼ばれていたが、本名は「アシュム」と言うらしい。男性の取り調べでの供述で後に明らかになった。アシュムは現在5歳で、去年両親と死別した。以来、男性に出会ってクラーレの密売に関わっていたと言う
アシュムはしばらくセンターポールで預かり、育て、養子縁組施設に送る、と言うのがセンターポール上層部の方針だった
男性には、刑法に沿って「懲役5年、罰金50万ノーム」が課せられたとか
翌日。この日は龍剣達にとって嬉しい報告があった。まず先日に麻薬取り引きをしていた男性を逮捕したことにより、龍剣達男子3人のランクが2に上がった事
そして、もう1つは………
龍剣「ほんとですか!!ティアーノさん!!」
ティアーノ「あーもう、うるせぇな。ほんとだって」
龍剣「よかったー!」
美泉「何をそんなに喜んでるの?」
ティアーノ「ドルゼとバンギックのランクが5に上がったことを知ってはしゃいでるんだよ。自分のランクが上がったことを喜ぶだろ、普通」
続けてティアーノが
ティアーノ「龍剣、お前らランク2くらいで喜んでたってしょうがないぞ。ランク2になって初めてスタートラインに立ったみたいなもんだからな」
龍剣「え?どういうことですか?」
ティアーノ「ランク1なんて言わば研修生みたいなもんなんだよ。誰だってすぐにランク2になれる」
その事を聞いて龍剣はムンクの叫びのようにヘナヘナとなって膝をつく
香奈「あっはは!龍剣知らなかったのー?」
美泉はその隣でクスクスと笑っている
汏稀「なんだよ、美泉と香奈は知ってたのか」
美泉「うん」 
香奈「まぁねー」
ティアーノ「ならさっそくだがランク2・3用の任務に行ってもらうぞ。美泉と香奈はもう大丈夫だと思うから、いろいろ教えてやってくれ」
美泉「わかりました」
香奈「はーい」
壮助「うわぁ~緊張してくる」
美泉「確かにランク1の仕事より明らかに違うけど、そんなに追い込まれるような事でもないよ」
壮助「ならよかった」
ティアーノ「今回はこれだ」
カウンターに出された依頼書を5人で見る
依頼人:シリア王国国王、シャギス
求人数:6人
依頼内容:翌週行われる砂神祭の護衛。シリア支部の兵士が流行り病にかかってしまったため、その代わりを務めてほしい
報酬金:1人当たり5万ノーム
龍剣「王国!?」
ティアーノ「ああ。シリアはな、王国なんて言ってるけど少し大きいだけの町だ。行ってみればわかる」
美泉「この…さじんさい?ってその町のお祭りですか?」
ティアーノ「そうだ。王国の近くにはシリア砂漠ってのがあってな。そこの神様にお祈りしようっていう祭りだ」
汏稀「なるほど、それで俺ら5人が丁度良くランク2に上がったから、行ってこいってか。でもティアーノさん、そんなに護衛なんて必要なんですかね?」
ティアーノ「念のためだ。国王に恨みを買って殺しにくる輩もいるかもしれないからな」
壮助「そこを俺らがビシッと仕留める!と」
龍剣「仕留めてどうすんだよ、バカ。猛獣じゃねえんだぞ」
香奈「ティアーノさん、この任務に参加するあと1人は誰なんですか?」
ティアーノ「ランク3のモルファスだ」
美泉「モルファスさんって人は会ったことないなぁ…」
ティアーノ「それじゃあこの任務は明日出発だから、今日中にちゃんと準備しておけよ」
5人「はーい」
この日は明日からの準備と、移動で使う馬に乗る練習をして終わった
ご拝読、ありがとうございます。浪村です。次回から舞台を変更するということで、「第6章」に突入致します。これからも「SNS仲間で異世界転移」をよろしくお願いします
男3人で談笑しながら、大盛りのクルア蒸し(地球で言うパエリアのような物)を食べていた
食事を終えてセンターポールに戻る途中、この前の初仕事で美泉と香奈が仕事に割り当てられたケンクールマーケットに立ち寄った
汏稀「広い市場だなぁ」
龍剣「日本で言う、豊洲みたいな感じか」
市場の旦那「はい、安いよ安いよー!本日限定、ドンバチの大量販売ー!ドンバチ1尾、200ノームー!」
ドンバチとは、日本で言うアカハタにも似た高級魚。この世界の貨幣単位は1ノームあたり約3円の感覚なので、そう考えれば破格の値段だ
壮助「スゲーな…ドンバチを200ノームで売ってたら、あのオヤジも商売上がったりじゃんww」
と、その時。龍剣が市場内を不審に早歩きする少女を見かけた
龍剣「(ん…この季節にしては変な服装、ボサボサの髪、中が見えないビニール袋…何かありそうだな)
なあ、2人とも」
汏稀「んー?」
壮助「どうした?」
龍剣「あの子…」
と、龍剣が周りに変な目で見られぬように、不審な少女を目線で示す
壮助「あの小さい子が………」
汏稀「どうしたんだ?」
龍剣「はぁ…お前ら、わかれよ。季節に合わない服装、ボサボサの髪型、怪しいビニール袋、市場。これで連想される物は?」
汏稀「誰かへの差し入れ!」
