好きになったらいけない恋

ホットコーヒー

第71話おどかし

『おいっ!大丈夫かカズヤ!』



30分ほど前...


近くで夏祭りをしてると聞いて、お墓まいりの後おじさんに車で送ってもらった。


外は日が沈みかけている。


祭り会場に着くと地域で開いてるお祭りらしく、屋台の数は多くはなかったがとても賑わっていた。


『お祭りはやっぱりいいですよね!
こじんまりしてますけど...』


『失礼だぞ...』


焼きそばやお好み焼きなど地域の子供向けなのか200や300円で買えてとても良心的だ。


『お前さっき食ったばかりだろ
まだ食うのかよ。』


『祭りは別腹ですよ』


『なんだそれ』


カズヤがお好み焼きを頬張りながら幸せそうな顔をしている。


『お、お化け屋敷あるぞ。入る?』


『え〜いやです。』


『なに?怖いの?』


『こ..怖くなんかないですよ
なら行きますか。先輩泣かないで下さいよ。』


『ばーか。俺が泣くかよ』


中に入とさっきまでの威勢が何処かに行ったのか、俺の後ろに回り手を握ってきた。


中はただくらいだけでほとんどなにも見えない。


(歩きづらいな...)


ガォッ!


『んあっ! ....』


そぉっと歩いてると目の前から何かがおどかしてきた。


よく見ると顔を白く塗った女の人だ。


(くそ...びびっちまった。...あれ?)


気がつくと手が握られていない。


(どこ行った?...)


来た道を少し戻るとカズヤらしきのがしゃがんでいるが暗くてよく見えない


『カズヤ... 大丈夫か?』


近づくと確かにカズヤだ。


しゃがんでいるが全く動く気配がない。


(泣いてんのか?)


背中をさすり呼びかけるが返事がない


『おいっ!大丈夫かカズヤ!』


『.....わおっ!』


『...んだよ。心配させんなよ。』


『なんですかその反応。
驚かそうとしたんですけど...』


『なんとなく気づいてたわ』


『ほら行くぞ。』


カズヤの手を取り先に進むが、白い顔の人がメインだったのか他に怖い事は特になかった。


『先輩びびってましたね〜』


『あんな白い顔のやつが出て来たらビビるわ。お前ずっと俺の後ろくっついてだけたろ。』


『先輩が守ってくれるから怖くなんか無かったですよ。』


『今度は置き去りにしてやるよ。』


『ひどい...』



近くの階段に座ってわたあめを食べながら休憩した。


『んーやっぱ楽しいですね!』


『まあな〜』


『本当に思ってます?』


『思ってるよ。』


『.....そうですか』


『どーしたの?』


『僕だけが楽しんでるんじゃないかなって心配で...』


『今更そんな事を考えてるのかよ』


『そんなことじゃ...』


チュッ...


『ちゃんと楽しんでるよ』


『せんぱい...小さい子達がめっちゃ見てます』


『逃げるか...』


おじさん家に戻ると疲れてすぐに眠ってしまった。

          

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