CHANGE~ケモミミ女子と入れ替わっちゃった俺の話~
第1話 これは夢だ
◇◇◇
「……こんなことってないよ」
その朝、洗面所の鏡の前で、
俺ははてしなく絶望に陥った。
俺の名前は清田(きよた)マサル。
花の高校2年生、4月に17歳になったばかりだ。
輝かしい未来がごまんと控えているというのに。
季節は5月。
ゴールデンウィークもすぎ、いつものように朝7時に目が覚めた。
学校に行く準備をするため、顔を洗おうと洗面所に行って気がついた。
──鏡に美少女が映っている。
右手を挙げてみると、鏡の中の美少女も右手を挙げる。
頬をつねると、鏡の中の美少女も頬をつねる。
着ているものはかわいい花柄のピンクのパジャマで、もちろん健全な俺はこんなものを持っていないし着て寝るわけがない。
「……これは夢だな」
夢の中なら、自分が美少女になっていても驚かない。
問題は、どうやって目を覚ますかだ。
早くしないと学校に遅刻してしまう。
「よし、もう一回寝るか」
階段を上がっている最中も、違和を感じる。
家の中も、俺の家とまったく違う内装だ。
壁紙も、家のつくりもなにもかもが。
部屋に戻ってみると、いかにもといった感じの女の子の部屋。
うん、やっぱりこれは夢だ。
確信を得て、俺はまたベッドにダイブした。
──ところへ、どこからか男子の声が響き渡った。
「夢なんかじゃありません!」
「ふぇっ!?」
「これは現実です! わたしたち、身体が入れ替わっちゃったんです!」
「身体が入れ替わったぁ? またまた、そんなわけないじゃん」
「よくあるじゃないですか、身体が入れ替わるって」
「それは二次元の話だろ? ってか、じゃあよくある入れ替わりがいまこの現実だとして、だよ。おまえはいったい誰なの?」
「南天(なんてん)高校2年1組の逢坂愛未(あいさか あみ)です」
「逢坂……愛未……?」
逢坂愛未っていえば、美少女で有名なあの子……!
もちろん高校もおなじだから、俺も逢坂愛未のことを知っている。
え、ってか……。
「ってことは、おま……逢坂、さんは、いま俺の姿になってるってこと? ってか、いまどこからしゃべってんの?」
「スマホを見てください」
「スマホ?」
俺は起き上がり、枕元にあるスマホを見た。
──そこには、まごうかたなき俺、清田マサルの顔が映し出されていた。
「……こんなことってないよ」
その朝、洗面所の鏡の前で、
俺ははてしなく絶望に陥った。
俺の名前は清田(きよた)マサル。
花の高校2年生、4月に17歳になったばかりだ。
輝かしい未来がごまんと控えているというのに。
季節は5月。
ゴールデンウィークもすぎ、いつものように朝7時に目が覚めた。
学校に行く準備をするため、顔を洗おうと洗面所に行って気がついた。
──鏡に美少女が映っている。
右手を挙げてみると、鏡の中の美少女も右手を挙げる。
頬をつねると、鏡の中の美少女も頬をつねる。
着ているものはかわいい花柄のピンクのパジャマで、もちろん健全な俺はこんなものを持っていないし着て寝るわけがない。
「……これは夢だな」
夢の中なら、自分が美少女になっていても驚かない。
問題は、どうやって目を覚ますかだ。
早くしないと学校に遅刻してしまう。
「よし、もう一回寝るか」
階段を上がっている最中も、違和を感じる。
家の中も、俺の家とまったく違う内装だ。
壁紙も、家のつくりもなにもかもが。
部屋に戻ってみると、いかにもといった感じの女の子の部屋。
うん、やっぱりこれは夢だ。
確信を得て、俺はまたベッドにダイブした。
──ところへ、どこからか男子の声が響き渡った。
「夢なんかじゃありません!」
「ふぇっ!?」
「これは現実です! わたしたち、身体が入れ替わっちゃったんです!」
「身体が入れ替わったぁ? またまた、そんなわけないじゃん」
「よくあるじゃないですか、身体が入れ替わるって」
「それは二次元の話だろ? ってか、じゃあよくある入れ替わりがいまこの現実だとして、だよ。おまえはいったい誰なの?」
「南天(なんてん)高校2年1組の逢坂愛未(あいさか あみ)です」
「逢坂……愛未……?」
逢坂愛未っていえば、美少女で有名なあの子……!
もちろん高校もおなじだから、俺も逢坂愛未のことを知っている。
え、ってか……。
「ってことは、おま……逢坂、さんは、いま俺の姿になってるってこと? ってか、いまどこからしゃべってんの?」
「スマホを見てください」
「スマホ?」
俺は起き上がり、枕元にあるスマホを見た。
──そこには、まごうかたなき俺、清田マサルの顔が映し出されていた。
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