SNS仲間で異世界転移

浪村

第5章 6話 火竜討伐へ

ボルカ「行くぞ!火竜!」

ボルカは火竜の横に移動し、前足と後ろ足の間を斬った

火竜「グアァウ!」

火竜はひるむこと無く火の灯った尾で攻撃したが、ボルカは大剣を盾代わりにして防いだ。そして腰に着けていたポーチから煙玉を取り出し、その場に叩きつけた。火竜は煙で見えないためやみくもに爪で切り裂いているが、ボルカは後ろ足の位置に回り込んでいた

ボルカ「鬼神乱舞!」

大剣なのにまるで双剣を扱っているかのような速さで連続斬りを右後ろ足に集中的にかます

火竜「ウガアアァァ!!」

硬い鱗を持つ火竜も、この攻撃は効いたようだ

ボルカ「ふん!」

次は右前足を狙って剣を振り下ろした。だが急にスピードが上がった火竜は、右前足で裏拳のようにボルカを吹っ飛ばした

ボルカ「ぐおぁ!」

そして火竜の鱗が少しずつ黄からオレンジ、オレンジから赤へと変色していった

火竜「グルルルァァアアアオ!!」

とてつもない咆哮に、思わず耳を塞ぐボルカ

ボルカ「くっ…さっきのであばらにヒビが入ってしまったわい。ワシも年老いたのう…」

肋を痛めながらも普通に立ち上がる。この辺の気合いはさすが元ランク5といったところだろう。怒った火竜はさっきの倍のスピードで迫り爪攻撃をしてくるが、なんとか大剣で防御している

ボルカ「ぬぐぐぐ……ぬぉあ!」

とうとうガードしきれずに押し負けたボルカは少しふっ飛ばされ、その勢いで大剣も遠くへ飛んでいってしまった。急いで立ち上がり拾いに向かおうとすると自分と剣の間に火竜が割り込んできた

ボルカ「く、こうなれば煙玉を…」

ボフン!!

辺りには白い煙におおわれた
だが怒っている火竜は尾を振り回すのと咆哮だけで煙を消し飛ばす

ボルカ「まだじゃ…せめて騎士団が来るまでワシが…」

火竜「グアアァウ!!」

武器を持たぬボルカに息を荒らげながら突進する火竜。ボルカは無謀ながら拳で迎え撃とうとしたその時……


龍剣「おらぁ、火竜!!」

ズドドドドド!

突如駆けつけた龍剣のBBTガトリングを受けた火竜は仰向けにひっくり返った

ボルカ「!!」

龍剣「ボルカさん!大丈夫ですか!?」

ボルカ「龍剣、それに美泉も…危険だから村で待機していろ」

美泉「何言ってるんですか。私達、騎士団なんですよ。この意味、わかりますよね?」

そう言うと、拾ってきた大剣をボルカに渡した

ボルカ「フッ、今度の新兵は頼もしいのう………よしお前ら!死ぬんじゃねえぞ!!」

龍剣・美泉「はい!!」

この間に火竜は起き上がり3人目掛けて右、左、右、左と交互に爪攻撃をしてくる

ボルカ「回り込んで後ろ足を狙うんじゃ!」

ボルカは向かって左側から、龍剣と美泉は右側から回り込んだ。が、なんと先程痛めたあばらのせいでボルカは転けてしまった

ボルカ「ぐっ、こんな時に」

火竜はもちろんボルカを狙い襲いかかるが、龍剣がBBTガトリングで攻撃をして自分のほうに注意をひかせた

龍剣「そうだ、こっちだトカゲ野郎!」

龍剣が注意をひいている隙に美泉がボルカのもとへ向かう

龍剣「ボルカさん、ケガしてたんですか!?」

ボルカ「なんて事ぁない…」

と言いながらもあばらを抑えている

美泉「ここが痛むんですね。ちょっと手を離してください」

美泉が目を閉じて集中すると、ネックレスが緑色に輝きながら自分とボルカを光の球で包み、ボルカのケガを治していった
美泉のネイチャーヒールで、ボルカの肋のケガはものの1分で完治した

ボルカ「すまん、助かった」

すぐさま立ち上がり、龍剣の援護に向かった。美泉はネックレスの形状を戻し、村から持ってきた魔法書を持って火竜から少し距離をとった

龍剣「これで、どうだ!!」

ズダララララ!

