好きになったらいけない恋

ホットコーヒー

第66話バイト探し

次の日の学校終わり、家に帰る途中カズヤが後ろから追いかけてきた。


「あれ、お前部活は?」


「ん?まあそれは後で...」


(またさぼったのか...)


それよりも昨日の話を進めた。


「バイトどこでやろうかな... カズヤのお母さん了承してくれた?」


「まだ聞いてないです。多分大丈夫だと思いますけど。 バイトするならおしゃれなカフェとかいいですね。」


「カフェか...いいかも」


「休みは土日のどっちかは欲しいですね。時給はどのくらいなんでしょう。」


(あれ、なんかこいつ自分も働くきじゃねえか?)


問いただす為に、近くの人のあまりいないカフェに誘った。


中に入ると店員は3人ほどでお客さんもほとんどいないがコーヒーのにおいが漂ういい雰囲気のお店だ。


(さすがにバイト募集してないかな...)


バイト募集の張り紙を探すが見当たらない。


席に着きコーヒーとオレンジジュースを注文して早速聞いてみた。


「カズヤ、部活は?」


「まあ...休みです。」


嘘だ。部活に向かう一年生を見た。


「さぼり?」


「違います...」


「え、じゃあ何?」


「...辞めました。」


「はぁぁ!!?」


思わず大きい声を出してしまい店員さんがこっちを見る。


すみませんと頭を下げて話を続ける。


「本気で言ってるの?」


「はい。今日辞めてきました。」


(こいつはまた...)


「やめて何するの?」


「僕もバイトします!」


予想どうりの答えが返ってきた。


(...もう辞めちゃったものはしょうがないしな)


少し説教しようとしたが、昨日の言葉を思い出しやめた。


「お前の人生、好きに生きろ。やりたいことがあるなら、やって後悔しろ」


「なんですか?」


「昨日父さんに言われた。もともと本の中の言葉だけど。」


「いいセリフですね!」


「だろ! てかどこでバイトするの?」


「それはもちろん、同じ場所ですよ。こことかいいんじゃないですか?」


「それは俺も思ったけど、募集のチラシ張ってないからどうかなって」


「聞いてみますか!」


注文したドリンクを持ってきた30代くらいの女性に聞いてみることにした。


「すみません。バイトって募集とかしてますか?」


「ああ~ちょっと確認するんでお持ちくださいお待ちください。」


5分ぐらい待っているとこの店のマスターらしき白髪の優しそうなおじさんがやってきた。


「こんにちは。この店の店主の柏木(カシワギ)と申します。
ここで働きたいのかな?」


「はい!できれば二人で...バイトしたいんですけど」


「そうか...あいにく募集はしていないんじゃが...」


「そーですか...」


少し期待していたので肩を落とす。


「今すぐにお金が欲しいのかな?」


「いえ!卒業したら世界周るための資金を集めたくて...
こいつと一緒に行くんで、後一年と半年くらいは時間あるんですけど...」


「ほうほう...それは楽しみじゃね。 今すぐにいい給料は払えないが、最低賃金くらいなら2人分どうにかなるかもしれんな。」


「本当ですか!?」


「先輩?最低賃金って何ですか?」


「んーと、バイトに払わなくちゃいけない法律で決めた最低額みたいなものかな。」


「へえ~いくらですかね? 最低額か...」


「おいっカズヤ!」


(こいつは人の善意を...)


「ほっほっほっ、心配せんでもできるようになってきたら時給は上げてあげるよ」


「ありがとうございます!」


「形式上、履歴書は持ってきてほしいのう」


「わかりました!」


カシワギさんにお礼をして店を出てきた。


早速、履歴書の用紙を購入して家に帰り記入した。


「履歴書ってめんどくさいですね。」


ぶつぶつ言いながらも志望動機以外は書き終えた。


「志望動機って... お金が欲しいからとかじゃダメなんですか?」


「まあ、ダメじゃないんだろうけど..働く意欲がわかればいいんじゃね?」


「そーですね!」


2人で頭をひねって志望動機を書いた。


次の日お店にもっていくとカシワギさんに志望動機を読まれると爆笑されたが
無事に働けることになった。


最後の夏休み楽しめって事で週3くらいでシフトを入れてくれた上にカズヤと同じシフトにしてくれた。

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