好きになったらいけない恋

ホットコーヒー

第44話問題解決とまた問題

『.....カズヤ?』


違和感を感じて、まだ真っ暗な時間帯に目が覚めると俺の胸あたりに顔を押し付けカズヤが声を殺して泣いていた。


『カズヤ?...』


俺の声に反応せず嗚咽を漏らしている。


(母親のことで我慢できなくなり泣いているのだろう。)


『カズヤ...俺はお前の前からいなくならないから安心しろよ。
ぜったい...約束する。』


泣きながら返答してきたが聞き取れない。


『お前のお母さんだって、カズヤの事を1番に考えてるよ。
親ってのはそういうもんだ。


だから、安心しろよ。』


涙で顔を濡らしたままこくりと頷く。


『明日さ、お前の家に遊びに行くわ。
だから一緒に帰ろう
俺もいれば心強いだろう』


またコクリと頷き、安心したのか
スヤスヤと眠ってしまった。




お昼前頃、目を覚ますとカズヤが先に起きていた。


『おはよ...帰る?』


『はい...』


支度をしてカズヤの家へ向かう。


玄関に着くとカズヤがインターホンを押そうとした手を止めさせた。


『おい、自分家だろ。インターホン押す必要ないだろ。普通にただいまって入ればいいじゃん』


カズヤが少し緊張しつつも扉を開けた


『...ただいま..』


『おかえりなさい!』


ニコッとした笑顔でカズヤのお母さんが出てきた。


『お母さん...』


『あら?どーしたの?』


なんでもないと首を横に振り中に入る


『カズヤ?ちょっとだけ話があるからいいかな? サトシくん部屋で待っててもらって』


カズヤのお母さんがそう言うと俺の方に近づいてきて、ボソッと
『ありがとう』と言ってきた。


部屋にお邪魔し30分ほどすると、カズヤが部屋に戻ってくるとスッキリした顔をみせる。


『先輩のおかげでモヤモヤがなくなりました!』


『そっか。』


顔が自然に微笑んだ。


『先輩!遊びましょ!』


『おう!』


完璧に吹っ切れ、いつものカズヤに戻ってくれて一安心だ。



しばらく遊ぶと1つ気になることを思い出した。


『あれ?そーいえば...』


『なんですか?』


『宿題は?...』


カズヤが顔を背けてシラを切る。


『うわー先輩ゲームつよーい』


コントローラーを置いてカズヤの前に立つ。


『おい...』


カズヤの顔が青ざめ、下を向く。


『よし...前と一緒な
ちゃんと見てるから自力でやれ』


『はい...』


ずっと目を光らせ真面目にやらせて2時間ほどかけて宿題を終わらせた。


『はぁ〜やっと終わった!つかれたぁ』


『おつかれさん。でも今度からは計画的にやれや』


『あ!わかりました!先輩と一緒に宿題やればいいんですよ!』


『そーだね〜』


『なんですか!?その反応』


『いや〜3年になると進路とかあるから宿題とか無くなるんだよね。
だから1人で頑張れ』


『(俺はお前の為ならなんでもする)って言ってたじゃないですか!?』


『そんな都合の良いことは言ってねーよ!』




          

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