一万の聖剣を持つ精霊
授業 Ⅱ
俺達は雑談をしながらだが教室の扉に手をかけた。すると廊下まで聞こえた声が途端に静まる。
教室から浴びせられる目は実に冷たいものだった。『何でこんな所に獣人族が?』などの軽蔑の言葉を言っているのが伝わってくる。これじゃぁまるで入学試験の受け付けの時とまったく一緒だ...。
突然だが横から何かに引っ張られた。引っ張られた方を見てみると、やはりイルミナが俺の服の袖を強く掴んでいた。
「大丈夫だイルミナ、俺達がついてる。お前はこのクラスでも1番強いはずだ。胸を張っていればいい」
「りょーにい...そういう問題じゃないと思うんだけど...」
そう言うとヒメに指摘されてしまった。
するとイルミナの握る力は変わらないが、先ほどよりも覚悟を決めたような、吹っ切れたような雰囲気へと変わった。
「私が学園に行きたいって言ったんですよね。リョーマ覚悟決めました!」
「そうか...」
学園通うだけでこんなに覚悟がいるものなのか? 
そんなこんなで俺達は後ろの窓側の空いてる席に座る。ヒメとイルミナが通路側で俺は窓側だ。
俺達が席に座ると先程の静けさが嘘のように騒がしくなる。
数分が経ってようやくの思いで男性の先生が教室に入って来た。
「はーい、新入生の皆さん静かに席についてください。今から名簿と1時限目の学園説明を行います」
男の先生の声で他との奴らが席に着いていく。
「せ、先生、質問いいですか? この特進クラスは生徒が30人って聞いたんですが1人多くないですか?」
「えぇー、確かお前は...ジルだったか? 大丈夫だ、ちゃんと生徒は30人いる。1人は...上位精霊なだけだ、問題は無い。後々説明する」
先生の言葉によってクラスに電撃が走ったようにざわつく。
そんな事を気にせず俺は窓から学園の運動場を見下ろす。広さはとてつもなく広く学園の校舎の3分の1と言ったところだろうか。
俺が運動場を見下ろしている間にも先生の話は続いていく。
「えー生徒の皆さんおはようございます。皆さんの担任になりましたウィリアム・ヴァースと言います」
その一言によって教室中はまたもやざわつき始めた。
一体何でこんなに驚くんだ?
「なぁイルミナ、あの先生知ってるか?」
「え? ごめん、まったくわからないですよ...」
「えッ!? りょーにいとイルミナちゃん知らないの? あの人は元王国魔法師団補佐のウィリアム・ヴァースさんだよ! 王国内でも魔法の腕は一二位を争う程の凄腕なんだよ! 今はもう魔法師団の方は抜けたって聞いたよ」
ヒメは少し、いやだいぶ興奮気味にそう言った。
確かに凄い人だ。しかしそんな凄い人がどうしてこんなガキくらいの奴らが集まる学園の先生になっているんだ? 少しだけだが心に引っかかるものがある。
1時限目は実に大したことは無かった。先にウィリアム先生が言った通りに学園の説明。貴族などの権力は一切受け付けない事や、学園の地図を渡されての説明、あとは1年生のうちに学ぶ授業の説明を一通りしたくらいだ。
2時限目も実際に学園内を歩いての説明で特に刺激は無かった。強いていえば改めてこの学園は大きいなと思った事くらいだ。
そしてしばらくしてから俺達は教室に戻って来た。
「皆さん、説明は以上になります。質問などはありませんか? 無かったら今日の授業は終わりです。明日から通常授業となりますので気おつけてくださいね」
そう言うとウィリアム先生はそそくさと教室を出ていってしまった。それに続いて生徒達も出て行こうとする。
昼食までにはまだ時間がある。
「なぁイルミナ、この後時間あるか?」
「ん? 別に空いてるけど、何かするのですか?」
「あぁ、確か寮の部屋には簡易的なキッチンあったよな。久しぶりに料理をしたいから少し買い出しに付き合ってくれ。お前がいないと自由に動けないからな」
「あっ! それならりょーにい、私も行きたーい!」
ヒメは両手をあげて主張する。
そして俺達はどこへ買い出しをするかの話をしながら教室を後にした。
教室から浴びせられる目は実に冷たいものだった。『何でこんな所に獣人族が?』などの軽蔑の言葉を言っているのが伝わってくる。これじゃぁまるで入学試験の受け付けの時とまったく一緒だ...。
突然だが横から何かに引っ張られた。引っ張られた方を見てみると、やはりイルミナが俺の服の袖を強く掴んでいた。
「大丈夫だイルミナ、俺達がついてる。お前はこのクラスでも1番強いはずだ。胸を張っていればいい」
「りょーにい...そういう問題じゃないと思うんだけど...」
そう言うとヒメに指摘されてしまった。
するとイルミナの握る力は変わらないが、先ほどよりも覚悟を決めたような、吹っ切れたような雰囲気へと変わった。
「私が学園に行きたいって言ったんですよね。リョーマ覚悟決めました!」
「そうか...」
学園通うだけでこんなに覚悟がいるものなのか? 
