好きになったらいけない恋

ホットコーヒー

第23話将来の話

『カズヤは進路ってどうするの?』


修学旅行も終われば次に来るのは進路だ。
まだ進学か就職かも決まっていない。


土曜の部活終わり俺の家でカズヤと将来の話をした。


『んーまだ全然考えてなかったですけど...お母さんは好きにしていいよって言ってくれてます!』


『そっかぁ〜どーしようかな』


『先輩はやりたい事とか無いんですか?』


『スーツ着ないで休み自由で給料のいい仕事かな』


『うわ〜先輩ダメ人間』


『まだ決まってないんだよな。
漠然とした夢はあるけどこれだってものがないな。
カズヤはやりたい事とかないの?』


『僕、このとうり友達少ないんですけど... 世界中回っていろんな国の人と友達になりたいですね!』


『いい夢だな。
でもその前にもう少し勉強して頭良くならないと』


カズヤがふざけて怒り俺に抱きつく。


『でも俺一つだけあるかな 夢って言うかこうなったらいいなってのが』


『なんですか?』


『これから将来何するかまだ分からないけど、こうやってカズヤと一緒にいれたらいいなって』


『先輩...僕もそうなったらいいなってずっと思ってますよ。
先輩が卒業しても、その先も、ずっと一緒にいれたらなって...
でもそんな事は無理なんですよ。 僕は今から先輩が卒業したらもう僕のことなんか気にかけなくなるんだろうなって怖いんです...』


カズヤが悲しそうな顔で話す。


俺と関わりの無くなる未来を今から不安に思っている。


(そんなことは...)


右手をカズヤに向け小指を立てる。


『カズヤ、約束だ。 卒業したって、
就職したって、俺は必ずカズヤに会いに来る。』


カズヤが小指を結んできた。


『はい!』


『ゆびきりげんーまん 嘘ついたら
針千本のーます。 指切った!』


2人で声を合わせ約束をした。



『でも先輩?、ちゃんと働かないとダメですよ! 先輩ニートじゃさすがに恥ずかしいです。』


『ちゃんと働きはするわ! でも、これで将来の
方針は決まったな!!』


こいつの気持ちも俺と同じだと知り、少し気持ちに整理がついた。


『なんですか?』


『それは内緒だよ。』


『先輩ずるーい! 隠し事はダメなんですよー』


『別に隠すわけじゃないよ。 ただ今これをお前に言えば叶わなくなる気がして...』


(俺の将来はこいつと共に何かしたい。
一緒に働くか、世界中回るか、なんでもいい。
一緒にいる、ただそれだけ)


漠然な将来設計だが今はそれを高く掲げていたい。



『でも先輩も僕と同じ考えしてたの嬉しい』


カズヤが俺の手を握る。


『僕と先輩は以心伝心ですね』


急に言われると恥ずかしさが出てきて
顔が赤くなりそうになったのでカズヤの頭に手を当て髪をくしゃくしゃに触った。


『うるせっ!』





『そー言えば、お土産の八つ橋美味しかったです!
ごちそうさまでした! お母さんが伝えてって』


『そっか!ならよかった。お土産と言えば大仏のキーホルダーは使ってる?』


『......』


『なんか言ってよ...』


『今だから言います。怒らないで下さいね
先輩...センスないですね』


カズヤの頭をパシッと叩く。


『怒らないでって言ったのに!!!』



          

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