好きになったらいけない恋

ホットコーヒー

第46話黙ってても分からない当たり前なこと

『カズヤ教室でどう?  元気ない?』


『いえ、いつも通りってより友達できて楽しそうにやってますよ!
先輩が心配しなくても大丈夫ですよ!
それとも何かあったんですか?
最近一緒にいないですよね?』


次の日、ジュンヤにカズヤのことを聞いてみたが
聞かなきゃよかったと後悔した。


俺がいなくても、楽しくやってるみたいで
どうしようもない気持ちになった。


(まぁ、俺なんかいなくてもな...大丈夫か...)


カズヤが部室にやってきて、みんなに挨拶するが
俺とは目を合わせない。


部活中も話しかけてくることはなかった。


部活終わり、このままじゃない良くないと
カズヤに話しかけた。


『カズヤ...一緒に帰ろう』


今日初めて俺のことを見て


不安げな目をしてコクリと頷いた。


帰り道話しかけようにもなんで話しかければいいのか分からず、続く沈黙。


これでは意味が無いと、意を決して話しかける


『カズヤ...ごめん。 この前は怒鳴ったりして』


『いいですよ...もう..』


会話が続かないし、カズヤは若干俺に対して怯えている気がする。


『最近部活休むの多いけど、どーしたの?』


『べつに...なんでも』


『ごめん、ジュンヤから聞いたけど友達できたって?最近遊んでるとか』


『聞いちゃったんですか...』


『なんで言ってくれなかったの?』


こんな事聞きたくは無い。


『言わなかった訳じゃ無いです...
先輩を驚かそうと思って、もう少し仲良くなるまで黙ってようかなって...』


『そっか...』


(そうだよな,..黙ってだとかじゃねーよな
こいつのことだし)


『ごめん!!


カズヤ基本的になんでも話してくれるのに
友達できたって言ってくれないし、部活休んでまでまだ遊んでるから俺といるより楽しいかなって


勝手に落ち込んで、怒って、どーしたらいいか分からなくなったから....』


頭を下げて謝った。


『部活休んだのは、遊ぼうって言われて断れなくて.. でも遊んで楽しかったですけど全然と遊んだほうが100倍楽しいなって感じました。


だけど、先輩怒っちゃうから...
怖かったです...』


『本当にごめん...』


『どこか寄って行きましょう!』


近くのファミレスに入り、夜飯を食べてゲーセンで遊んだ。


話したいこと話せてスッキリしたし、遊んでるうちにいつも通りになった。



『じゃあ先輩明日ね!』


じゃあね と手を振り別れた。


(...あれ?  明日会えるのにすごくさみしい。)


今までなかった感情が芽生えた。


言いたいことは言わないと伝わらない。


どれだけ一緒にいても、
100%わかりあえるわけでは無い。


当たり前のことを感じた2日間の出来事だった。

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