組長は、人生?をやり直し、魔王になるお話(短編)

久留米天狗

(1ー4) 弱い弱すぎる

(1ー4) 弱い弱すぎる



「さぁ、お前の力を見せてみろ」

オーガと戦わせ、俺の実力を確かめる魂胆の様だ

オーガが、俺を敵と認識した

丸太を振り回す

ドガッ ドーン「グッ」

丸太でホームラン?
10数メートル離れた壁まで飛ばされた

「なっ!」
男が驚く

オーガが、走り寄ってきて丸太でタコ殴り

ドン ガン ドガッ ボコ ボガッ

「攻撃しろ!」「反撃しろ!」
「オーガを殺せ!」

ハアハア 男は息が上がるほど叫んだ

俺は、その命令に耐えた
オーガの攻撃に耐えた

腕が千切れ、足が折れ曲がり、内蔵が飛び散り

オーガが雄叫びを上げる
勝利の雄叫びを


俺の中のそれが、壊れた

「弱い、弱すぎる」
「失敗だ クソッ、クソー!」
男はオーガに命令する

「戻れ!」
オーガは、元の扉を潜って出ていった


男も俺の肉片をそのままにし、研究所へ入っていった

『やっと、自由になれた』
顔も潰れていて声には出ない

『肉体再生』
そう考えると肉片が集まりだす

腕がくっつき、足が元に戻り、泥まみれの内蔵が体の中に入っていく

「こいつのせいだな」
俺の手の中に砕けた石があった

グッ バリバリ バラバラ
握り潰した

「腹の中の土は出ていくのか?」
『排出』
そう考えると、口の中にジャリジャリと土が出てきた
ペッ ペッ

「口からかよ」


俺には解った、何らかの方法で俺を操っていることが、それが、体の中に有ることが

だから、オーガに壊された

痛くないと言えば嘘だが、生爪剥がされるより、マシだったな

『痛感覚麻痺』『神経麻痺』
こう考えたら、命令に逆らえた、殴られても(余り)痛くなかった

そして、グシャグシャになっても元に戻れる確証があった

ここが魔法の世界で、研究所でアイツが使っていたから

俺の腕を切り取り、クローンを作ろうとしていた

『痛感覚麻痺』『肉体再生』
を、そこで覚えた

少しは、俺の役に立ってもらわんとな


血が足りんな
オーガが出ていった扉は開いたまま

俺は、その扉に足を運ぶ





フォロー、いいね ありがとうございます
感想・誤字報告等ありましたら一言お願いします


コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品