一万の聖剣を持つ精霊
お家に帰るまでが戦い
オークキングを中心に舞い上がっていた砂埃は次第に晴れていき、見えなくなっていた木々が次第にはっきり見えるようになる。
辺りはまだ暗いが少しずつ日が昇り始めてきていた。
魔力感知にはオークキングの反応は消え去り、俺の攻撃で出来たクレーターの中心に残ったのはオークキングの中心部にあった結晶だけだった。その結晶は遠目から見ても1メートル、オークキング本体の約五分の一はあった。
「あぁ…少しやり過ぎたか?」
俺がその結晶に踏み寄ると結晶にヒビが入った。そのヒビは次第に結晶全体へと広がり、やがて石ころサイズへと砕け散ってしまった。
それを拾い上げた俺はすかさず神眼で鑑定をする。
=============
魔法石(小)
魔力が圧縮された鉱石。
=============
「説明少なっ」
ビックリするほどに説明文が少ない。前にケインに教えてもらったように使う用途はいくつかあるとは思うが、これではどう使うのかさっぱり分からん。
また、鑑定をした事によって新たな疑問が出来た。それは普通の魔物の体内には魔法石は無かった、なのにオークキングだけにはあった。この違いが一体何だったのかが分からない。
一様、前にケインが魔法石は高価な物とか何とか言っていたような気がしたから収納スキルに全て回収していく。数はおよそ150個。自分でもかなりの数が集まったような気がする。
「リョーマ!」「りょうにー!」
裏を振り返るとイルミナがヒメに肩を貸してもらいながらこっちへ歩いて来ていた。すると突然、イルミナがヒメの肩から手を離し駆け寄って来た。
「リョーマ!大丈夫ですか!」
「あぁ大丈夫だ。まさか俺がやられるとでも思っていたのか?」
俺は服についた血が出来るだけイルミナに付かないように受け止める。顔を覗き込むとイルミナの顔色は悪くなっており、明らかに魔力不足を引き起こしていた。
「それよりもお前の方が大丈夫じゃ無いな。あれだけ大きな結界を張ったんだ、俺がおぶってやるから背中に乗れ」
「う、うん」
俺がイルミナを背負ってやるとヒメが追いついた。
ヒメは明らかに涙を溜めており今にも溢れ出しそうだった。目の下は真っ赤に染まっていた。
「ヒメもありがとうな、一緒に戦ってくれて」
「りょうにーのバカ…死んじゃうんじゃ無いかって思ったよ…」
「死ぬわけないだろ。でも心配させてすまんな」
そう言いながらヒメの頭を撫でてやる。おおよそ前世の事を思い出してしまったのだろう。
朝日が俺たちを照らす。ここは兵士たちがいた草原とは少し離れた森の中だから見える事は無いだろう。だがあれだけ大きな爆発(?)を起こしてしまったんだ、早くこの場を離れた方がいい。
草原はというと、魔力感知では魔物の反応もほとんど無くなっており兵士達の人数が増えていた。おそらく援軍でも来たんだろう。
「よし、さっさとここを巻き上げるか。ヒメ、お前の魔力遮断と気配遮断は俺たちにもかける事は出来るか?」
「え?う、うん、近くに居れば出来るとは思うけど…何で私の持ってるスキルを知ってるの?」
「あ…まぁ後で教える…とにかく今はそのスキルを使ってバレずに寮に帰るぞ」
俺はイルミナを背負いながらヒメを脇で担ぐ。
「え、ちょっと待って!りょうにー何するの!?」
「ヒメ、スキルは発動したか?」
「う、うん、したけど…」
「なら大丈夫だ、イルミナしっかりつかまっとけよ!」
「は、はい!」
多分、イルミナは気付いただろう。今から俺がする事に。
「行っくぜー!」
「え、ちょ、きゃああぁぁぁぁあああ!」
俺は出来るだけ大きなソニックブームが起きないように戦場を回り込みながら走っていく。すると、さっきまで遠目で見ていた壁の目の前まで来る。
ここまで来たらやる事は一つ。思いっきり壁を駆け上っていくだけ!ここは兵士たちには見えない場所だし、気配遮断と魔力遮断を使っているだろうからバレる事は無い。
駆け上がった時に街の全体を見渡す。魔力感知も使いながら人が居なくてバレにくく、かつ学園の寮までのルートを探し出す。
「見つけた…イルミナ、ヒメは目をつぶってろよ!ヒメはくれぐれもスキルを解除しないようにな!」
そう言って俺は結構な高さのある壁を飛び降りる。少し横から悲鳴がした気がしたが気にしない。地面が近ずいて来ると俺は足元に収納スキルから盾を出し足場にする、それを数回繰り返して無事に着陸する。
裏路地を通り、屋根上を通りまたはジャンプで数メートル飛んでいったり。そうこうしているうちに学園の手前まで来た。
「よし、ここからは歩いて行くか」
そう言ってヒメを降ろす。
「めがぁ〜クラクラする〜」
「ヒメ大丈夫か?くれぐれもスキルは解除するなよ?イルミナはまだしっかりと歩けないだろうから背負って行くぞ」
「うん、お願いします…///」
イルミナは少し眠たそうに背中にもたれ掛かる。あ、ちょっと感触が…。俺はイルミナの胸が当たっている事に心臓が飛び跳ねそうになる。さっきまでは気にもしなかったが、気が抜けるとつい意識してしまう。
俺は人徳だと思いながヒメの手を引きながら寮へ向かう。もちろん、バレないように裏に回って自分たちの部屋の窓を開けて中に入った。
気がつくと俺の服に付いていた血は跡形もなく綺麗に無くなっていた。きっと自己再生などのアビリティが働いたのだろう。
