経験値チーターによる異世界無双(時々神様のお使いします)

白銀紺

冒険者の街アクセル

アリスたちと街道を進むこと一時間。

特に何事もなく街の外壁にたどり着いた。
外からでも分かるくらいに街のなかは冒険者や旅人などで活気付いていて、それなりの規模もあるようだ。

「200年前まではド田舎だったのにな、、」

と、独り言を呟いていると、

「何でもこの街を治める領主、ナイル・オーランドの遠い祖先バウト・オーランドが若かりし頃、まだ田舎だった村が魔王の手下に襲われているところを勇者が助けたことでバウトが冒険者や商人を集め自分達だけでも自衛できるようにしようとしたのが始まりらしい。」

「なるほどな。」

まず、間違いなくその勇者は俺のことだろう。前回、魔王の手下であるアルフゴールが
名も無き辺境の村を襲っていたことがあった。

そんな折たまたま通りかかった俺は今にも殺されそうだった村人達を助け、アルフゴールを退治したのだ。

「まさか、あのとき助けた村人の一人が村をこんなに大きくするなんてなぁ。」

と、大きくなった街を見て感慨に耽っているのも束の間、

「そう言えば、トウヤ殿はこれからどうするつもりなんだ?」

アリスが唐突に質問を投げ掛けてくる。

「実はまだ決めてなくてな。冒険者にでも登録して路銀を稼ぎながら旅をしようと思う。」

「そうか!!では私が冒険者ギルドへと案内しよう。」

「それは助かる。正直言って冒険者ギルドがどこにあるのかとか人に聞いてまわるのは面倒だったんでな。」

そうこう話している内に外壁の内部へと馬車が通過する。
何やら検問所みたいな所で兵士たちが水晶を見ているが、どうやら悪人かどうかを判断する魔道具らしい。

「トウヤ様、この度は命を助けてくださり本当に有り難うございました。私自信にできる恩返しなど本当に小さな事ですがどうぞ後日このメダルを持ってアドトレード商会を訪ねていらしてください。」

カシアをアドトレード商会の前まで送ると金色で中央に天秤が書かれたメダルを渡された。

「ありがとう。是非今度寄らせてもらうよ。」

そう言ってカシアと別れた後、依頼の報告に行くと言うアリスについていき冒険者ギルドへと到着した。

赤い煉瓦で作られた大きな三階建ての建物に
裏手には倉庫、武器屋、防具屋、酒屋に至るまでこの通り丸々冒険者のためにあるかのような造りをしている。

冒険者ギルド自体の建物はそんなに大きいものではないらしいが冒険者のための施設を含めると実に街の40パーセントの建物が冒険者に関与しているらしい。

「すげーな。本当に、、」

「こんな所で気後れしていては後々身が持たなくなるぞ。今から冒険者登録をするのだからな。」 

そうして、冒険者ギルドへと足を踏み入れる。

中には依頼の報告をしているらしい同い年くらいの4人パーティとこれからの打ち合わせをしているらしいパーティがいるだけで他に人は見受けられなかった。

「今の時間は一番人が少ないからな。受け付けも空いているしすぐに登録できると思うぞ。」

そう言われたので空いている受付へと向かう

「こんにちは、本日は当ギルドへどういったご用件でしょうか?」

受付の女性が話しかけてくる。
緩いウェーブのかかった茶色の髪に大きな黄色い瞳。薄々気付いていたが、この世界の女性の偏差値は相当高い。

「冒険者登録をしたいんだが。」

「はい。そうしましたらこちらの書類に必要事項をお書きください。文字が書けない場合は代筆しますのでお申し付け下さい。」

「大丈夫だ。問題ない」

この世界の文字は地球のどの文字とも異なる。ただ、前々回と前回で既に文字、言語とも習得しているので何ら困ることはない。

「はい、書類の記入を確認しました。名前はトウヤ様で年は17。特技は剣術と魔法。以上でよろしいですね?」

「あぁ。それで構わない」

「分かりました。ではこれから登録試験を行いたいと思いますのでギルドの地下闘技場へ来ていただけますか?」

「試験があるのか。因みにどういった試験を行うとか聞いても?」

「試験の内容は戦闘がどの程度できるかを見るだけです。後で説明しますが試験の結果次第で登録できないこともあるので本気でやってくださいね。」

全く試験があるなど聞いていなかったので驚いたのだが、聞いたところタダで誰でも入れたら冒険者ギルドが破綻するとアリスにツッコまれてしまった。 

「まぁ。これでトウヤ殿の実力を垣間見ることができるからな。私としてはとても興味深い。」

ヤダこの人怖い。

アリスはどうやら戦闘狂紛いの素質があるらしい今彼女の目にはこれから行われるであろう試合しか映っていない。

「それで、俺はいったい誰と対峙するんだ?」

「あ、申し訳ありません。まだ話していなかったですよね。今回の試験官は当ギルドのギルド長です。」

「あぁ。ここのギルド長ね、、、ってギルド長!?」

「はい。ベタかつ思い通りの驚愕っぷりありがとうございます。」

「いやいや、こちらこそ、、っていきなりギルド長と戦わせるなんていったいなんのつもりだよ。」

「これはどこのギルドでも行われていることでして、ギルド長自らが冒険者になるのに相応しいか見極めると共に新しく入ってくる者と戦いその者にあった依頼を斡旋するよう見極めるという一石二鳥な仕組みなんですよ」

「は、はぁ。」

「取り敢えず闘技場へいきましょう。奥の階段を降りたらすぐですので」


こうして、謎に俺は冒険者ギルドのギルド長と戦うことになるのだった。








読んでくださりありがとうございます。
次回更新は明日の21時を予定しております。


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