神眼の転生者
第12話「旅の目的」
「よっしゃオラ!銃を探すぞ!」
「?!」
埒外に高いテンションでそう宣言した俺に驚愕の目を向けてくるリオン、何がおかしい!銃だぞお前!
「ああ、リオンにもいろいろ買ってやらないとな。その服だけじゃなんだしな。さ、行くぞ!」
教えてウィズ先生!この都市1のガンショップを!
《人気がある店は別なのですが、マスターは性能優先でしょうから、『ルーヴァ』という店が宜しいかと》
(人気が無いのか?)
《店主が若いという理由と、意匠が自由でないという理由で人足が遠のいています。技術だけで言えば一二を争います》
(それじゃ、そこ行こうか。マップよろしく)
《はい》
「よし、じゃあ店も決めたし行こうか」
「?!……探すって……?」 
「あれは嘘だ、いや、今頭の中で探したのだよ。ほらほらつべこべ言うな、行くぞ」
「えっと……はぁ、分かりました」
「ここか……立地も少し悪いんじゃないか?こんな奥まった路地の先だなんて」
「なんで、大きな通りにあった店にしなかったんですか?」
「ここの人の腕がいいらしいからな、夜になったら泊まるんだ、その時にでも話す……あれ?宿ってあんのかな?」
《旅人宿はほとんどありません。…………いわゆるラブホテルなら一定数ありますが》
うわぁ……
「……?誰かと話してるんですか?」
「あっ、口に出てた?」
「はい、出てました」
「あーうん、まぁいいや、とりあえず入ってみよう」
疑問符を頭の上に浮かべるリオンを連れてルーヴァに入る。
かららん、とドアベルが鳴り響いた。店の中は銀が多かった。イメージだと銃は黒いイメージが強かったがこの店はほとんどが銀一色だ。
入口正面には拳銃が並べられた机があり、入って左の壁にはサブマシンガンとアサルトライフル、右の壁にはマシンガンとスナイパーライフルが並んでいた。普段は並レベルにしている視力を上昇させ、それぞれをざっと見ると全ての銃に獅子の意匠が使われていた。店主とは気が合いそうだな。
「いらっしゃい、よくこんなとこまで来たな」
「ああ、俺はマコト、アリアの外から来た冒険者だ、よろしく」
「そうか、俺はハインリヒ、よろし……今なんて言った?」
「よろしく」
「その前」
「俺はマコト?」
「違う、戻り過ぎだ」
「ここの外から来た冒険者だ。か?」
「それだ。……外から来た?」
「そう、外からだ。聞いた話によるとかなり久し振りらしいな、入ろうとした瞬間に撃たれかけたぞ」
500年前に鎖国をした、と言うが当時からこの都市は地下にあったのだろうか?俺は元々地上にあったと考えている。鎖国をする事にしてから、少なくとも100年くらいはこの都市も地上にあったんだろうな。
「なあ、ハインリヒ。その話は後でしてやってもいいから俺は銃の話がしたいな、むしろ銃の話しかしたくないかな。さ、早く早く、ファストファスターファステスト!」
ハインリヒの奴、俺のことを変なやつを見る目で見やがった。否定はしないけど。
「それで、どんな銃をご所望だ?」
「拳銃、ライフル、マシンガン!最高のをだ!拳銃は4丁、ライフルとマシンガンは3丁。ライフルは狙撃用のを一つと普通のを二つだ。金ならそこそこあ……うん、あるある。予算も大目に見ているし最高と言えるものを欲しい」
「おぉう……分かった分かった。拳銃を4丁、ライフルは狙撃銃が一丁とアサルトが2丁だな。マシンガンは3丁…すべて実弾用でいいな?」
え?逆に……
「実弾以外になんかあんの?」
「魔銃ってのもここ数年で開発されてな、魔力を弾代わりに使うものだ。まぁ拳銃タイプならともかく、マシンガンタイプは弾倉代わりの魔石に予め魔力を込めとかなきゃまともに使える奴なんざいないだろうけどな。どうする?」
「拳銃2丁を魔銃に、マシンガンも一丁魔銃に替えてくれ。魔石はいらん、自分で何とかする」
「承った。総額は大体10万ゴルだ。銃を用意するから二時間くらいしたら来い、その時に最終的な調整をするからな」
と、いうわけで暇になった。リオンを連れて買い物をし、時間を潰すことにした。
まずはリオンの服が欲しい。俺の魔力服だけではバリエーションも何もあったもんじゃない。見た目を変えて魔力を編むことも出来るが面倒だ、そもそも俺にそんなセンスはない。
