話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

Azurelytone 【1】~アズレリイトオン~

羽兼

010 ねがい



外は、碧い月が昇っている。

「紅い月と碧い月……どっちが」

「昔、太陽とよばれた星だっけ?」

「まぁ……いいか……」 

碧い光に照らされて、
一人の男が佇んでいる…。

「うちの店は、内側の者が許可しないと
    中には入れなくなっている」

「この意味がわかるか?」

その蒼白い人形の様な顔に、
瞳だけが深紅に灯っている。

「妻は…どこだ?」 


「娘は妻を亡くし
   混乱してる…」


「だから、俺はダーザイン(不死者)
    となって支えた…」

男の絞り出すように言葉を吐き出す。


「妻は…俺がいないとダメなんだ」 


ミヅキは寂しげに男に語りかけた。

「解らなくなってるのか?」

「あの老婆は、あんたの奥さん
    ではなく あんたの娘だ……」

男は激しく頭を振り、
現実を受け入れようとしない。
……………………できないのだ。


ミヅキは静かに距離をつめる。


「……娘さんから依頼をうけた」

「血のねがいだ……」 


「……血のねがい……だと?」

「だと……」 


男の瞳に、なげやりな凶悪さが増す。

ミヅキは続けた。


「血には、その主の本当のねがいが
    籠っている  意思を越えたねがい……」


「ねがいは……『自由が欲しい』」 


店でアズレリイトオンを選曲する………。

それは、ミヅキに血のねがいを
依頼することだった。


「血のねがいを優先する」

「それが 俺のルールだ」 


それが、たとえ残酷な結末になるとしても。

ミヅキの瞳が深紅に染まりはじめる……。

「Azurelytone 【1】~アズレリイトオン~」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く