一万の聖剣を持つ精霊

夢野つき

三章 迷子の子 Ⅱ

 俺は含みのある笑みで勝負を仕掛けに行った。学園長の顔が一瞬で変わり。声が周りに聞こえないように魔法を展開したように見えた。イルミナはと言うと、目を点にしながら全く理解していないようだった。

「あなた達、もしかして私の敵ですか?」
「滅相もございません。私達は今回の入学試験に受けに来たただの子供ですよ」

学園長は睨んでくるが、俺は笑みを作って返す。イルミナは完璧に固まっていた。

「ただの子供が何で私を見破れた?」
「そりゃあ、貴方よりも強いからですよ。あと、歳上には敬語を使うものですよ。学園長」

 俺と学園長の睨み合いが続いた。
 睨み合いが数分続いた。切り詰めた空気の中、学園長から話しかけてきた。
「はぁ、このままじゃ拉致か飽きませんね。確かにあなたの方が強そうです。あなた達は今回の入学試験の参加者ですか?」
「はい、そうですよ。私は精霊なのでこちらの契約者、イルミナの物なので一緒に受けますよ」

学園長は面白いものを見つけた子供のような雰囲気で言ってきた。

「そうですか。全く、世界は面白いもので溢れてますね。私はあなた達の入学を楽しみにしてますよ。あと、あなた達にはリチャードと読んでもらいたい」

今更になって俺達は、自己紹介をした。
 その時、イルミナは我に返ったのか、頭をペコペコし始めた。

「それでは、私達は失礼しますね。入学試験、頑張ってください」
「お兄ちゃん達ありがとー!」

 学園長と迷子だった子供は手を振りながら帰って行った。

「イルミナ、お前緊張し過ぎじゃないか?」
「緊張しないリョーマがおかしいだけだですよ!」

 気がつけば空はもう暗くなりかけていた。ケイン達との待ち合わせの時間にはもうなっていた。

「ヤバッ! イルミナ、もう行かないとケイン達が待っているぞ!」
「ほ、ホントだ!」

俺とイルミナは人にぶつからないように走って行く。

「済まないな、イルミナ。あまり観光出来なくて」

俺はさり気なく謝ったが、イルミナは笑顔で言ってきた。

「ううん、私もあの子の親を探したかったですし、結構楽しかったですよ!」

その笑顔はとても輝いて見えた。
 集合場所には、もうケイン達が待っていた。ケインとゴートはあまり気にしていなかったが、マリーとリーリに結構な勢いで怒られた。

「これで依頼は終了したな」

ケインが少し寂しそうな声で言ってきた。

「そうだな、俺達は今日、お前達が泊まる宿に泊まって、明日入学試験を受けるだけだ」

 そして、俺達は色々話し合いながら宿へ向かって歩いた。

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コメント

  • ノベルバユーザー316313

    呼んでもらいたいじゃない?

    1
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