Azurelytone 【1】~アズレリイトオン~

羽兼

014 解体

ダーザイン(Dasein)の不死性は、
ダスト(Dast)の融合によって
個体差が生じる。 


例えば、
ダストの結晶を飲み込むとする……


軽易なダーザイン(不死者)だ。
ただ……身体のどこが不死になったのか
試してみないと確認しようがない……。 

吐き出すか、排出すれば人間に戻る。

もって三日間の不死だ……
僅か三日の不死を得るのに
リスクの方が高いといえる……。 

ダストをどのように肉体に保つ?


例えば、
身体に埋め込むとする……



傷が塞がってから、不死性が現れればいいが………下手をすると永遠の傷の苦しみが続く事になる。 

永遠に生きるという事は、
苦しみも永遠に続くということ……

永遠の苦しみは、精神と肉体の支配を逆転させる。 


その生命の精神のカタチに肉体が変質するのだ。


それが、アレーテウェイン(真理化)


………人ではなくなる。 



いつのまに近づいたのか、ミヅキが男の耳元で囁いた。



「今からあんたを
    解体する…… 」


バシ!!

男は、引きちぎれた腕を、ムチのように叩き付ける!


ミヅキは背後に回り込み、腹部に拳を突き刺す。

同時に、拳と共に硬質化した血液が射し込まれる。

「ぐっ」

さらに、ミヅキの血液は紐のように男に絡まり、身動きを封じる。


ガン!!! 

肘内をかわすすべはなかった。


ギンっ

倒れると同時

拳が顔面に叩き込まれる。


ドッ

衝撃で石畳が砕ける。


ゴン

一撃、また一撃

ミヅキは拳を止めない。


「ぅおぉぉぉらぁ!!!!!」


バリバリバリバリ


高質化した男の皮膚は、無惨に剥がされていく。


「ぐああぁあっ」 


ザギュ!


ザグ!


バギン!


ザッ 



「ォォオオオッ!!」




<俺のブレンド(能力)は血液

    血液を硬質化して切り裂く

    しかし、極度の硬質化は、

    脳の機能も限定させる…………>



<もう………容赦はできないぜ……… >





月明かりの下、身体を引き裂く音が響きわたる…………。




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