一万の聖剣を持つ精霊
呼び出し Ⅰ
「ヤバイよりょうにー!もうすぐチャイムが鳴っちゃうよ!イルミナちゃんも急いで!」
「はい!」
今は寮の前。何故こうなっているかと言うと、イルミナとヒメがお風呂場でゆっくりし過ぎたせいだ。点呼までおよそ五分、しかしここから走って行ったとしても十分程はかかってしまう。
「どうしよう!絶対に間に合わないよ!入学早々遅刻なんて嫌だよぉぉ!」
俺たちは走って教室へ向かう。確かにこのままでは間に会う事はない。しかし、それは正規ルートで行った場合だ。イルミナたちの学年の教室は二階で窓からグラウンドが見る事が出来る。寮からグラウンドまで走って行けばおよそ三分、そしたらやる事は一つ。
「イルミナ、ヒメ。こっちから行くぞ!」
「ちょっ、りょうにー!そっちからじゃ間に合わないよ!」
「そうですよリョーマ!」
「大丈夫だ、こっちの方が早い」
イルミナとヒメを引き連れて走って行く。すると目的の教室が見えて来る。見えた瞬間にヒメを腕で担ぐ。
「えっ!?ま、まさかりょうにー…」
「あぁ、多分お前の思っている通りだ。イルミナは二階の窓までジャンプで届くだろ?」
「は、はい!」
この学園の窓は比較的全てが両開きだったはずだ、しかも鍵は掛けてない。
「よいしょ!」
「またぁぁぁぁあぁあ!?」
窓を壊さない程度に勢いよく蹴飛ばして中に入る。すると教室にいた生徒全員がこちらを驚いて振り返る。俺の後を続いてイルミナが入って来る。
「ギリギリ間に合ったみたいだな」
「もうやだぁ…お空を飛びたくない…」
「ふぅ〜間に合ってよかったです」
俺が窓を閉めた途端にウィリアム先生が入ってきた。
「おや、皆さんどうしたんですか?ヒメさんたちを見て」
「いや何もありませんよウィリアム先生、ちょっと物を落として大きな音が鳴ってしまっただけです」
少し反論しようとした奴がいたが睨みつけて黙らせる。
「そうですか、なら問題ないですね。点呼を取るので皆さん自分の席に座ってください」
その言葉に続き、生徒たちは次々に自らの席につく。あまりよろしくない目で俺とイルミナを睨みつけて来る奴がいたが、めんどくさいので無視することにした。
「はい、それでは1時間目の授業を始めます…と行きたかったのですが、今回の騒動を耳にしましたよね、この王国に魔物の群れが攻めてきたことです。今日が初めてのまともな授業になるつもりでしたが、例の件について一人の学園の生徒として聞いといてください」
一瞬、俺たちが避難時に学園にいなかったのがバレたのかと思ってヒヤヒヤしたが、ウィリアム先生の表情からはそんな様子は見受けられなかった。
俺は白を切ろうと思い何気ないふりをしていたが、隣を見てみるとイルミナとヒメが隠す気はあるのかと疑いたくなるレベルで体が震えていた。駄目だこいつら…絶対に疑われる。
「ん?どうしたそこ、何かあったのか?」
「い、いや、なんでもありません…」
ヒメがそう答えた。駄目だこの子、全くもって隠し切れてない。
「本当かい?何か隠してるように私は見えるが…
「ガラッ。失礼します。」
ウィリアム先生が何か話しかけようとした時だった。突然、他の女性の先生らしき人が教室へと入ってきた。その先生はウィリアム先生の耳元で何かを口にし始めた。
「そうですか。ヒメさんとイルミナさん、それとリョーマさんは至急、学園長室へ向かってください」
「は、はい!」
なんだかめんどくさい予感がする…。気のせいでありたい。
俺たちは呼びに来た先生について行く。長い廊下を歩き続ける。
「あ、あの〜先生…私達なんで呼ばれているんですか?」
「ん?あぁ、実は私も分からないんだよね。ごめんね」
「いえ、知らないんだったらいいんです。ありがとうございます」
ヒメはそう言った。絶対アレだ…戦っていた事に決まっている。ヒメもそう悟った様な顔をしていた。イルミナはと言うと制服のリボンが曲がってないか心配してた。
いくつもの階段と廊下の曲がり角を曲がり、学園長室らしき扉にたどり着く。
「それでは私は失礼します」
先生は戻って行ってしまった。
残された俺たちの前に立ちはだかるのは大きな扉。高さは…どれくらいだろうな。大体で見積もったら5メートル程だろうか。
「ーーどうぞ入ってくださいーー」
扉の奥からそう聞こえてきた。つい先日聞いた声、リチャードの声がした。
するとヒメが開けようと扉に手を当てる。
「あ、アレ?開かない…ふぬぬぬぬ!」
「は?そんなこのあるわけないだろ。ちょっと変わってみろよ」
ヒメと入れ替わりで、俺は扉を開ける。
扉は実に簡単に開いた。片手で押すだけで開いたのだ。
「リチャード来たぞ〜」
「お、お邪魔しまーす」
「あれ?開いた…まぁいっか。おじさーん、来たよー」
学園長室はかなり綺麗だった。部屋の真ん中に机とソファー、そして赤い絨毯と壁で覆われており少しだけ威圧的な雰囲気を感じさせる。
「いらっしゃい、リョーマさん、イルミナさん。それと…ヒメさん、学園ではおじさんって呼ばない様にあれほど言ったでしょう…」
リチャードは奥の机に腕を組みながら待っていた。
「はぁ〜、まぁいいです。そこのソファーに座ってください。お話があります」
「はい!」
