一万の聖剣を持つ精霊

夢野つき

三章 剣術 Ⅰ

 入学試験はいよいよ最後の剣術の試験だけとなった。
 俺はイルミナに剣術を教えていたが、いつまでたっても心配な事がある。それは詰めが甘い事だ。剣術を教えている時も、俺に一撃を入れれたと喜んでいたが、切ったのは俺の残像で喜んでいる隙をついて攻撃を入れた事があった。

「ねぇ、さっき剣を杖に変えちゃったけどどうしよ...」
「あぁ...先生が剣用意してるらしいし、それ借りたらどうだ?」

 俺はそんな事言っているが、他の貴族達は自前で剣を用意していた。庶民でも用意してる奴はいるが、どう見ても量産型の剣だった。

「はーい、注目して下さーい! 今回の試験の剣術の相手をして下さるのは、王国騎士団団長のフィリップさんでーす!」
「どうも皆さん、フィリップと申します」

 そう言って出てきたのは、赤い髪をなびかせて優しい目している、いかにもイケメンと言ったような男だった。

「今年は僕が皆さんの剣術試験を担当させていただきます。全力を出し切ってくださいね」

 自己紹介が終わった後、直ぐに試験が始まった。
 皆の前で一人ずつ出ていきフィリップと手合わせをしていく。

「イルミナ、自分から突っ込んでいけよ」
「わっ、わかってますよ!頑張りゅっ!」
「また噛んだな、緊張しすぎだ」
「うぅ...」

 イルミナは頬を赤らめながら俯いていた。前からだが、イルミナは覇気が全く感じれん。
 他の奴らは、フィリップと手合わせをしているが、一撃も食らわせていない。
 剣術一つで試験を受けに来ていると思われる奴は、後一歩という所で防がれたりしていた。そして、ついでに自分の方が一撃を貰っていた。流石に本気ではなさそうだが...。

「イルミナ、俺はお前に剣術を教えたが、センスがイマイチだった」
「今それ言うのですか!?ちょっと心配になってきましたよ...」

 明らかに落ち込んでいた。あ、少し可愛いかも。

「だけどあいつには通用出来るくらいにはしてやったはずだ。くれぐれも油断をするなよ」

 俺はイルミナの両肩を掴んで言い聞かせた。

「う、うん...///」

 何で今顔を赤らめる。
 そんな事をしていたら順番が回ってきた。

「イルミナさーん!お願いしまーす!」
「行ってきますね!」
「あぁ、頑張れよ」

 そしてイルミナは恥ずかしそうにだがフィリップの前へと歩いて行く。

「それではよろしくお願いしますね」
「は、はい!よろしくお願いしましゅっ!」

 もう触れないでいよう...。
 そしてお互いに剣を構えた後、先生の合図が響き渡った。

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