そんなこんなで俺達は後ろの窓側の空いてる席に座る。ヒメとイルミナが通路側で俺は窓側だ。
俺達が席に座ると先程の静けさが嘘のように騒がしくなる。
数分が経ってようやくの思いで男性の先生が教室に入って来た。
「はーい、新入生の皆さん静かに席についてください。今から名簿と1時限目の学園説明を行います」
男の先生の声で他との奴らが席に着いていく。
「せ、先生、質問いいですか? この特進クラスは生徒が30人って聞いたんですが1人多くないですか?」
「えぇー、確かお前は...ジルだったか? 大丈夫だ、ちゃんと生徒は30人いる。1人は...上位精霊なだけだ、問題は無い。後々説明する」
先生の言葉によってクラスに電撃が走ったようにざわつく。
そんな事を気にせず俺は窓から学園の運動場を見下ろす。広さはとてつもなく広く学園の校舎の3分の1と言ったところだろうか。
俺が運動場を見下ろしている間にも先生の話は続いていく。
「えー生徒の皆さんおはようございます。皆さんの担任になりましたウィリアム・ヴァースと言います」
その一言によって教室中はまたもやざわつき始めた。
一体何でこんなに驚くんだ?
「なぁイルミナ、あの先生知ってるか?」
「え? ごめん、まったくわからないですよ...」
「えッ!? りょーにいとイルミナちゃん知らないの? あの人は元王国魔法師団補佐のウィリアム・ヴァースさんだよ! 王国内でも魔法の腕は一二位を争う程の凄腕なんだよ! 今はもう魔法師団の方は抜けたって聞いたよ」
ヒメは少し、いやだいぶ興奮気味にそう言った。
確かに凄い人だ。しかしそんな凄い人がどうしてこんなガキくらいの奴らが集まる学園の先生になっているんだ? 少しだけだが心に引っかかるものがある。
1時限目は実に大したことは無かった。先にウィリアム先生が言った通りに学園の説明。貴族などの権力は一切受け付けない事や、学園の地図を渡されての説明、あとは1年生のうちに学ぶ授業の説明を一通りしたくらいだ。
2時限目も実際に学園内を歩いての説明で特に刺激は無かった。強いていえば改めてこの学園は大きいなと思った事くらいだ。
そしてしばらくしてから俺達は教室に戻って来た。
「皆さん、説明は以上になります。質問などはありませんか? 無かったら今日の授業は終わりです。明日から通常授業となりますので気おつけてくださいね」
そう言うとウィリアム先生はそそくさと教室を出ていってしまった。それに続いて生徒達も出て行こうとする。
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「ん? 別に空いてるけど、何かするのですか?」
「あぁ、確か寮の部屋には簡易的なキッチンあったよな。久しぶりに料理をしたいから少し買い出しに付き合ってくれ。お前がいないと自由に動けないからな」
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