神様にツカれています。

こうやまみか

第二章 20

「ゆーちゅーぶとかで『実際に電話してみた』動画が数本上がっていますが、日本語が覚束ない人ばかりが電話に出ますから、日本国内と見せかけて中国か、東南アジアの国でしょう。オレも動画を視聴しましたが、電話越しに聞こえる人の話し声は明らかに日本語を母国語にしていない人が大多数といった感じです。
 もう、誠司に憑くのは止めて、今後のことを話し合いませんか?
 ほら、この『ついきゃす』主さんもそういう動画を上げていますし、何ならツイッターやインスタも公開していますから直接聞くことも出来ます。スカイプで凸待ちしても良いですし……。
 誠司は確かに良いヤツだと思いますし、神様からすれば騙しやすい人間だとは思いますが、幼馴染の友人として放置してはおけません」
 伸也のキッパリとした声が聞こえてくる。良いヤツなのはむしろ伸也だろう。こんなにバカなオレをこんなに庇ってくれている。
「そうか。八百万の神がおわします日本ではなくて……。詐欺神もグローバル化に成功したのか……」
 グローバル化って国際的とかっていう意味だったような気がする。外国への憧れはオレらの世代では薄いとか教授が言っていたような気がするけど、神様は違うのか異国への憧れみたいな感じの遠い目をしている。
 もしかして詐欺神様に――確か物凄く羽振りが良い恰好をしていたような気がする――対抗意識を燃やしているのかも知れない。
「誠司君、本当に世話になった。ワシは新世界の神になるので、ここでお別れじゃ。
 プラチナ会員にはなれなかったが、何時の日にか大麻の栽培が軌道に乗ったら必ずこの御礼はするから、な」
 麻神様は名残惜しそうな感じではあったが、新世界とやらの期待に満ちた眼差しだった。
「今日一日の得難い経験――出来れば一生したくない種類のモノでしたが、もうどっと疲れが出ましたし、憑くって言うんですか、そういうのも止めて貰っても良いですか?御礼は別に要らないです……」
 ダッシュで走った――多分自己ベストだろう――疲労感とか、その前の「違法なことをしている」画像が、ゆーちゅーぶだかついキャスだかで晒されて、しかも大学名とか名前がインスタに――身内しか見ないと思ってオレの本名とか画像を載っけていたのは自業自得だろうが、炎上して色々なところで本名とか大学名なんかが拡散してしまわれたりする恐怖で精神的にも恐怖のどん底を味わった。
もう。

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