ケミカルロード〜薬学はRPGで最強だと思うんです〜
13:旅に出たものの…(3章:世界を救う花)
さて、町から出たわけだがこれからどうしようか。旅をしようというのはいいが、いざ、旅をするという事になって、何をすればいいのかということがわからない。
俺たちは旅を始めるため、町を出た。まさかこんな大変な冒険になるなんて、最初、この世界へ来たときには全く思わなかった。それが今となっては当たり前のように、冒険をするということになっている。俺はこの状況に対し何故か、不思議なくらいに落ち着いていた。
武器などを買って、時はもう正午、昼になっていた。いつものように太陽は俺たちを明るく照らしている。
俺は何をすればいいのかわからず、ルナの後に付いて行っていたが、どうしても疑問になっていたので、お腹が空いているのを我慢してルナに聞いた。
「ルナ、1つ聞きたいことがあるんだがいいか?」
そう聞くとルナは、少し疲れた表情でこちらを向く。
「何ですか?」
「あのさっき会った薬師の女性ってすごい人なのか?」
ルナはそれを聞いて疲れていた顔を明るくして話し出す。
「ああ、そのことですか。はい、もちろんあの人は凄い人ですよ。」
やっぱりそうか。
「助けた時には火傷を負っていて顔がよく見えませんでしたが、火傷が治った時に気付きました。あの人は町一番の薬師です。医術についても詳しいので、町の人々が何かあったら一番に頼るような人ですよ。その様子だとステータスを見たんですね。」
「ああ。」
そんなに凄い人だったんだな。ステータスを見てやばいとは思っていたが。
俺は驚きと同時に安心も感じていた。
何かあったらまたあの人に頼ろうか。
そう思って再び平原を歩いていたが、いくら歩いても町が見えてこない。
俺は心配しながら、ルナにもう一度聞いた。
「どこへ向かって歩いているんだ?」
そう聞くとルナは困った顔をしながら振り向く。
「わからないです。ただ、適当に歩いているだけですよ。」
その言葉を聞いて俺は驚きのあまり、声が出せなくなった。
適当に歩いているのか?それじゃあ、何処にも着かないっていうことがあるんじゃないか?
「やっぱり駄目ですか?」
ルナがこちらへ訴えかけるような瞳でこちらを見てくる。
「ああ、それはまずい。」
俺は肝心の食料を買い忘れていた事についさっき気づき、落胆していた。
食べる物が何か欲しい。そう思っていた俺は、我慢ができずルナに聞いた。
「何か食べるものはないか?」
ルナは少し考えてから答えた。
「確か私の鞄の中に、今日の分の食料が入っていると思いますよ。」
それを聞き、俺は嬉しさのあまり、飛び跳ねそうになった。この状況でなんとか食べる物が一つでもあって良かった。
それはそうと、あるなら先に言って欲しいと思った。
「カズアキさん、荷造りに集中し過ぎて私が食料を入れていた事に気付かなかったんですね。」
ルナが俺の方をニヤニヤしながら見てきた。
ああ、そういえば入れていた気もするな。
そんなことを思っていたその時、ぐーっと俺のお腹が鳴った。
ルナはそれを聞いて、さらにニヤニヤした。
俺は恥ずかしくて顔を赤く染めた。
「さあ、食べましょうか、お腹も欲しいと叫んでいるようですし。」
「もう、からかわないでくれ。」
俺は顔を赤くしたまま言った。
そして俺たちはルナが用意してくれていたサンドウィッチを食べた。
空腹だったのが一気に満腹になり、充足感を感じていたが、この後のことをどうするかという事が頭に浮かび、再び頭を悩ませた。
「これからどうする?」
ルナは食べ終わり、食事の後片付けをしていたが、その手を止めて考えるような表情になって言った。
「んー、そうですね。カズアキさんは何処か行きたい場所、ありますか?」
行きたい場所と聞かれてもここにきたばかりなんだし…
いや、一つあるな。
俺はあることを思い出し、その事を口に出した。
「前に精霊について詳しく知っている人を紹介するって言っていただろ?その人と会うことは出来ないか?」
ルナはそれを聞き、気付かなかったとでもいうような顔をした。
「ああ、出来ますよ。ここからそう遠くないでしょうし、日が落ちる前までには着くと思います。」
日が落ちるまでには、か。まあ仕方がないか。この世界には車のようなものはないし。代わりに魔法という便利なものはあるが、俺は使えないもんな。
「じゃあ、行こうか。」
「はい!」
俺たちは再び歩き始めた。さっきとは違い、ルナの歩き方がしっかりしている気がする。
しばらく歩き、俺たちはある洞窟の前に着いた。
ルナは息を一つついて言った。
「この洞窟の中にいると思いますよ。」
こんな洞窟の中に…
俺はその精霊について詳しい人がこんな住むのが難しい場所に住んでいるという事に驚いた。
「本当にここにいるんだよな?」
不安になったのでルナに聞いた。
「はい。カズアキさんの考えていることはわかりますが、その人はこんな場所でも生活できるような力を持っていますから。」
洞窟でも生活できる力…?どんなものだろうか。
「入りましょう。」
