一万の聖剣を持つ精霊

夢野つき

三章 剣術 Ⅱ

「それでは始めて下さい!」

 先生の合図で試験が始まった。
 合図と共にイルミナは、獣人族特有の身体能力にステータスを上乗せした勢いのある走りでフィリップに突撃する。
 フィリップとイルミナのステータスはと言うと、まだイルミナの方が高い。
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フィリップ
種族:人族
職業:剣術士
Lv50
28歳

体力:1000
攻撃:550
防御:1500
魔力:500

<スキル>
片手剣Lv7
両手剣Lv7
盾術Lv2
回避Lv8

<アビリティ>
光属性
受け身
受け流し
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 俺が今まで見た中で人族では一番強い。王国の騎士団長に着くにも納得出来るステータスだ。また、スキルのレベルは使うほどに上がっていくので、実力も並大抵のものは相手にもならないだろうな。
 そんな事を考えている間にイルミナは俺が言ったように攻め込んでいた。
 それを全て受け流すフィリップ。しかし、フィリップの顔には少し驚いたような、スピードについて行くのがやっとのような表情だった。

「あなた、今まで見たことの無い剣術を使いますね。誰から教わったのですか?」

「ん〜、私の大切な人に教えて貰ったんです」

 大切な人って、そんなふうに思っていたのか。少し嬉しく思った。

「もっとスピードあげます!」
「これ以上上がるのですか、なら少し力を使いますよ」

 するとフィリップは受け流しをやめて、反撃と回避をしだした。
 フィリップが攻撃してはイルミナが剣で受け止め、イルミナがそこをもう一度斬りつけると回避で避けられるといった状態だった。
 そんな事が続いた時だった。イルミナが剣を受け止めた瞬間に剣が折れてしまった。

「これであなたは戦えません。試験は終了です」
「そ、そんな...」

 イルミナは気まずそうな顔をしながら俺の方へと戻ってきた。

「リョーマごめんなさい...」
「大丈夫、気にするな。相手の方が一枚上手だっただけだ。イルミナもよくやった」

 俺が頭を撫でてやるとイルミナは直ぐに笑顔を取り戻した。

「あなたがイルミナさんに剣術を教えたのですか?」

 振り返るとそこにはフィリップが立っていた。

「そうだが、何か用か?」
「いえいえ、ご挨拶をしに来たんですよ。イルミナさんの剣術は素晴らしいものでした。またいつかお会い出来る日を楽しみにしてます」
「...そうか」

 こいつ結構良い奴だった。初めはイケメンと紳士と言う苦手な人だったが、人は見た目だけで判断してはいけないな。いや、多分俺の思い込みで、こいつは元々良い奴だったんだろう。
 俺とイルミナはお辞儀をしてからあとを引いて行った。
 入学試験の結果は翌日出るらしい。

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コメント

  • 黒音

    これはお気に入り不可避

    2
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