一万の聖剣を持つ精霊

夢野つき

魔物狩り Ⅱ

「それじゃぁ俺達も戦うか。行くぞ」
「「うん」」

 俺はイルミナとヒメに声を掛けて前線へと出た。俺は精霊だからあまりイルミナから離れる事は出来ないだろうが1キロ程度なら大丈夫だろう。
 何故、避難をせずに戦うのかと言うと理由はいくつかある。1つはヒメの戦闘方法の把握、2つはヒメとイルミナの2人のスキルとレベルの上昇。あと言えば今の俺の戦闘能力の向上程度だ。俺でもこの数を相手するのは初めてだからな。
 敵のレベルは5〜15と言ったところだろうか。
 俺は的に近づいて早速収納スキルから聖剣を取り出す。

「さてと、さっさと俺の肥やし経験値になりやがれ!」

 そして聖剣を犬型の魔物の首に振り下ろす。
 魔物達は突然現れた聖剣の力に驚愕の顔をする。魔物達は俺を潰すのが先だと考えたのか周囲の魔物の数が増え始める。
 俺は魔物の首を5.6体ほど切り落としては新しい聖剣を取り出しまた戦う。
 
「流石にこれは効率が悪いな...」

 そう思いながらも今のところは打開策がないため渋々と収納スキルから聖剣を取り出す。
 もちろん、イルミナとヒメの様子も見ている。
 イルミナは魔法と結界を駆使し防衛しながらの攻撃、つまり持久戦に持ち込んでいる。
 ヒメはと言うと敵の裏に回り込んで剣で首を切り落とすの繰り返しなのだが.....どうしたんだ? 恐らく気配遮断などを使用しているように見えるのだが、何度かイルミナの結界内に逃げ込んでは出て行くを繰り返している。意味が分からない。

「おっと、戦闘に集中しないとな。一撃で仕留めれないと聖剣を無駄に使ってしまうからな」



 ----side:イルミナ----

「はぅ〜、流石に多すぎます...」

 私は今、結界の中から魔法で魔物を倒しています。
 リョーマは前へと行ってしまい私からはあまり見えませんが時々こっちを気にかけて見てくれています。
 
「私も頑張らないと! もう私は1人じゃない....リョーマの役に立ちたいの!!」

 杖に魔力を込めてから解き放つ。一気に多大な魔力が体から失われるのが分かる。
 風魔法、ウィンドカッターで魔物の体が一気に宙へと舞う。だが、多くの魔力を込めたにもかかわらず、威力が強いのは最初だけであって15メートルほど行くと弱まっていき、やがて魔物に当たって風が消える。

「ふぅ...またダメだったですよ...」

 私が落ち込んでいる時だった。

「ちょっとイルミナちゃ〜ん! 結界の中入れて〜!!」

 そこに居たのはゴブリンやウルフ達に追いかけられていたヒメちゃんだった。

「は、はい! 結界開けるのですぐ入ってきてください!」

 そうして私は結界を開けてヒメちゃんを中に入れた。

「ふぅ〜、助かった〜。ありがとねイルミナちゃん♪」
「それはいいんですけど....何で追いかけられてたのですか?」

 私は結界の外で攻撃をしている魔物達に指をさして聞く。

「あはは......実は、アビリティのせいなんだよね...。気配遮断とか魔力遮断で気配は消して魔物の裏に回って首を切ったりしてたんだけど...魅力って言うアビリティのせいで時間が経つと魔物達にバレちゃうんだよねー...」
「....」
「イルミナちゃん...そんな目で見ないで....」

 でも見ていた限り私よりもヒメちゃんの方が多く魔物狩っていたから何も言えない...。

「それじゃぁもう一回行ってくるね♪自分もやるって言ったんだから最後までやるよ」
「あ、分かりました。また危なくなったらここに戻ってきてくださいね」
「うん!」



----side:リョウマ----

「結構数も減ってきたな....」

 初めは500体程も居た魔物達も、今は100体程しか魔力感知に引っかからない。

「さて、そろそろお片付けに入りますか....」

 そう言って俺がまた聖剣を取り出した時だった。

「ウォォォォォォオオオォォオォ!!」

 どこからともなく発せられた雄叫びが戦場を震わせた。
 俺ですら魔力感知を常に発動させていたが気づけず、突如として戦場に姿を現した。

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オークキング
種族:魔物(上位オーク種)
Lv45

体力:6000
攻撃:1700
防御:900
魔力:500

<スキル>
王の覇気Lv3
同族殺しLvMAX

<アビリティ>
自己再生
鉄壁
士気変換
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コメント

  • ノベルバユーザー320866

    魅力、、、魅力て、、、

    0
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