今は寮の前。何故こうなっているかと言うと、イルミナとヒメがお風呂場でゆっくりし過ぎたせいだ。点呼までおよそ五分、しかしここから走って行ったとしても十分程はかかってしまう。
「どうしよう!絶対に間に合わないよ!入学早々遅刻なんて嫌だよぉぉ!」
俺たちは走って教室へ向かう。確かにこのままでは間に会う事はない。しかし、それは正規ルートで行った場合だ。イルミナたちの学年の教室は二階で窓からグラウンドが見る事が出来る。寮からグラウンドまで走って行けばおよそ三分、そしたらやる事は一つ。
「イルミナ、ヒメ。こっちから行くぞ!」
「ちょっ、りょうにー!そっちからじゃ間に合わないよ!」
「そうですよリョーマ!」
「大丈夫だ、こっちの方が早い」
イルミナとヒメを引き連れて走って行く。すると目的の教室が見えて来る。見えた瞬間にヒメを腕で担ぐ。
「えっ!?ま、まさかりょうにー…」
「あぁ、多分お前の思っている通りだ。イルミナは二階の窓までジャンプで届くだろ?」
「は、はい!」
この学園の窓は比較的全てが両開きだったはずだ、しかも鍵は掛けてない。
「よいしょ!」
「またぁぁぁぁあぁあ!?」
窓を壊さない程度に勢いよく蹴飛ばして中に入る。すると教室にいた生徒全員がこちらを驚いて振り返る。俺の後を続いてイルミナが入って来る。
「ギリギリ間に合ったみたいだな」
「もうやだぁ…お空を飛びたくない…」
「ふぅ〜間に合ってよかったです」
俺が窓を閉めた途端にウィリアム先生が入ってきた。
「おや、皆さんどうしたんですか?ヒメさんたちを見て」
「いや何もありませんよウィリアム先生、ちょっと物を落として大きな音が鳴ってしまっただけです」
少し反論しようとした奴がいたが睨みつけて黙らせる。
「そうですか、なら問題ないですね。点呼を取るので皆さん自分の席に座ってください」
その言葉に続き、生徒たちは次々に自らの席につく。あまりよろしくない目で俺とイルミナを睨みつけて来る奴がいたが、めんどくさいので無視することにした。
「はい、それでは1時間目の授業を始めます…と行きたかったのですが、今回の騒動を耳にしましたよね、この王国に魔物の群れが攻めてきたことです。今日が初めてのまともな授業になるつもりでしたが、例の件について一人の学園の生徒として聞いといてください」
一瞬、俺たちが避難時に学園にいなかったのがバレたのかと思ってヒヤヒヤしたが、ウィリアム先生の表情からはそんな様子は見受けられなかった。
俺は白を切ろうと思い何気ないふりをしていたが、隣を見てみるとイルミナとヒメが隠す気はあるのかと疑いたくなるレベルで体が震えていた。駄目だこいつら…絶対に疑われる。
「ん?どうしたそこ、何かあったのか?」
「い、いや、なんでもありません…」
ヒメがそう答えた。駄目だこの子、全くもって隠し切れてない。
「本当かい?何か隠してるように私は見えるが…
「ガラッ。失礼します。」
ウィリアム先生が何か話しかけようとした時だった。突然、他の女性の先生らしき人が教室へと入ってきた。その先生はウィリアム先生の耳元で何かを口にし始めた。
「そうですか。ヒメさんとイルミナさん、それとリョーマさんは至急、学園長室へ向かってください」
「は、はい!」
なんだかめんどくさい予感がする…。気のせいでありたい。
俺たちは呼びに来た先生について行く。長い廊下を歩き続ける。
「あ、あの〜先生…私達なんで呼ばれているんですか?」
「ん?あぁ、実は私も分からないんだよね。ごめんね」
「いえ、知らないんだったらいいんです。ありがとうございます」
ヒメはそう言った。絶対アレだ…戦っていた事に決まっている。ヒメもそう悟った様な顔をしていた。イルミナはと言うと制服のリボンが曲がってないか心配してた。
いくつもの階段と廊下の曲がり角を曲がり、学園長室らしき扉にたどり着く。
「それでは私は失礼します」
先生は戻って行ってしまった。
残された俺たちの前に立ちはだかるのは大きな扉。高さは…どれくらいだろうな。大体で見積もったら5メートル程だろうか。
「ーーどうぞ入ってくださいーー」
扉の奥からそう聞こえてきた。つい先日聞いた声、リチャードの声がした。
するとヒメが開けようと扉に手を当てる。
「あ、アレ?開かない…ふぬぬぬぬ!」
「は?そんなこのあるわけないだろ。ちょっと変わってみろよ」
ヒメと入れ替わりで、俺は扉を開ける。
扉は実に簡単に開いた。片手で押すだけで開いたのだ。
「リチャード来たぞ〜」
「お、お邪魔しまーす」
「あれ?開いた…まぁいっか。おじさーん、来たよー」
学園長室はかなり綺麗だった。部屋の真ん中に机とソファー、そして赤い絨毯と壁で覆われており少しだけ威圧的な雰囲気を感じさせる。
「いらっしゃい、リョーマさん、イルミナさん。それと…ヒメさん、学園ではおじさんって呼ばない様にあれほど言ったでしょう…」
リチャードは奥の机に腕を組みながら待っていた。
「はぁ〜、まぁいいです。そこのソファーに座ってください。お話があります」
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コメント
夢野つき
((((;゚;Д;゚;))))カタカタカタカタカタカタカタカタカタ
るーるる
1ヶ月ぶりだぜやったネ!
次も楽しみにしてますー
(圧力)じー( ⚭-⚭)