「そういうわけで、リオン。服を買うぞ」
「は、はい。でも、私お金……」
「出すよ、いいから行くぞ。どうせしばらく一緒にいるんだ、着替えくらい用意しとけ」
適当にふらっと歩き、見つけた店に入る。どうせしばらく待つんだし、ゆっくりと決めてもらおう。
「リオン、俺はここにいるから好きなの選んでこい。着まわせるように幾つか選んどけよ。決まったら金は払うから、声かけてくれよ」
「はい、わかりました」
「あーっと、敬語、面倒だからいいよ。普通に話してくれて構わん、無理にとは言わんが」
「わかりま……わかった。じゃあ、探してくる」
銃を使って戦うのを想像して、ウキウキしながら一時間ほど過ごしているとリオンがカゴに服を入れて持ってきた。どうやら決まったようだ。
「決まったか、んじゃ、会計するぞ」
「はい、お願いします」
「すみません、この服買いたいんで会計してもらってもいいですか?」
カウンターに向かいカゴを渡す、店員さんが服を確認し値段を計算する。
「5000ゴル、です」
「ほい、どぞ」
これで残りは約29万5千ゴルか。ああ、王都を出る時にもらった金があるからな、10万ゴル。だからルーヴァに入った時点で40万ゴルは手持ちがあったんだよね。
日本円レート換算で400万も持ち歩いてたと考えると頭おかしいな俺、染まってきたっていうのか?
「えーと、じゃあこの服……待て、ちょっと待ってろリオン」
「え、あ、はい」
「ここら辺かな……?お、あった。よし」
目当てのものを見つけ、カウンターに戻る。
「これもください」
「はい……1万5千ゴルです」
「はい、どうぞ、ありがとう」
ふぅ、さすがに俺が服持ってるのはアレだもんな。
「お待たせ、リオン。このバッグに服入れな。マジックアイテムだから沢山物が入るぞ。これはお前にやる」
「え、いいんですか?」
「女の子の服持ってるなんて、俺の方が気まずいからな。プレゼントってことで。ほら、行くぞ」
適当に歩き回って時間を潰すのも良かったが、せっかくの時間は有効活用しようと思い、今夜泊まる宿を探すことにした。るルーヴァからほど近い場所に手頃な宿があるようなのでそこに予約を取りに行くつもりだ。
シャラン
ドアを開けるとともに、涼やかなベルの音が響いた。
「いらっしゃいませ」
「今日の夜、泊まりたいんだが……なあリオン」
「はい?」
「部屋は別にしていいよな?」
「えーっと……?その……」
こりゃやっぱり別でよさそうか?
「えっと、部屋を二つ……」
「一緒の部屋がいいです!」
「へ?なんて?」
「ベッドが二つある部屋もありますよね?マコトさんが私に遠慮しているなら、私は平気なので同じ部屋でいいです。それに……」
「それに?」
聞き返した俺に少し近づいたリオンは
「まだ、ひとりになるのは心細いです」
と、だけ言った。
「お客様?」
「あぁ、えっと、悪い、ベッドが二つある部屋で頼む」
「かしこまりました。お越しをお待ちしてます」
意外にもいい接客態度の店員と会話を終え、リオンを連れて外に出た。そもそも地球にいた頃は彼女もいなかったしこういうホテルに来る経験も無かった。だから勝手にこういう店の店員はあまりいい態度ではないんじゃないかと思っていた。
我ながら失礼だな、とは思う。
「時間もいいとこか、リオン、ルーヴァに戻るぞ」
「はい」
「今戻ったぞ!準備はできてるか!」
「マコト……お前テンション高いぞ、少し落ち着け。子供じゃないんだから」
「すまん、つい取り乱した。それと俺はまだ子供と言えなくもない」
「ああ、うん、そうか、そうだな」
なんだその反応は、可哀想な奴を見るような目で俺を見るなお前。そういうのはいいから早く話を聞かせてくれ。
「じゃあ、説明させてもらうぞ。こっちへ来てくれ」
ハインリヒの案内に従い、店の奥に行く。少し進むと、注文通りの銃がテーブルに並べられた部屋に通された。
「まずは拳銃からだ。この実弾用と魔弾用でそれぞれ2丁、どう使うか分からなかったから同じものを右手用と左手用で用意した。マガジンのリリースボタンと排莢位置が逆なんだ。これはどうする?」
「よく気が回るな、右手用と左手用をそれぞれ頼む」
「わかった」
右手用と左手用の余分なモノをテーブル脇のケースに置き、ハインリヒは説明を再開した。
