好きになったらいけない恋

ホットコーヒー

第75話問い詰め

幸せがずっと続くとはそもそも思っていない。


でも...こんなに早く終わるとは思わない。


終わらせない。




部屋に戻るとカズヤをベットに座らせて話を聞く。


(聞く覚悟は...できた。)


『カズヤ...あの言葉の意味を教えてくれ』


カズヤは深刻そうな顔をしてうつむく。


『ぼく...先輩の事が好きです。だからもう、一緒にはいれないんです。』


ホッとした。


(よかった...ただのカズヤの悪い癖か...
落ち込んで1人で悩んでるだけだ...)


『またそんなことか... 今度は何があったんだ?』


『...何もないですよ。 さっき言った通りです。
ぼくは先輩を好きになりすぎちゃったんです。』


『意味がわからない...』


カズヤに問い尋ねる。


『なんで今更そんなことを....
好きなら一緒に入ればいいだろ』


『そーですよね。普通の男女なら...
でも僕は男の人が好きになっちゃうんです。


多分、僕が1番分かってたんですよ。


男同士なんて...ダメなんだって。』


『そんなの、今までいくらだって話ししただろ!
俺はお前が好きだ...それだけでいいじゃないか』


『先輩は、僕以外の男の人と僕とやってるような事できますか?』


『それは...』


『先輩は僕の事が好きなだけで男の人が好きなわけじゃないんです。
それなら、先輩は普通に女の人と恋愛した方がいいですよ。』


『....意味わかんねぇよ! 俺の事嫌いになったのか!? それなら...そう言えよ。
今更なんだよ! 女と付き合えとか...
男同士がどうとか... なんなんだよ..』


頭が回らない。訳がわからない。


思考が止まり力が抜け膝をついて頭を抱える。


『僕は先輩を好きになっちゃダメだったんです』


(だまれ...)


『好きになっちゃいけない恋だったんです。』


(うるせぇ)


『もう、会うのはやめましょう...』


『なんなんだよ!
今まで散々好きだ好きだって言っておいて...


お前の事好きにさせておいて....


最後は飽きたからって捨てるのかよ!


意味わかんねぇよ... 』


涙がポロポロと流れてくる。


『先輩...泣かないでください』


そう言うカズヤの声も何故か涙声だ。


『なんで...お前が泣いてんだよ』


『ごめんなさい...』


『あやまるなよ..』




『僕...おかしいみたいなんです。』


『......』


『先輩の事考えると眠れなくなるんです。


先輩のこと以外を考えられなくなるんです。


もう、それが辛いんです。


だから一緒に居たくないんです。』


『....ふざけんな。


俺だってお前の事考えると眠れないし、お前以外の事は考えられない...


いつもカズヤとなにしようか...なにしたら楽しいか、喜んでくれるか...ずっと考えてるよ』


カズヤが少し驚いたような顔をする。


『先輩も同じなんですか...?』


『お前は今まで恋をした事がないだけだろ。


人を好きになるって事はそういう事だ!


お前は自分の辛さから逃げたいだけだろ


自分が良ければ俺が傷ついてもいいんだろ』


『ち...違います!』



『なら...


それなら..俺の前から居なくならないでくれ..


俺を苦しませないでくれ..


一緒に...いてくれ。』



『せんぱぃ...


一緒に居させてください。 』


そう言って大粒の涙を流しながら近寄ってきたカズヤをそっと抱きしめた。


『辛いなら2人で乗り越える。
お前が俺の事嫌いになっても離さない』




『嫌いになんかなるもんですか...』







          

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