天馬行空、狂った戯曲。

泪鴉

政(まつりごと)

もう、随分と前の話だ
頼る人もいなくなって
神にすがり
神を崇め
利益のために死んだのは

「神などいない」

そう言われても、
信じる者は誰もいなかった。

生贄を差し出し
生贄を食わせ
生贄をまた差し出す

「死」とは
名誉である。
希望である。

死こそが選ばれた者の行く末である。

誰か一人でも
「こんなこと意味が無い」
と、思えば

神はもう、我々には答えてはくれないのだ
神はもう、消えてしまうのだ

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