神の力を喰らった魔術師《マジックキャスター》
【第16話】新たな舞台
馬車の中で、ヒビキと話していたアイルたちは、何をしに来たかなどを話して、ヒビキの目的も聞いていた。ヒビキの目的は【ある人】に会うために、三つ離れた国からきていた。
「なんで、ヒビキさんは僕達に声をかけたんですか?」
アイルが素朴な疑問を問いかけると、ヒビキは悪戯っぽく微笑み口を開いた。
「前の国でね、君たちの決闘をみてね。それで、本人だったら嬉しいなって思って声かけたら、本人で驚いたよ」
「え、見てたって事は…僕の腕の事も?」
「それは勿論だよ。あの黒い鎧の腕…何らかの魔術の副産物から生まれたものを使って作ったものだよね?それか…【禁忌】」
アイルは、その一言に息を飲んだ。
 それもそうだ。副産物のから出来たかとは普通の魔術師達は思うが、ヒビキは絶対に考えない【禁忌】と言う選択肢を出してきたのだから。
「前者はあり得ても、後者は馬鹿げた人しかやりませんよー。【禁忌】なんて本当に存在してるかさえも怪しいんですから」
「そうだよね。いやー、失敬失敬…そんな噂話、信じるなんて魔術師失格かなー」
そんな事を笑いながらいって、元いた所に腰を下ろした。
 アイルは、鎌の手入れを終えてからそれ以降、口を開かなかった。だが、ヒビキはアマテラスの事をじっと見つめていた。
隣国についてから、その門を通り過ぎる時にアイル達は少し、違和感を感じていた。それは、門の前の護衛が何時もより多いからだ。
国々で数は違うが、異様な多さのことに違和感を覚えた。
「なにかあったんですかね?」
シルヴァがそう口を開くと、アイルは首を捻る。だが、ヒビキは馬を引いている人に話を聞いていた。
「此処最近で、もう一個隣の帝国とゴタゴタがあって、戦争状態になってるらしいよ。このまま私達が滞在中に始まるかもだって」
ヒビキは真剣な眼差しで言っていた。シルヴァやアイルも手に力が入るが、その横で呑気に寝ているアマテラスを見て全員、苦笑いしていた。
「呑気な娘だなー...ま、そんな奴が居ると、緊張がほぐれる」
ヒビキが何か懐かしい物を見るようにアマテラスを眺めていた。
そんな会話をしていると、城前に着き馬車から下車した。
城前に着く前に、町の光景を見ていたが兵士が完全武装をして外に出て行っているのが見えた。城前でもその光景はあり、完全武装した一人の兵士が迎えに来ていた。
「隣国の旅人です。少しの間滞在する事を許可してもらいたい」
「それでは、その金剛札があるはずなので提示をお願いします」
アイルたちが提示し終わると、その兵士は頷き城内に戻っていくが、急いで戻ってきた。
「アイル殿一行とヒビキ殿とヴァルキリー殿一行様ですよね?国王から伝言です。今回の戦争に参加して欲しい。対戦が控えているのは分かっているが、この国の危機なんだ...以上です」
「.....」
「私は参加してもいいよ。そっちの方が私の目的は達成できそうだし」
「私達も参加するぜ!な、レイ?」 「姉さん、それ私の意見聞かないでしょ」
皆が言う中、アイルは黙りなが下を向いて考えていると、後ろから鈴のような声が聞えた。
「ねー、国王って此処に居るんだよね?」
その声の主は、黒い鎧に身を包んで兜だけつけてなかった。それと、白い剣を提げていた。だが、その白い鞘は、少し赤く染まっていた。鎧は黒く分からなかったが、それは血だという事を、アイルは気付いた。
シルヴァがアイルの、袖を掴んで、驚いたような顔をしていた。
「な、何で...ゼルが、此処に?」
「あれ?もしかしてシルヴァ?」
「なんで、ヒビキさんは僕達に声をかけたんですか?」
アイルが素朴な疑問を問いかけると、ヒビキは悪戯っぽく微笑み口を開いた。
「前の国でね、君たちの決闘をみてね。それで、本人だったら嬉しいなって思って声かけたら、本人で驚いたよ」
「え、見てたって事は…僕の腕の事も?」
「それは勿論だよ。あの黒い鎧の腕…何らかの魔術の副産物から生まれたものを使って作ったものだよね?それか…【禁忌】」
アイルは、その一言に息を飲んだ。
 それもそうだ。副産物のから出来たかとは普通の魔術師達は思うが、ヒビキは絶対に考えない【禁忌】と言う選択肢を出してきたのだから。
「前者はあり得ても、後者は馬鹿げた人しかやりませんよー。【禁忌】なんて本当に存在してるかさえも怪しいんですから」
「そうだよね。いやー、失敬失敬…そんな噂話、信じるなんて魔術師失格かなー」
そんな事を笑いながらいって、元いた所に腰を下ろした。
 アイルは、鎌の手入れを終えてからそれ以降、口を開かなかった。だが、ヒビキはアマテラスの事をじっと見つめていた。
隣国についてから、その門を通り過ぎる時にアイル達は少し、違和感を感じていた。それは、門の前の護衛が何時もより多いからだ。
国々で数は違うが、異様な多さのことに違和感を覚えた。
「なにかあったんですかね?」
シルヴァがそう口を開くと、アイルは首を捻る。だが、ヒビキは馬を引いている人に話を聞いていた。
「此処最近で、もう一個隣の帝国とゴタゴタがあって、戦争状態になってるらしいよ。このまま私達が滞在中に始まるかもだって」
ヒビキは真剣な眼差しで言っていた。シルヴァやアイルも手に力が入るが、その横で呑気に寝ているアマテラスを見て全員、苦笑いしていた。
「呑気な娘だなー...ま、そんな奴が居ると、緊張がほぐれる」
ヒビキが何か懐かしい物を見るようにアマテラスを眺めていた。
そんな会話をしていると、城前に着き馬車から下車した。
城前に着く前に、町の光景を見ていたが兵士が完全武装をして外に出て行っているのが見えた。城前でもその光景はあり、完全武装した一人の兵士が迎えに来ていた。
「隣国の旅人です。少しの間滞在する事を許可してもらいたい」
「それでは、その金剛札があるはずなので提示をお願いします」
アイルたちが提示し終わると、その兵士は頷き城内に戻っていくが、急いで戻ってきた。
「アイル殿一行とヒビキ殿とヴァルキリー殿一行様ですよね?国王から伝言です。今回の戦争に参加して欲しい。対戦が控えているのは分かっているが、この国の危機なんだ...以上です」
「.....」
「私は参加してもいいよ。そっちの方が私の目的は達成できそうだし」
「私達も参加するぜ!な、レイ?」 「姉さん、それ私の意見聞かないでしょ」
皆が言う中、アイルは黙りなが下を向いて考えていると、後ろから鈴のような声が聞えた。
「ねー、国王って此処に居るんだよね?」
その声の主は、黒い鎧に身を包んで兜だけつけてなかった。それと、白い剣を提げていた。だが、その白い鞘は、少し赤く染まっていた。鎧は黒く分からなかったが、それは血だという事を、アイルは気付いた。
シルヴァがアイルの、袖を掴んで、驚いたような顔をしていた。
「な、何で...ゼルが、此処に?」
「あれ?もしかしてシルヴァ?」
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