好きになったらいけない恋

ホットコーヒー

第57話3人で食事を

泣き目をこすりカズヤと一階に降りると、いつもよりはるかに豪華な料理が並べられている。


『うわ〜 先輩の家は毎日こんなに豪華なんですか!? すごいですね!美味しそうです』


母さんがご機嫌な顔をしている。


『たくさん食べてね!』


『はい!』


豪華な料理を見て、さっきまで母さんに緊張していたのがウソのように楽しげに話している。


(単純かよ...まぁよかった)


3人で料理を囲み食事を始める。


『そう言えば、先輩のお父さんは?』


『出張です当分帰ってこないんだよ』


『カズヤ君のお父さんはなにしてるの?』


ハッとしてカズヤの方を見ると顔を下に向けてる


『...僕のお父さんは死んじゃったんです』


『...あ、ごめんなさい。私ったら...』


『大丈夫です。もう前のことなので』


そこからは楽しく会話をしながら食事を続けてると、まあ母さんが質問をしてきた。


『ところで2人はいつから付き合ってるの?』


『うぇっ!?』


カズヤが変な声を出す。


この前、母さんには恋人と言ってしまったから
付き合ってると思っていたらしい。


『付き合ってないですよ!』


『あら、そーなの?サトシがこの前、大切な恋人だって』


顔が真っ赤に染まってしまう。カズヤの方を見るとニコッとしている。


『あとで話がある...』


カズヤにこそっと耳打ちをして話に戻る。


『付き合ってはないよ母さん...仲がいいだけ』


『そういう人達って、付き合ってなくてもやったりするの?』


思わず吹き出してしまう。


(飯中にぶっこんでくるなぁ)


『やるやらない以前に、まだ母さんが想像するようなことは一切してないから!


してもキスくらいだよ!』


自分で言ってまた顔が赤くなる。


『先輩が、付き合ってもないのにそういう事はしたくないって。 付き合ってからやりたいって
大切にしてくれてるんです!』


(おめーなに言ってんだよ!)


思わず立ち上がって心の中でキレながらもおとなしく座った。


『仲がいいならそれでいいわよ。
そうだ!今度カズヤ君のお母さんに挨拶に行こうかしら。いつもお世話になってるし』


『わかりました!帰ったら伝えます!』


『でも、カズヤ君のお母さんも知ったら反対するんじゃないの?』


『僕の母さんは全部知ってます!先輩のことも』


『なら話は早いじゃない!付き合っちゃったらいいのに』


(この前の反応と真逆じゃねーかよ)


なんだかんだツッコミながらも、母さんとカズヤも仲良くなってくれてとても安心した。


食事を終えると、カズヤが手伝いますと母さんのところに行き食器を洗い始めた。


『まぁ、助かるわぁ』


『家でいつもやってるんで得意ですよ!』


『うちの子は全然手伝ってくれないから、カズヤ君がサトシと付き合ったら助かるわぁ』


仲良くなりすぎだろと思いながらも、いづらく
なったので1人で隣のリビングでテレビを身始めたが2人の話し声が聞こえ続けた。


『カズヤ君はサトシのこと好きなの?』


『はい!優しくて、かっこよくて、とっーても優しいんです!』


(優しいしかねーじゃねーか!』


『そっか。家じゃあんまり話さないから、でもカズヤ君といると楽しそうに話してるから安心したわ!』


『先輩と仲良くないんですか?』


『仲良くないわけじゃないけど..反抗期ってやつかな?カズヤ君はお母さんと仲いいの?』


『はい!なんでも話しますよ!僕の事なんでと知ってますし!』


『そっか...』


耐えられなくなりキッチンに乗り込む。


『悪かったよ!反抗期じゃねーよ!
ちゃんと仲良くするわ!』


『あら?聞いてたの?』
『聞いてたんですか?先輩』


『...うるせ!』


『ほら、反抗期よ怖いわね。カズヤ君も気をつけなよ』


『先輩、お母さんには優しくしないと』


2人ともワザと俺を小馬鹿にしてる感じで言ってきた。



『カズヤ、話があるから...
それ終わったら部屋に来て、待ってるから。』


『はーい』

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