好きになったらいけない恋

ホットコーヒー

第43話家出しました



ピンポーン


冬休みも終わりに近づき、部屋でのんびりしていたらお昼ごろチャイムが鳴り玄関を開けるとカズヤがいた。


『あれ?どーしたの?』


心なしか怒っている顔をしている。


『今日泊めてください』


『いいけど...』


そう言うと黙って部屋に入りベットにうつ伏せになり布団に顔をうずめた。


『なんかあったの?』


『........』


『そっか、話したくなったら話してね』


『......』


(どーしたんだろ、俺なんかしたかな)


『おぉぉぉぉぉー!!!!』



黙ったままずっと布団に顔をうずめて
いたカズヤが急に大声を上げ、急なことに体が震えた。


『おい!大丈夫か!?』


カズヤの背中をさすり、落ち着くのをまった。


体を起こし荒い呼吸をしている。
こんなになったカズヤを見たことがない。


『...すみません。大丈夫です...』


少し落ち着いて話せるようになった。


『なにがあったの?』


『家出してきました...』


あんなに仲の良い感じだったのに家出するほどの事があるのだろうかと不思議に思う。


『なんでまた?お母さんと喧嘩したの?』


『はい...』


『原因は?』


『.......』


言いたくないのだろうが言ってもらわないとなにもできない。


『俺になにかできる?』


『そばにいて...くだ...』



泣きそうな声で言い終わる前に、優しく抱きしめた


『言いたくないなら言わなくていい
それでも頼ってくれて嬉しいよ...』


安心したのかそのままカズヤは眠ってしまった。


(こいつすぐ寝るな...)


起こさないよう、ゆっくりと布団に横たわらせ外に出る。


カズヤの家に走って向かった。
外は雪が積もり自転車は走れない


家に着いた頃には身体が温まり
身体中から真っ白な湯気が出ていて、
覚醒した人みたいになってる。


インターホンを鳴らすとカズヤのお母さんが出てきた。


『あら、どーしたの?』


いつもよりかは元気がない感じがする


『いや、カズヤが突然家に来て
どーしたのかなと...』


『やっぱり、サトシ君のところに行ってたのか。迷惑かけてごめんね
ちょっといろいろあって...』


『聞くのは野暮かも知れませんが、
教えてくれますか?』


意を決して聞いてみた。


家族間のことに口を挟んだりはしたくないがこの際しょうがない。


『いいわよ...』


カズヤのお母さんが一部始終を説明してくれた。


話をまとめると、お母さんが新しく彼氏を作って家に連れて来たら、カズヤが父親は1人だけだと猛反対したと
まぁ、よくある話だが...


(重いなぁ〜 よくあるパターンだけど
口出しにくい内容だなぁ〜)


投げ出したくなった。


『でも、あの子があんな感じだから
彼とは別れようと思うわ。 あの子が独り立ちできるようになってからでも遅くはないし。
だから、そう伝えてもらえるかしら?』


『すみません。それは本人に直接言った方がいいと思います。
なので明日には帰らせますんでちゃんと話してあげてください。』


『そうね...ごめんね迷惑かけて』


『いえ、それでは』


なぜかどっと疲れが出てしまい、家までゆっくり歩いて帰るとカズヤが目を覚ましていた。


『先輩どこ行ってたの?』


『いや、ちょっと散歩』


『そーですか...起きたらいなかったから不安になりましたよ。
1人にしないでください...』


少し泣きそうな顔をしてる


(そうか、こいつが心を許せるのは
母親か俺だけ...
だから母親が他の男を連れて来たら
自分の事を見捨てられるんじゃって
不安になってたのか)


『ごめんな』


近くに寄って頭を撫でると安心したような顔を見せる。



ベットに2人で横になった。


『今日は帰らないの?』


『はい...』


『明日は帰る?』


『...わからないです。僕が家にいても邪魔ですし』


『そんな事あるわけないだろ。
お前の家はあそこだけだ。』


『そーですけど..』


『まぁ、明日になったら考えるか』



『そーですね。今はこうしてたいです』


そう言うとカズヤが俺の体に腕を回してきた。


『そんなにくっつきたいの?』


『そうですね。今日はいつも以上に』


俺も腕を回し肌寒い部屋で触れ合いながら眠った。

          

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