一万の聖剣を持つ精霊

夢野つき

三章 お別れ

「もうお別れだな」
「ああ、そうだな」

俺達は今、宿でケイン達とのお別れをしているところだった。街の中はまだ少し暗く、霧が立ち込めていた。

「少しの間だったが、楽しかったぜ!」
「ああ、俺達もなかなか充実した日々だった」
「リョーマさん、イルミナさん、昨日渡しそびれましたが、モンスターの素材を売った時のお金です」

ゴートは俺の手に布袋を握らせた。持った感じでも中々の重さだった。

「こっこんなにもですか!? 流石にこんなにも受け取れませんよ!」
「ホントだぞ、流石にこれは多すぎると思うぞ」
「いいんですよ。私とケイン、リーリやマリーと話し合った結果なんですから。あなた達ならきっと学園に入れると思います。そのお祝い金も含めているので受け取ってください」

 どうした物かと思って、ケイン達を見たが、皆満足しているような雰囲気を漂わせ居た。

「そうか...なら受け取るしかないな」
「はい、そっちの方がこちらも助かります」

 彼らは、魔物から助けた時も、今もニコニコと笑顔が耐えないパーティーだ。
 日が昇り始め、少しずつ街に人が見えてくるようになった。

「それじゃあ、そろそろ俺達は行くわ!」
「もうそんな時間か、また会えるといいな…」
「ああ、もちろん!」

 俺達は、一人ずつ言葉と握手を交わして行った。
 女性陣からは、『イルミナちゃんをしっかり守りなさいよ!』だったり『可愛いからって襲ってはいけませんよ!』だったり注意ばかりだった。なんか酷くね!?
 そして、彼らは馬車に乗り込んで行った。

「それじゃあ、またな」
「おう! もちろんだぜ!」

 ゆっくりと馬車が動きだした。
 俺とイルミナは馬車の姿が見えなくなるまで手を振り続けた。
 もう、夜の肌寒さも消えて暖かくなり始めた。

「よし、イルミナ、さっさと朝食を食べて入学試験に行くぞ。まずはそれからだ」
「うん!」

 イルミナはいつもの様に笑顔で返事をする。早朝の中、間もなく入学試験が始まろうとしていた。

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コメント

  • 澤丸

    今後も୧(๑•̀ㅁ•́๑)૭✧

    3
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