ケミカルロード〜薬学はRPGで最強だと思うんです〜

彩月

3:町へ突入(1章:事の始まり)

ふぅ。あの管理者から結構な無茶振りを要求されたけど、なんとか1時間ぐらいで下りれた。

幸い頂上にいたわけではなかったので、まだ良い方だった。

それよりもあの町の門の前にいる門番はどうしたらいいというんだ?俺にまた自分でなんとかしろっていうのか。

俺はどうすればいいのかわからなかったから心の中で神様(管理者)を呼んでみた。

おーい、神様〜。

[…カチャッ。はい、どうしましたか?]

それ、電話なのか?

[カチャッっていうのがなんなのかについてですか?それはあなたの世界では電話というものがあるらしいじゃないですか。あなたが親しみやすいように、私が自分の声でカチャッって言ってるんですよ。それだけですか?切りますよ?…カチャッ。]

ちょ、ちょっと待ってくれ。

[何ですか?]

門の前に門番が、ここに来た人に入りたくなくなるくらい厳重に見守りをしているのだがどうやって中へ入るんだ?

[え、それは簡単ですよ。私はこの世界の管理者に言われてこの世界へきた異世界人です。この町に住めとおっしゃったので中へ入ってもいいですかっていえばいいだけですよ。]

なんかこの神様、自分のこと偉いと思いすぎな気がする…

[そりゃ、この世界作った者ですもの。]

まあいいけど、そう言えば入れるんだな?

[もちろん。]

それで入れなかったらお前に責任とってもらうけどいいんだな?

[いや、絶対入れますから。心配しすぎですよ〜。]

わかった。今度こそ切っていいぞ。

[はーい。…カチャッ。]

今思ったのだが電話を切ったってことを表すならブー、ブーの方がいい気がする。まぁそんなことは置いておいて、あの神様が言っている通り、管理者に言われて来たっていえばいいんだな。神様よりも女性だから女神様の方がいいのか?まぁ、どっちでも同じようなもんだろ。…ちょっと心配だな…

そして、少しビクビクしながら俺は町の門へ行った。

「あの、少しいいですか?」

「ん、何の用だ?よそのものがこの町に入るのには通行証か、招待状が必要だぞ?」

「招待状ではないのですがこの世界の管理者にこの町に住めと言われたのですが。」

「ああ、そうやって入って来ようとする奴がいるんだよねぇ。残念だけどその手には乗らないよ。」

「いや、だから…」

「帰った帰った!」

おい、女神、入れないぞ…

[やっぱ無理でしたかぁ。最近そうやって中に入ろうとする奴がいるせいで信じられなくなっているんですね。おまけにその服装じゃ怪しまれますしね。]

おい、気づいていたなら先に言ってくれ!入れなかったのお前が責任とってくれるんだよな?

[な、なんのことですかねぇ?]

とぼけるな!さっき約束したでしょ。

[はあ、わかりましたよ。私のミスです。認めますから。]

謝るのはもういいからどうやって入るんだよ?

[私にいい考えがありますよ。ちょっと待ってください。]

わかった。いい考えって何かはわからないけど、それで解決するならいいよ。

すると、しばらくして門番の顔が急に顔を赤らめて、口を開いた。

「失礼しました。お通りください。」

何をどうやったんだ?

[簡単なことですよ。あの人の頭の中に直接語りかけて、あの人しか知らないはずの秘密を言って、私が管理者ってことを信じさせてあなたを通させるように言ったってだけです。]

それは色々とやばいことしてるな。あの門番さんには少し悪いと思うけど入るか。ありがとうな。

[礼なんていらないですよ。]

まぁ、そうか。もともとあんたが撒いたものだもんな。

[そんな言い方はないでしょう!]

事実だから仕方ない。じゃ、切っていいぞ。

[はいっ!…ブー、ブー。]

(流石に怒ったか。…すまないな。そういえば最後、カチャッじゃなくてブーブーになってたな…ちょっとは成長したじゃないか。えらいえらい。さて、入ろうか。

町の中へ入ると沢山の人がいて、お祭りでもやってるかのようにとても賑わっていた。しばらく歩いていると、ボロい看板が見えてきた。その看板には〈異世界人様の家〉と書いている。といことはこっちの方か。

そして歩いて行くと、まぁ、小さな家がそこにはあった。

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