壮助「汏稀、ご名答!パチパチパチ〜」
龍剣「じゃねえよ!お前ら、バカか!いいか?落ち着けよ?麻薬の臭いがする」
汏稀「麻薬…そう言われれば、そうだな」
壮助「確かに。こんな人混みであんな小さい子が1人ってのもおかしいな」
龍剣「よし、尾行すんぞ」
尾行の結果はすぐに出た
少女を尾けて行くと、市場の裏に出た。そこで少女が男性に袋を手渡し、お金を貰っていた。目視で10万ノームはあるだろうか。そして、男性がこんな事を言った
男性「ありがとな、シェミール。このクラーレが無いと生きていけねえぜ…」
クラーレ。その名を聞いた途端、龍剣達は震え上がった。クラーレとは、地球のマリファナを凌ぐ危険ドラッグ。そのクラーレの売買にあんな少女が関与している
この世界の刑法によれば、麻薬の取り締まりは現行犯のみ有効。スグに龍剣達は男性を取り押さえ、少女を保護した
汏稀「騎士団です。大人しくしてください」
騎士団の手帳を見せて、汏稀が言った
男性「………チッ」
数分後、合流した制裁課に男性を引き渡して少女は龍剣達がセンターポールに連れて行った。少女は男性に「シェミール」と呼ばれていたが、本名は「アシュム」と言うらしい。男性の取り調べでの供述で後に明らかになった。アシュムは現在5歳で、去年両親と死別した。以来、男性に出会ってクラーレの密売に関わっていたと言う
アシュムはしばらくセンターポールで預かり、育て、養子縁組施設に送る、と言うのがセンターポール上層部の方針だった
男性には、刑法に沿って「懲役5年、罰金50万ノーム」が課せられたとか
翌日。この日は龍剣達にとって嬉しい報告があった。まず先日に麻薬取り引きをしていた男性を逮捕したことにより、龍剣達男子3人のランクが2に上がった事
そして、もう1つは………
龍剣「ほんとですか!!ティアーノさん!!」
ティアーノ「あーもう、うるせぇな。ほんとだって」
龍剣「よかったー!」
美泉「何をそんなに喜んでるの?」
ティアーノ「ドルゼとバンギックのランクが5に上がったことを知ってはしゃいでるんだよ。自分のランクが上がったことを喜ぶだろ、普通」
続けてティアーノが
ティアーノ「龍剣、お前らランク2くらいで喜んでたってしょうがないぞ。ランク2になって初めてスタートラインに立ったみたいなもんだからな」
龍剣「え?どういうことですか?」
ティアーノ「ランク1なんて言わば研修生みたいなもんなんだよ。誰だってすぐにランク2になれる」
その事を聞いて龍剣はムンクの叫びのようにヘナヘナとなって膝をつく
香奈「あっはは!龍剣知らなかったのー?」
美泉はその隣でクスクスと笑っている
汏稀「なんだよ、美泉と香奈は知ってたのか」
美泉「うん」 
香奈「まぁねー」
ティアーノ「ならさっそくだがランク2・3用の任務に行ってもらうぞ。美泉と香奈はもう大丈夫だと思うから、いろいろ教えてやってくれ」
美泉「わかりました」
香奈「はーい」
壮助「うわぁ~緊張してくる」
美泉「確かにランク1の仕事より明らかに違うけど、そんなに追い込まれるような事でもないよ」
壮助「ならよかった」
ティアーノ「今回はこれだ」
カウンターに出された依頼書を5人で見る
依頼人:シリア王国国王、シャギス
求人数:6人
依頼内容:翌週行われる砂神祭の護衛。シリア支部の兵士が流行り病にかかってしまったため、その代わりを務めてほしい
報酬金:1人当たり5万ノーム
龍剣「王国!?」
ティアーノ「ああ。シリアはな、王国なんて言ってるけど少し大きいだけの町だ。行ってみればわかる」
美泉「この…さじんさい?ってその町のお祭りですか?」
ティアーノ「そうだ。王国の近くにはシリア砂漠ってのがあってな。そこの神様にお祈りしようっていう祭りだ」
汏稀「なるほど、それで俺ら5人が丁度良くランク2に上がったから、行ってこいってか。でもティアーノさん、そんなに護衛なんて必要なんですかね?」
ティアーノ「念のためだ。国王に恨みを買って殺しにくる輩もいるかもしれないからな」
壮助「そこを俺らがビシッと仕留める!と」
龍剣「仕留めてどうすんだよ、バカ。猛獣じゃねえんだぞ」
香奈「ティアーノさん、この任務に参加するあと1人は誰なんですか?」
ティアーノ「ランク3のモルファスだ」
美泉「モルファスさんって人は会ったことないなぁ…」
ティアーノ「それじゃあこの任務は明日出発だから、今日中にちゃんと準備しておけよ」
5人「はーい」
この日は明日からの準備と、移動で使う馬に乗る練習をして終わった
ご拝読、ありがとうございます。浪村です。次回から舞台を変更するということで、「第6章」に突入致します。これからも「SNS仲間で異世界転移」をよろしくお願いします
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