君の行く末を、私は見たい

モブタツ

プロローグ

  少女は退屈だった。
  両親は長男の面倒を見るので手一杯、旅館の人たちも忙しそうにしていて。
  少女は外に出るも、見知らぬ土地では遠くにも行けずに退屈な思いをしていた。
  しばらく歩いたところで、少女は同い年くらいの少女に出会った。
  着物姿の少女は、ボロボロの神社の階段で1人、寂しそうに座っていた。
「君…寂しそう…。何かあったの?」
  少女の言葉を聞いた、着物姿の少女は驚いた様子でこちらを見てきた。
「あなたこそ…こんなところで何をしてるのですか?」
  そう聞かれた。
「…みんな一緒に遊んでくれなくてつまんないの」
  少女が答えると、おそらく年上である着物姿の少女は寂しそうに言った。
「日が暮れる前に帰ったほうがいいですよ。ここは危険です」
「…え?」
「また明日、ここに来てください。その…よければ…一緒に遊びませんか?」
「いいの!?やったー!約束だよ!」
  少女はあまりにも嬉しかったのか、同い年くらいの少女に勢いよく手を振り、その場を後にした。

  私の記憶は、ここで途絶えている。

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