イルミナが寝る前にヒメと一緒に寮室付属のお風呂場に送ってやる。その間、俺はイルミナとヒメの授業の準備を代わりにして待つ事にした。
辺りはまだ暗いが少しずつ日が昇り始めてきていた。
魔力感知にはオークキングの反応は消え去り、俺の攻撃で出来たクレーターの中心に残ったのはオークキングの中心部にあった結晶だけだった。その結晶は遠目から見ても1メートル、オークキング本体の約五分の一はあった。
「あぁ…少しやり過ぎたか?」
俺がその結晶に踏み寄ると結晶にヒビが入った。そのヒビは次第に結晶全体へと広がり、やがて石ころサイズへと砕け散ってしまった。
それを拾い上げた俺はすかさず神眼で鑑定をする。
=============
魔法石(小)
魔力が圧縮された鉱石。
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「説明少なっ」
ビックリするほどに説明文が少ない。前にケインに教えてもらったように使う用途はいくつかあるとは思うが、これではどう使うのかさっぱり分からん。
また、鑑定をした事によって新たな疑問が出来た。それは普通の魔物の体内には魔法石は無かった、なのにオークキングだけにはあった。この違いが一体何だったのかが分からない。
一様、前にケインが魔法石は高価な物とか何とか言っていたような気がしたから収納スキルに全て回収していく。数はおよそ150個。自分でもかなりの数が集まったような気がする。
「リョーマ!」「りょうにー!」
裏を振り返るとイルミナがヒメに肩を貸してもらいながらこっちへ歩いて来ていた。すると突然、イルミナがヒメの肩から手を離し駆け寄って来た。
「リョーマ!大丈夫ですか!」
「あぁ大丈夫だ。まさか俺がやられるとでも思っていたのか?」
俺は服についた血が出来るだけイルミナに付かないように受け止める。顔を覗き込むとイルミナの顔色は悪くなっており、明らかに魔力不足を引き起こしていた。
「それよりもお前の方が大丈夫じゃ無いな。あれだけ大きな結界を張ったんだ、俺がおぶってやるから背中に乗れ」
「う、うん」
俺がイルミナを背負ってやるとヒメが追いついた。
ヒメは明らかに涙を溜めており今にも溢れ出しそうだった。目の下は真っ赤に染まっていた。
「ヒメもありがとうな、一緒に戦ってくれて」
「りょうにーのバカ…死んじゃうんじゃ無いかって思ったよ…」
「死ぬわけないだろ。でも心配させてすまんな」
そう言いながらヒメの頭を撫でてやる。おおよそ前世の事を思い出してしまったのだろう。
朝日が俺たちを照らす。ここは兵士たちがいた草原とは少し離れた森の中だから見える事は無いだろう。だがあれだけ大きな爆発(?)を起こしてしまったんだ、早くこの場を離れた方がいい。
草原はというと、魔力感知では魔物の反応もほとんど無くなっており兵士達の人数が増えていた。おそらく援軍でも来たんだろう。
「よし、さっさとここを巻き上げるか。ヒメ、お前の魔力遮断と気配遮断は俺たちにもかける事は出来るか?」
「え?う、うん、近くに居れば出来るとは思うけど…何で私の持ってるスキルを知ってるの?」
「あ…まぁ後で教える…とにかく今はそのスキルを使ってバレずに寮に帰るぞ」
俺はイルミナを背負いながらヒメを脇で担ぐ。
「え、ちょっと待って!りょうにー何するの!?」
「ヒメ、スキルは発動したか?」
「う、うん、したけど…」
「なら大丈夫だ、イルミナしっかりつかまっとけよ!」
「は、はい!」
多分、イルミナは気付いただろう。今から俺がする事に。
「行っくぜー!」
「え、ちょ、きゃああぁぁぁぁあああ!」
俺は出来るだけ大きなソニックブームが起きないように戦場を回り込みながら走っていく。すると、さっきまで遠目で見ていた壁の目の前まで来る。
ここまで来たらやる事は一つ。思いっきり壁を駆け上っていくだけ!ここは兵士たちには見えない場所だし、気配遮断と魔力遮断を使っているだろうからバレる事は無い。
駆け上がった時に街の全体を見渡す。魔力感知も使いながら人が居なくてバレにくく、かつ学園の寮までのルートを探し出す。
「見つけた…イルミナ、ヒメは目をつぶってろよ!ヒメはくれぐれもスキルを解除しないようにな!」
そう言って俺は結構な高さのある壁を飛び降りる。少し横から悲鳴がした気がしたが気にしない。地面が近ずいて来ると俺は足元に収納スキルから盾を出し足場にする、それを数回繰り返して無事に着陸する。
裏路地を通り、屋根上を通りまたはジャンプで数メートル飛んでいったり。そうこうしているうちに学園の手前まで来た。
「よし、ここからは歩いて行くか」
そう言ってヒメを降ろす。
「めがぁ〜クラクラする〜」
「ヒメ大丈夫か?くれぐれもスキルは解除するなよ?イルミナはまだしっかりと歩けないだろうから背負って行くぞ」
「うん、お願いします…///」
イルミナは少し眠たそうに背中にもたれ掛かる。あ、ちょっと感触が…。俺はイルミナの胸が当たっている事に心臓が飛び跳ねそうになる。さっきまでは気にもしなかったが、気が抜けるとつい意識してしまう。
俺は人徳だと思いながヒメの手を引きながら寮へ向かう。もちろん、バレないように裏に回って自分たちの部屋の窓を開けて中に入った。
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るーるる
やったねーずっと待ってましたー