「実弾用は魔弾用に比べて耐久力は低い、その理由は後で説明するが普通に使ってればまず壊れることはないと思ってくれ。品質保存の効果を付与してある。実弾銃用の弾も必要になるだろう?どうせ後で用意することになると思って、ある程度用意しといたんだ。この銃はマガジンに20発装填できる、何発欲しい?」
「難しい質問だな、あるだけくれって言ったら何ゴルなんだ?予算と相談しながら決めたい」
「弾が100個のでケース一つ、値段は100ゴル。そうだな……100ケースは置いてあるから1万ゴルだな」
「んじゃ100ケースくれ、マシンガン用のは規格違うのか?」
これで28万5千ゴル。
「ああ、もちろんだ。これは5万発分は置いてある、総額は3万」
「拳銃用よりレート低いんだな、全部くれ」
25万5千。
「拳銃用の方が強力だからな、ライフルは拳銃よりも高い、在庫は5000発で5万ゴルだ。これも全部?」
「よく分かってるな、頼む。じゃあ順番が前後したけどライフルとマシンガンの説明も聞こうかな」
20万5千ゴルになった。
「それじゃあライフルなんだが……」
その後長々と説明を受け全ての購入を済ませた。
まあ、今のスタイルでは銃は使えないんだが。後でガンナースタイルを妄想なきゃな。
「それじゃあハインリヒ、世話になった。数日は滞在するつもりだから用があったらまた来るよ」
「あ、ああ、マコト、お前はいい客だよ全く。ここ1年の売上よりも高い買い物だったぜ。また来てくれよ」
「ああ、勿論だ。それじゃ」
「またな」
こうして俺は第2の浪漫である銃を手に入れた。
「じゃ、宿に戻るとするか」
「はい、マコトさん。私のこともちゃんとお話ししたいです、早く帰りましょう」
「…………すまん、疲れてるのに連れ回しちゃったな。今日はゆっくり休もうか」
「はい!」
俺達は宿への帰路へ着いた。
「?!」
埒外に高いテンションでそう宣言した俺に驚愕の目を向けてくるリオン、何がおかしい!銃だぞお前!
「ああ、リオンにもいろいろ買ってやらないとな。その服だけじゃなんだしな。さ、行くぞ!」
教えてウィズ先生!この都市1のガンショップを!
《人気がある店は別なのですが、マスターは性能優先でしょうから、『ルーヴァ』という店が宜しいかと》
(人気が無いのか?)
《店主が若いという理由と、意匠が自由でないという理由で人足が遠のいています。技術だけで言えば一二を争います》
(それじゃ、そこ行こうか。マップよろしく)
《はい》
「よし、じゃあ店も決めたし行こうか」
「?!……探すって……?」 
「あれは嘘だ、いや、今頭の中で探したのだよ。ほらほらつべこべ言うな、行くぞ」
「えっと……はぁ、分かりました」
「ここか……立地も少し悪いんじゃないか?こんな奥まった路地の先だなんて」
「なんで、大きな通りにあった店にしなかったんですか?」
「ここの人の腕がいいらしいからな、夜になったら泊まるんだ、その時にでも話す……あれ?宿ってあんのかな?」
《旅人宿はほとんどありません。…………いわゆるラブホテルなら一定数ありますが》
うわぁ……
「……?誰かと話してるんですか?」
「あっ、口に出てた?」
「はい、出てました」
「あーうん、まぁいいや、とりあえず入ってみよう」
疑問符を頭の上に浮かべるリオンを連れてルーヴァに入る。
かららん、とドアベルが鳴り響いた。店の中は銀が多かった。イメージだと銃は黒いイメージが強かったがこの店はほとんどが銀一色だ。
入口正面には拳銃が並べられた机があり、入って左の壁にはサブマシンガンとアサルトライフル、右の壁にはマシンガンとスナイパーライフルが並んでいた。普段は並レベルにしている視力を上昇させ、それぞれをざっと見ると全ての銃に獅子の意匠が使われていた。店主とは気が合いそうだな。
「いらっしゃい、よくこんなとこまで来たな」
「ああ、俺はマコト、アリアの外から来た冒険者だ、よろしく」
「そうか、俺はハインリヒ、よろし……今なんて言った?」
「よろしく」
「その前」
「俺はマコト?」
「違う、戻り過ぎだ」
「ここの外から来た冒険者だ。か?」
「それだ。……外から来た?」
「そう、外からだ。聞いた話によるとかなり久し振りらしいな、入ろうとした瞬間に撃たれかけたぞ」
