好きになったらいけない恋

ホットコーヒー

第47話残り1年...

雪も溶けて少しずつ暖かさが感じられてくる。


桜の蕾も膨らんでくる季節。


卒業シーズン


先輩達には、いろいろと仲良くしてもらったので少し悲しい気分になる。


『先輩?どーしました』


卒業式前日、引退した先輩達が部室に挨拶しに来た。


2年間一緒にいて、とても良い先輩達だったので少し泣きそうになった。



部活の帰り道、1人でしんみりしているとカズヤが心配そうに話しかけて来た。


『いや、ちょっとさみしいなって,..』


『そーですか...ぼくは半年くらいしか一緒にいなかったので...でも良い先輩達でしたね』


『あと1年...  俺が卒業するまできっかり、俺が
カズヤと入れるのもあと1年だ。』


『え? まぁ そーですね... 』


『俺が卒業した後は? どーするの?』


『さぁ?  学校やめるかもだし、そのまま行くかもだし、その時考えますよ。 だから今は楽しむことが1番!』


『学校はやめるなよな。ちゃんと卒業しろ』


『は〜い』


冗談半分 本気半分 今はまだどーなるかなど分かるはずもない。



卒業式当日


校舎前には桜の木が蕾を開き、花びらが地面いっぱいをピンク色に染めている。


部活ごとに役割を与えられ、弓道部は駐車場の整理を任されみんなテキパキと動いている。


そんな中、カズヤは暇そうに俺の方に来て仕事をサボっている。


『せんぱーい なんで卒業式にこんなことしないといけないんですか?』


保護者の車が次々きて、忙しい中カズヤの相手なんかしていられない。


『いいから、真面目にやれ!』


背中を押して、自分の持ち場に戻させた。


駐車場の整理も終え、卒業式が始まると先輩達が入場してきた。


卒業式はしんみりムードな感じで、長く感じた。



式の終わり頃、仰げば尊しを全校生徒で歌う頃には先輩達の席から泣く声が聞こえてきた。


(俺も来年泣くかなぁ〜)


式はそんな感じで順調に終わり、体育館の片付けに回された。


『まーた雑用ですかぁ。な〜んなんですか
部活やってる人だけ不利じゃないですか。』


パシンッ


『真面目にやれ!』


カズヤが不貞腐れた。


卒業式終わり、花見がしたいというカズヤを連れ
近くの、花見山と言うところにきた。


学校とは比べ物にならない量の桜の木がピンク色に染め上がり、優しい気分になる。


『きれいだな〜 .....』


感傷に浸っていると気づけばさっきまでいたはずのカズヤがい無くなっていた。


(あれ?どこいった...)


『せんぱーい』


口に何か含んでいるような話し方で呼ばれ、後ろを向くとカズヤが団子やら焼きそばやら袋いっぱいに買ってきた。



相当な量の食い物だ。



『...お前ギャグだろ、絶対ウケ狙ってるだろ』


『え?なんのことですか?お腹空いちゃったんで』


『花より団子ってお前のことだな...』


桜の木下のベンチに座りカズヤが買ってきた物を食べる。


桜の花びらが舞い散り、頭の上に桜の花びらが付いてくる。


『せんぱい!あーん』


カズヤが玉こんにゃくを差し出してくる。


『あっちっ!』


カズヤが腹を抱えて笑っているがムカつき、
玉こんにゃくでやり返そうとしたが、抵抗された。


『はい、今度はちゃんと。....  美味しいですか?』


カズヤに食べさせてもらう。流石にこんなところでは恥ずかしい。


『まぁ、自分で食っても味は変わらんな...


あっつ!!!』




カズヤが少し機嫌悪くなったと思ったら
悪巧みを考えていたようだ。



玉こんにゃくをほっぺに当てられた。
















          

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