僕はまた、あの鈴の音を聞く

りんね

No.14 プレゼントpart.2

「信義さん? どうかしましたか?」

「.......」

僕は横目で僕の頬を突いている少女を見る。

ー全く覚えがない。しかしこの少女は僕のことを知っている。

そもそも、僕とこの少女とはどんな関係があったんだ?

僕よりも、10センチは小さい少女。

そして穂波と同じ短めの髪。

不思議そうに尋ねておきながら、一切表情が変わっていない。

変わった少女だ。

学校でも見たことはないし、もしかすると、中学生だろうか?

「一ついいか?」

僕は少女に尋ねる。

「......?」

その問いに対し、少女は首を傾げた。

相変わらず、表情に変化はない。

「まず、指を離してくれ」

「.......」

少女は黙って、指を離す。

(以外と素直だな)

そして、少女は少し俯き、こう呟いた。

「......幻滅しました」

「......は?」

突然放たれる罵倒に、驚きが隠せない。

ーというかなんで?

「......もういいです。今のあなたには興味がありません。さっさと思い出す• • • •か消えて下さい」

「思い出す......!?」

僕は彼女の発言を復唱し、意味を考える。

そして、彼女は言葉を続けた。

「あっ、一応自己紹介だけはしておきます。新しい信義さん• • • • • • •、どうも初めまして。僕の名前は、木霊こだま朱莉あかり。ちなみに......」

この時、一瞬だが嫌な予感がした。

そして、その勘は見事に的中することになる。

「僕はあなたの彼女ですよ」

そして、尚少女の表情は変わらなかった......。

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