500年前に鎖国をした、と言うが当時からこの都市は地下にあったのだろうか?俺は元々地上にあったと考えている。鎖国をする事にしてから、少なくとも100年くらいはこの都市も地上にあったんだろうな。
「なあ、ハインリヒ。その話は後でしてやってもいいから俺は銃の話がしたいな、むしろ銃の話しかしたくないかな。さ、早く早く、ファストファスターファステスト!」
ハインリヒの奴、俺のことを変なやつを見る目で見やがった。否定はしないけど。
「それで、どんな銃をご所望だ?」
「拳銃、ライフル、マシンガン!最高のをだ!拳銃は4丁、ライフルとマシンガンは3丁。ライフルは狙撃用のを一つと普通のを二つだ。金ならそこそこあ……うん、あるある。予算も大目に見ているし最高と言えるものを欲しい」
「おぉう……分かった分かった。拳銃を4丁、ライフルは狙撃銃が一丁とアサルトが2丁だな。マシンガンは3丁…すべて実弾用でいいな?」
え?逆に……
「実弾以外になんかあんの?」
「魔銃ってのもここ数年で開発されてな、魔力を弾代わりに使うものだ。まぁ拳銃タイプならともかく、マシンガンタイプは弾倉代わりの魔石に予め魔力を込めとかなきゃまともに使える奴なんざいないだろうけどな。どうする?」
「拳銃2丁を魔銃に、マシンガンも一丁魔銃に替えてくれ。魔石はいらん、自分で何とかする」
「承った。総額は大体10万ゴルだ。銃を用意するから二時間くらいしたら来い、その時に最終的な調整をするからな」
と、いうわけで暇になった。リオンを連れて買い物をし、時間を潰すことにした。
まずはリオンの服が欲しい。俺の魔力服だけではバリエーションも何もあったもんじゃない。見た目を変えて魔力を編むことも出来るが面倒だ、そもそも俺にそんなセンスはない。
「そういうわけで、リオン。服を買うぞ」
「は、はい。でも、私お金……」
「出すよ、いいから行くぞ。どうせしばらく一緒にいるんだ、着替えくらい用意しとけ」
適当にふらっと歩き、見つけた店に入る。どうせしばらく待つんだし、ゆっくりと決めてもらおう。
「リオン、俺はここにいるから好きなの選んでこい。着まわせるように幾つか選んどけよ。決まったら金は払うから、声かけてくれよ」
「はい、わかりました」
「あーっと、敬語、面倒だからいいよ。普通に話してくれて構わん、無理にとは言わんが」
「わかりま……わかった。じゃあ、探してくる」
銃を使って戦うのを想像して、ウキウキしながら一時間ほど過ごしているとリオンがカゴに服を入れて持ってきた。どうやら決まったようだ。
「決まったか、んじゃ、会計するぞ」
「はい、お願いします」
「すみません、この服買いたいんで会計してもらってもいいですか?」
カウンターに向かいカゴを渡す、店員さんが服を確認し値段を計算する。
「5000ゴル、です」
「ほい、どぞ」
これで残りは約29万5千ゴルか。ああ、王都を出る時にもらった金があるからな、10万ゴル。だからルーヴァに入った時点で40万ゴルは手持ちがあったんだよね。
日本円レート換算で400万も持ち歩いてたと考えると頭おかしいな俺、染まってきたっていうのか?
「えーと、じゃあこの服……待て、ちょっと待ってろリオン」
「え、あ、はい」
「ここら辺かな……?お、あった。よし」
目当てのものを見つけ、カウンターに戻る。
「これもください」
「はい……1万5千ゴルです」
「はい、どうぞ、ありがとう」
ふぅ、さすがに俺が服持ってるのはアレだもんな。
「お待たせ、リオン。このバッグに服入れな。マジックアイテムだから沢山物が入るぞ。これはお前にやる」
「え、いいんですか?」
「女の子の服持ってるなんて、俺の方が気まずいからな。プレゼントってことで。ほら、行くぞ」
適当に歩き回って時間を潰すのも良かったが、せっかくの時間は有効活用しようと思い、今夜泊まる宿を探すことにした。るルーヴァからほど近い場所に手頃な宿があるようなのでそこに予約を取りに行くつもりだ。
シャラン
ドアを開けるとともに、涼やかなベルの音が響いた。
「いらっしゃいませ」
「今日の夜、泊まりたいんだが……なあリオン」
「はい?」
「部屋は別にしていいよな?」
「えーっと……?その……」
こりゃやっぱり別でよさそうか?
