修羅道 ~レベルを上げたいだけなのに~
第2話 レベル感知
「スキル[レベル感知]」か。
スキル……まるでゲームだな、それも若者の間で流行っているフルダイブ型のゲームに酷似している。
しかしこれがもしゲームなら『違法』だ。
フルダイブ型のゲームは極めて精巧なものが多く、さらに五感をある程度ゲームに持って行かれる。
そのため空腹や排泄等を忘れて没入する危険性があり、必ずプレイヤーのバイタルを視界に表示する義務がメーカーには課せられている。
今やほとんどのフルダイブ型ゲームは必須のバイタル表示に加え、HPやMPといったUIを表示するが一般的である。
俺の視界には何のUIもない。であるからしてスキルがあっても、ここがゲームとは思えなかった。
というか現実味がありすぎる、この世界は。
ならば何が起きたのか?50年程昔に流行した異世界転移・あるいは異世界転生ならば辻褄があう。もしそうならば神様の一柱でも出てきて説明してほしい。
――冷静に考えよう、まず森で起きた。そして気づいたら若返っていた。それだけでも異常だが今度はスキルだ。
どうやら前にいた世界とは根本的に異なる世界に来たようだ。
そりゃ変な場所で起きるのも当然だろう。むしろ空中とか海中に跳ばされなくてよかった。
新しい世界で新しい人生か、悪くない。今の俺は希望に満ち溢れている。
レベル……スキル……まるでゲームみたいで素晴らしいじゃないか。
「使うか」
幸い使い方は簡単だった、手足のように意識しなくても使うと思えば発動する。
[LV2] 俺のレベルは2だった。つまり蚊を殺すことで経験値が貯まってレベルが上がったのだろう。
にやつきが止まらない。レベルとスキルがある世界。これはもうレベルを上げまくってスキルもバンバン覚えていくしかない訳である。
懐かしいRPGゲームを想い出す、俺はレベル上げが大好きだった。強くなり出来ることが増えていく世界。
今じゃVRを除くRPGなんて年寄りしかしてないけどな。
「他の生き物のレベルも見たいな・・・・」
川に目を向ける、魚だ。[LV-」
ふむ、魚にはレベルがないようだ。アイテム扱いなのかな?
また蚊が飛んできた。[LV-]……コイツもレベルがない。経験値になったのに。
もしかしたらある程度の能力がないとレベルがないのかもしれない。
俺は考察をやめてさらに川を下る。
すると奇妙な光景が現れた。丸太だ。
丸太が何本も川の端に浮かべられている、ロープで固定されたそれらはまるでイカダのようだ。イカダにしては大げさなサイズであったが。
よくよく観察するとここまで丸太を引きずってきたような跡が沢山ある。
人か少なくとも知性ある生物の仕業に相違なかった。
そういやこの世界に人がいない可能性は考えていなかった。
「うーん・・・いる、いるに違いない、いてくれなきゃ困る、なんか嫌だ。」
ガザガザ、ズズズといった音とともに気配が現れる。森の方からだ。
友好的な相手かわからないし、ひとまず隠れようと思ったが気が付くのが遅すぎた。
丸太を引きずってきた人物がその姿を現わした。
スキル……まるでゲームだな、それも若者の間で流行っているフルダイブ型のゲームに酷似している。
しかしこれがもしゲームなら『違法』だ。
フルダイブ型のゲームは極めて精巧なものが多く、さらに五感をある程度ゲームに持って行かれる。
そのため空腹や排泄等を忘れて没入する危険性があり、必ずプレイヤーのバイタルを視界に表示する義務がメーカーには課せられている。
今やほとんどのフルダイブ型ゲームは必須のバイタル表示に加え、HPやMPといったUIを表示するが一般的である。
俺の視界には何のUIもない。であるからしてスキルがあっても、ここがゲームとは思えなかった。
というか現実味がありすぎる、この世界は。
ならば何が起きたのか?50年程昔に流行した異世界転移・あるいは異世界転生ならば辻褄があう。もしそうならば神様の一柱でも出てきて説明してほしい。
――冷静に考えよう、まず森で起きた。そして気づいたら若返っていた。それだけでも異常だが今度はスキルだ。
どうやら前にいた世界とは根本的に異なる世界に来たようだ。
そりゃ変な場所で起きるのも当然だろう。むしろ空中とか海中に跳ばされなくてよかった。
新しい世界で新しい人生か、悪くない。今の俺は希望に満ち溢れている。
レベル……スキル……まるでゲームみたいで素晴らしいじゃないか。
「使うか」
幸い使い方は簡単だった、手足のように意識しなくても使うと思えば発動する。
[LV2] 俺のレベルは2だった。つまり蚊を殺すことで経験値が貯まってレベルが上がったのだろう。
にやつきが止まらない。レベルとスキルがある世界。これはもうレベルを上げまくってスキルもバンバン覚えていくしかない訳である。
懐かしいRPGゲームを想い出す、俺はレベル上げが大好きだった。強くなり出来ることが増えていく世界。
今じゃVRを除くRPGなんて年寄りしかしてないけどな。
「他の生き物のレベルも見たいな・・・・」
川に目を向ける、魚だ。[LV-」
ふむ、魚にはレベルがないようだ。アイテム扱いなのかな?
また蚊が飛んできた。[LV-]……コイツもレベルがない。経験値になったのに。
もしかしたらある程度の能力がないとレベルがないのかもしれない。
俺は考察をやめてさらに川を下る。
すると奇妙な光景が現れた。丸太だ。
丸太が何本も川の端に浮かべられている、ロープで固定されたそれらはまるでイカダのようだ。イカダにしては大げさなサイズであったが。
よくよく観察するとここまで丸太を引きずってきたような跡が沢山ある。
人か少なくとも知性ある生物の仕業に相違なかった。
そういやこの世界に人がいない可能性は考えていなかった。
「うーん・・・いる、いるに違いない、いてくれなきゃ困る、なんか嫌だ。」
ガザガザ、ズズズといった音とともに気配が現れる。森の方からだ。
友好的な相手かわからないし、ひとまず隠れようと思ったが気が付くのが遅すぎた。
丸太を引きずってきた人物がその姿を現わした。
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