「ああ。」
俺はその事について気になりながら、洞窟の中へと入っていった。
俺たちは旅を始めるため、町を出た。まさかこんな大変な冒険になるなんて、最初、この世界へ来たときには全く思わなかった。それが今となっては当たり前のように、冒険をするということになっている。俺はこの状況に対し何故か、不思議なくらいに落ち着いていた。
武器などを買って、時はもう正午、昼になっていた。いつものように太陽は俺たちを明るく照らしている。
俺は何をすればいいのかわからず、ルナの後に付いて行っていたが、どうしても疑問になっていたので、お腹が空いているのを我慢してルナに聞いた。
「ルナ、1つ聞きたいことがあるんだがいいか?」
そう聞くとルナは、少し疲れた表情でこちらを向く。
「何ですか?」
「あのさっき会った薬師の女性ってすごい人なのか?」
ルナはそれを聞いて疲れていた顔を明るくして話し出す。
「ああ、そのことですか。はい、もちろんあの人は凄い人ですよ。」
やっぱりそうか。
「助けた時には火傷を負っていて顔がよく見えませんでしたが、火傷が治った時に気付きました。あの人は町一番の薬師です。医術についても詳しいので、町の人々が何かあったら一番に頼るような人ですよ。その様子だとステータスを見たんですね。」
「ああ。」
そんなに凄い人だったんだな。ステータスを見てやばいとは思っていたが。
俺は驚きと同時に安心も感じていた。
何かあったらまたあの人に頼ろうか。
そう思って再び平原を歩いていたが、いくら歩いても町が見えてこない。
俺は心配しながら、ルナにもう一度聞いた。
「どこへ向かって歩いているんだ?」
そう聞くとルナは困った顔をしながら振り向く。
「わからないです。ただ、適当に歩いているだけですよ。」
その言葉を聞いて俺は驚きのあまり、声が出せなくなった。
適当に歩いているのか?それじゃあ、何処にも着かないっていうことがあるんじゃないか?
「やっぱり駄目ですか?」
ルナがこちらへ訴えかけるような瞳でこちらを見てくる。
「ああ、それはまずい。」
俺は肝心の食料を買い忘れていた事についさっき気づき、落胆していた。
食べる物が何か欲しい。そう思っていた俺は、我慢ができずルナに聞いた。
「何か食べるものはないか?」
ルナは少し考えてから答えた。
「確か私の鞄の中に、今日の分の食料が入っていると思いますよ。」
それを聞き、俺は嬉しさのあまり、飛び跳ねそうになった。この状況でなんとか食べる物が一つでもあって良かった。
それはそうと、あるなら先に言って欲しいと思った。
「カズアキさん、荷造りに集中し過ぎて私が食料を入れていた事に気付かなかったんですね。」
ルナが俺の方をニヤニヤしながら見てきた。
ああ、そういえば入れていた気もするな。
そんなことを思っていたその時、ぐーっと俺のお腹が鳴った。
ルナはそれを聞いて、さらにニヤニヤした。
俺は恥ずかしくて顔を赤く染めた。
「さあ、食べましょうか、お腹も欲しいと叫んでいるようですし。」
「もう、からかわないでくれ。」
俺は顔を赤くしたまま言った。
そして俺たちはルナが用意してくれていたサンドウィッチを食べた。
空腹だったのが一気に満腹になり、充足感を感じていたが、この後のことをどうするかという事が頭に浮かび、再び頭を悩ませた。
「これからどうする?」
ルナは食べ終わり、食事の後片付けをしていたが、その手を止めて考えるような表情になって言った。
「んー、そうですね。カズアキさんは何処か行きたい場所、ありますか?」
行きたい場所と聞かれてもここにきたばかりなんだし…
いや、一つあるな。
俺はあることを思い出し、その事を口に出した。
「前に精霊について詳しく知っている人を紹介するって言っていただろ?その人と会うことは出来ないか?」
ルナはそれを聞き、気付かなかったとでもいうような顔をした。
「ああ、出来ますよ。ここからそう遠くないでしょうし、日が落ちる前までには着くと思います。」
日が落ちるまでには、か。まあ仕方がないか。この世界には車のようなものはないし。代わりに魔法という便利なものはあるが、俺は使えないもんな。
「じゃあ、行こうか。」
「はい!」
俺たちは再び歩き始めた。さっきとは違い、ルナの歩き方がしっかりしている気がする。
しばらく歩き、俺たちはある洞窟の前に着いた。
ルナは息を一つついて言った。
「この洞窟の中にいると思いますよ。」
こんな洞窟の中に…
俺はその精霊について詳しい人がこんな住むのが難しい場所に住んでいるという事に驚いた。
「本当にここにいるんだよな?」
不安になったのでルナに聞いた。
「はい。カズアキさんの考えていることはわかりますが、その人はこんな場所でも生活できるような力を持っていますから。」
洞窟でも生活できる力…?どんなものだろうか。
「入りましょう。」
「ああ。」
俺はその事について気になりながら、洞窟の中へと入っていった。
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