「えっと、部屋を二つ……」
「一緒の部屋がいいです!」
「へ?なんて?」
「ベッドが二つある部屋もありますよね?マコトさんが私に遠慮しているなら、私は平気なので同じ部屋でいいです。それに……」
「それに?」
聞き返した俺に少し近づいたリオンは
「まだ、ひとりになるのは心細いです」
と、だけ言った。
「お客様?」
「あぁ、えっと、悪い、ベッドが二つある部屋で頼む」
「かしこまりました。お越しをお待ちしてます」
意外にもいい接客態度の店員と会話を終え、リオンを連れて外に出た。そもそも地球にいた頃は彼女もいなかったしこういうホテルに来る経験も無かった。だから勝手にこういう店の店員はあまりいい態度ではないんじゃないかと思っていた。
我ながら失礼だな、とは思う。
「時間もいいとこか、リオン、ルーヴァに戻るぞ」
「はい」
「今戻ったぞ!準備はできてるか!」
「マコト……お前テンション高いぞ、少し落ち着け。子供じゃないんだから」
「すまん、つい取り乱した。それと俺はまだ子供と言えなくもない」
「ああ、うん、そうか、そうだな」
なんだその反応は、可哀想な奴を見るような目で俺を見るなお前。そういうのはいいから早く話を聞かせてくれ。
「じゃあ、説明させてもらうぞ。こっちへ来てくれ」
ハインリヒの案内に従い、店の奥に行く。少し進むと、注文通りの銃がテーブルに並べられた部屋に通された。
「まずは拳銃からだ。この実弾用と魔弾用でそれぞれ2丁、どう使うか分からなかったから同じものを右手用と左手用で用意した。マガジンのリリースボタンと排莢位置が逆なんだ。これはどうする?」
「よく気が回るな、右手用と左手用をそれぞれ頼む」
「わかった」
右手用と左手用の余分なモノをテーブル脇のケースに置き、ハインリヒは説明を再開した。
「実弾用は魔弾用に比べて耐久力は低い、その理由は後で説明するが普通に使ってればまず壊れることはないと思ってくれ。品質保存の効果を付与してある。実弾銃用の弾も必要になるだろう?どうせ後で用意することになると思って、ある程度用意しといたんだ。この銃はマガジンに20発装填できる、何発欲しい?」
「難しい質問だな、あるだけくれって言ったら何ゴルなんだ?予算と相談しながら決めたい」
「弾が100個のでケース一つ、値段は100ゴル。そうだな……100ケースは置いてあるから1万ゴルだな」
「んじゃ100ケースくれ、マシンガン用のは規格違うのか?」
これで28万5千ゴル。
「ああ、もちろんだ。これは5万発分は置いてある、総額は3万」
「拳銃用よりレート低いんだな、全部くれ」
25万5千。
「拳銃用の方が強力だからな、ライフルは拳銃よりも高い、在庫は5000発で5万ゴルだ。これも全部?」
「よく分かってるな、頼む。じゃあ順番が前後したけどライフルとマシンガンの説明も聞こうかな」
20万5千ゴルになった。
「それじゃあライフルなんだが……」
その後長々と説明を受け全ての購入を済ませた。
まあ、今のスタイルでは銃は使えないんだが。後でガンナースタイルを妄想なきゃな。
「それじゃあハインリヒ、世話になった。数日は滞在するつもりだから用があったらまた来るよ」
「あ、ああ、マコト、お前はいい客だよ全く。ここ1年の売上よりも高い買い物だったぜ。また来てくれよ」
「ああ、勿論だ。それじゃ」
「またな」
こうして俺は第2の浪漫である銃を手に入れた。
「じゃ、宿に戻るとするか」
「はい、マコトさん。私のこともちゃんとお話ししたいです、早く帰りましょう」
「…………すまん、疲れてるのに連れ回しちゃったな。今日はゆっくり休もうか」
「はい!」
俺達は宿への帰路へ着いた。
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