ありったけの精神力でBBTガトリングを火竜にぶつけるが、そこまでダメージがない

龍剣「俺の力じゃ足りないのか!?」

ボルカ「龍剣!尻尾がくるぞ!」

龍剣「えっ、うわぁっつ!」

後ろ足ばかり狙っていた龍剣に当然の如く尻尾攻撃が来た。避けるスペースがなかったため一度目はBBTガトリングを当てて尾をはじき、二度目に来た攻撃は火竜の上によじ登って回避した

ジュウウウ……

龍剣「うわあっち!!」

怒りで鱗の温度が急激に高まっているのを知らなかった龍剣は登ってすぐに落ちるように地面についた
だが龍剣に攻撃していた際、ボルカと美泉はフリーだったため、美泉の書物魔法で火竜の足を固定し、ボルカが後ろ足をめった斬りにしていた

火竜「ガアアァァア!!」

火竜はすぐさまボルカと美泉の正面に顔がくるように反転した。そして美泉をめがけ腕を振ったが美泉を庇ってボルカはまたしても吹っ飛ばされた

美泉「ボルカさん!!」

ボルカ「ぐっ……」

龍剣「美泉!早くボルカさんの回復を!」

美泉「うん!!」

先ほど同様、龍剣が気を引き美泉が回復をするつもりだったが、ここで予想外の事が起こった

火竜「グアァオ!」

龍剣「かはっ………!!」

火竜の爪が一発で龍剣の胸や腹に当たってしまった


龍剣「(やべぇ…声がでねぇ…。意識が遠のいてく…)」

龍剣は傷口から血を流しながら意識を失った

美泉「龍剣!!」

龍剣は倒れ、ボルカもケガをしていて絶体絶命の状況に追いやられてしまった

ボルカ「くっ………まだじゃ……」

剣を杖代わりになんとか立ち上がるボルカ。だがその身体はもうとっくに限界を迎えていて、次の一歩も踏み出せないような状態なのだ

美泉「私がやらなきゃ……」

美泉は涙を流し、震えながらも剣を構えた

火竜「ガアアァァ!!」

火竜の腕は美泉めがけて動いている。美泉は目をつぶり、ダメだと思いながらも剣を振るう。もう終わったと思われたその瞬間…!


「伏せろー!!」

誰かが乗って来た馬からジャンプして、双剣で火竜の頭部を斬りつけた

???「チッ、はずしたか」


美泉「え……もしかして…」


???「バンギック!!そいつを向こうにおびき寄せろ!」

バンギック「了解だ、ドルゼ!」


美泉「みんなぁ……」

美泉はさっきより泣きながら確認した。ようやく本部からの増援が到着したようだ。増援部隊のメンバーはランク5のバンギック・ドルゼ。そして各種武器を乗せた荷馬車を運んできたランク3の兵士5人だ

ドルゼ「お前達、大丈夫か!?」

美泉「龍剣とボルカさんが…速く処置しないと…!」

ボルカ「うっ…ワシは後でいい…それより龍剣を…」

倒れている龍剣の身体からは大量に血液が流れ出ている

美泉「は、はい!」

美泉が回復魔法ですぐに手当てを始めた


ボルカ「ドルゼよ」

ドルゼ「はい」

ボルカ「やつの右後ろ足は潰した。火山に入られる前にここで仕留めるんじゃ」

ドルゼ「わかりました」

ドルゼは荷馬車から弓矢と双剣を取り出し、バンギックとともに戦闘を開始した

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