修羅道 ~レベルを上げたいだけなのに~
第13話 武闘祭予選
武闘祭が始まる。
武闘祭は予選と本戦からなる。今日から始まるのは予選だ。王の道楽で催される今大会には賞金や名誉、現代では満たされにくくなった闘う喜びを求めて各地から猛者が集まってくる。
国籍や人種、さらに経歴を一切訪わないこも大きいかもしれない。
参加人数は昨日の発表で1800人を超えていた。
ここから本戦トーナメントに進むことが出来る32枠の内、30枠を決める。残り二つの枠は前回優勝者と王の推薦枠だ。
大会の規模、参加人数、全てが大きかった、ここの人種は争いが嫌いと思っていたが認識を改める必要があるのかもしれない。
予選の内容に移ろう、その内容はシンプルだ。
参加者の人数を30で割り、その人数を闘技場内で闘わせる。
残った最後の一人が予選突破という形だ。
今大会の場合およそ60人から1人を選ぶことになる。
会場はコロッセオのような円形闘技場だ。大中小と3つの円形闘技場が帝都には存在する。
60人が同時に闘うと考えると、せまっくるしいように感じるかもしれないが一番小さい闘技場でも学校の校庭より大きく、むしろ広すぎるように感じた。
その広すぎる闘技場に、俺を含む同じブロックの人間が今集結した。
あとは開始の合図を待つのみだ、観客達のざわめきが五月蝿い。
そして予選が始まった。
残念ながら武闘祭とはいえ殺してはいけないルールになっているので、腰のナイフは出番なしだ、俺なら素手で十分だろう。
目の血走った手近な奴を持ち上げ、別の奴に投げつける。これで2人が医務室のお世話になるだろう。
次だ。
つたない斬りあいをする二人が見えた。片方の背後に忍び寄った俺は、剣を持った手首をつかむ。手ごと剣を持った状態だ。
突然の乱入だが悪く思うな、そういうルールだろこれ。
虚をつかれた敵側の腕を浅めに突き刺す。
「――!」
痛みに声にならない悲鳴をあげる。なに大丈夫だ死にはしない。
剣の持ち主と目が合う。どうだ?人を刺した感覚は?
簡単に剣を奪い今度はそいつの足の脛を斬る。間違っても出血多量にならないように浅めにだ。
そんなこんなで数を減らしてゆく、どいつもこいつも、たいしたことはなさそうだ。
いや違う、大きな斧を振り回し、4対1で善戦している奴がいる。
前後左右に取り囲まれながらも、斧を振り回して致命的な攻撃をさせないでいた。とはいえ多くの裂傷がついており、不利な形勢が伺える。
斧使いの背後から強襲。4人の内ひとりに飛び蹴りをかまし、勢いそのまま斧使いの横に並び立つ。
分散していた敵3人が集まったのを、睨み付けた後、斧使いと視線がぶつかる、コイツいつぞやの太っちょだ。
驚いた顔をする太っちょだが、凛々しい顔をして再度顔を前へ向ける。その口角は上がっていた。
わかるぞ小僧、昨日の敵は今日の友。そういうことだな?
顔にそう書いてあった。
別にそれでもよかったのだが俺の行動は違った。
横に立つふとっちょの、ふくらはぎを蹴ってバランスを崩させそのまま足払いで転倒させる、そしてその巨体を3人に向けて転がした。
2人は弾き飛ばされ1人は下敷きとなった。人間ボウリングだ。
楽しくなった俺はしばらくボウリングを楽しんだ。斧は途中でどこかにいった。
革鎧を着ていたふとっちょボールの破壊力はすばらしく、止めることが出来る者はいなかった。
「ごくろうさん」
頑張ったボールに声をかけるが、ふとっちょボールは青い顔で気絶していた。
武闘祭は予選と本戦からなる。今日から始まるのは予選だ。王の道楽で催される今大会には賞金や名誉、現代では満たされにくくなった闘う喜びを求めて各地から猛者が集まってくる。
国籍や人種、さらに経歴を一切訪わないこも大きいかもしれない。
参加人数は昨日の発表で1800人を超えていた。
ここから本戦トーナメントに進むことが出来る32枠の内、30枠を決める。残り二つの枠は前回優勝者と王の推薦枠だ。
大会の規模、参加人数、全てが大きかった、ここの人種は争いが嫌いと思っていたが認識を改める必要があるのかもしれない。
予選の内容に移ろう、その内容はシンプルだ。
参加者の人数を30で割り、その人数を闘技場内で闘わせる。
残った最後の一人が予選突破という形だ。
今大会の場合およそ60人から1人を選ぶことになる。
会場はコロッセオのような円形闘技場だ。大中小と3つの円形闘技場が帝都には存在する。
60人が同時に闘うと考えると、せまっくるしいように感じるかもしれないが一番小さい闘技場でも学校の校庭より大きく、むしろ広すぎるように感じた。
その広すぎる闘技場に、俺を含む同じブロックの人間が今集結した。
あとは開始の合図を待つのみだ、観客達のざわめきが五月蝿い。
そして予選が始まった。
残念ながら武闘祭とはいえ殺してはいけないルールになっているので、腰のナイフは出番なしだ、俺なら素手で十分だろう。
目の血走った手近な奴を持ち上げ、別の奴に投げつける。これで2人が医務室のお世話になるだろう。
次だ。
つたない斬りあいをする二人が見えた。片方の背後に忍び寄った俺は、剣を持った手首をつかむ。手ごと剣を持った状態だ。
突然の乱入だが悪く思うな、そういうルールだろこれ。
虚をつかれた敵側の腕を浅めに突き刺す。
「――!」
痛みに声にならない悲鳴をあげる。なに大丈夫だ死にはしない。
剣の持ち主と目が合う。どうだ?人を刺した感覚は?
簡単に剣を奪い今度はそいつの足の脛を斬る。間違っても出血多量にならないように浅めにだ。
そんなこんなで数を減らしてゆく、どいつもこいつも、たいしたことはなさそうだ。
いや違う、大きな斧を振り回し、4対1で善戦している奴がいる。
前後左右に取り囲まれながらも、斧を振り回して致命的な攻撃をさせないでいた。とはいえ多くの裂傷がついており、不利な形勢が伺える。
斧使いの背後から強襲。4人の内ひとりに飛び蹴りをかまし、勢いそのまま斧使いの横に並び立つ。
分散していた敵3人が集まったのを、睨み付けた後、斧使いと視線がぶつかる、コイツいつぞやの太っちょだ。
驚いた顔をする太っちょだが、凛々しい顔をして再度顔を前へ向ける。その口角は上がっていた。
わかるぞ小僧、昨日の敵は今日の友。そういうことだな?
顔にそう書いてあった。
別にそれでもよかったのだが俺の行動は違った。
横に立つふとっちょの、ふくらはぎを蹴ってバランスを崩させそのまま足払いで転倒させる、そしてその巨体を3人に向けて転がした。
2人は弾き飛ばされ1人は下敷きとなった。人間ボウリングだ。
楽しくなった俺はしばらくボウリングを楽しんだ。斧は途中でどこかにいった。
革鎧を着ていたふとっちょボールの破壊力はすばらしく、止めることが出来る者はいなかった。
「ごくろうさん」
頑張ったボールに声をかけるが、ふとっちょボールは青い顔で気絶していた。
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