好きになったらいけない恋

ホットコーヒー

第20話透かされた心

プルルルル プルルルル


『せんぱい!着きましたよ!』


『んん〜 あー 入ってきていいよ...開いてるから』


『先輩?寝起きですね 眠そうな声してる』


カズヤが笑ってるのが聞こえる。


入ってきてドアをノックする。


『あいよ〜』


『先輩!久しぶりですねっ あれ?なんで下履いてないんですか?』


『ん!? あっいやべつに』


下も履かずに寝ていたのに気づかなかった。


急いでズボンとパンツを履いた。


カズヤが部屋を見渡し匂いを嗅ぐ。


『先輩、オナニーしてましたか?』


『あっ してないよ そんな事...』


『先輩、嘘つく時はいつも目がパチパチするから分かりますよ』


そんな癖が俺あったのかと驚く。


『してたよ...』


カズヤがなぜかニッコリと笑う。


『先輩、僕のこと考えてしましたか?』


図星を突かれ返答に困る。


『...なんで?』


『なんとなくそんな気がしたからです。』


こいつは俺の事になると勘が鋭い。


早速カズヤが俺にくっついて


『やっぱり先輩に触ってると落ち着きます』
とカズヤが俺の手を握ってくる。


カズヤは人との距離感が無いだけなのか、
それとも俺の事が本当に好きでこうしているのか
俺には分からない。


だから、俺の心をかき乱すんだ




『先輩、ゲームしよ! 今日は負けませんよ!』


『ん、ああやろーぜ 手抜かないぞ』


格闘ゲームで対戦をして俺の圧勝で終わった。


『強すぎです...先輩 』


目が少しウルウルしている。



『でも久しぶりにカズヤの顔見れて良かった
毎日会ってると何日か会えないだけで寂しくなるな!』


『先輩も僕と会えないと寂しいって思ってくれてるんですね!』


『いや、べつに深い意味はないぞ』




『先輩、まだ直接言ってなかったから


この前は僕の為に怒ってくれて嬉しかったです


誰かにこんなに大切にされたのは初めてだし


先輩なら僕の事、中学の奴らと違っていじめたり


は絶対にしないって、信用できるって...
本気で思いました』



『カズヤ...なら俺もお前を信じて話したい事が


最近、何する時もお前の事が頭に浮かんで来て


さっきのお前に言われた事も図星だし...


これっていったい...俺はおかしいのかな?


俺が男を好きになるなんて訳がないんだ、けど...  俺はお前のこと...』


言い切る前にカズヤに口を押さえられた。


『先輩はおかしくなんかないです。
ただ気持ちの変化に頭が追いついていないだけです。 僕もそうでしたから... だから先輩の気持ちに頭が追いつくまでその先は言わないで下さい。』


泣き虫で、弱虫で、友達もいなくて、俺がいないと何もできないカズヤは、ゆういつ俺の気持ちを理解できる頼り甲斐のあるやつだと思った。


『先輩、泣かないで下さいよ』


『え?』


気がつけば涙を流していた。


だんだんと涙が出て止まらなくなる。


カズヤが近づいて俺の顔を胸に当てさせる。


初めてカズヤの前で、カズヤの腕の中で泣いた


その後俺が泣き止むまでカズヤは何も言わずただ抱きしめてくれていた。


心に溜めていた思いを吐き出せてスッキリした


泣き止むとカズヤは何事も無かったかのように話してきた。


明日も学校なのでカズヤは帰る。


残りの1週間の謹慎期間カズヤは毎日、部活終わりに遊びに来てくれたおかげであっという間に謹慎期間が終え、いつもの日常に戻った。

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