一万の聖剣を持つ精霊

夢野つき

三章 迷子の子 Ⅰ

「見て見て!リョーマ、あれ凄いですよ!」
「ああ、そうだな」

俺達は今、ハイベスター王国の中心部近くの街を観光していた。

「おい、少しはしゃぎ過ぎだぞ」
「ご、ごめんなさい」

謝っているつもりなのだろうか、尻尾は嘘を付けなかったようで、元気良く揺れていた。
 すると、イルミナは人にぶつかったらしく、俺の胸に飛び込んで来た。

「ご、ごめんなさい!」
「だ、大丈夫だ。お前謝ってばっかりだな」

やばかった。突然の事だから心臓が止まるかと思った...。飛び込んでしまった本人は、顔を真っ赤に染め俯いていた。
 しばらく、大人しく歩いているとイルミナが何かに反応した。

「ねぇリョーマ、今向こうから子供が泣いている声が聞こえたです」
「イルミナが言うんだったらそうなんだろう。行ってみるか?」

イルミナは頷いて聞こえる方へ案内してくれた。
 そこには、一人の男の子が泣いていた。

「うわぁーん!おかーさーん!おとーさん!」
「あわわゎ、大丈夫ですか?」

 俺、子供の面倒見るのは苦手なんだよな。だから、収納スキルから村の宿屋から拝借してきた飴を取り出して、子供の口に突っ込む。決して盗んだのでは無い。
 子供はだんだん泣きやみ、静かになった。髪の毛は金色で、ここら辺ではあまり見ないエルフ耳だった。

「お前、迷子か?」
「...うん」
「なら、俺達がお前の親を探してやる。自分の保護者の顔はわかるよな?」

そして、俺達の迷子の親探しが始まった。
 朝方から探し始めたのになかなか見つからない。時々、子供と俺達のご飯を売店で買い、食べさせてやったりもした。
 もう夕方だった。迷子の親もまだ見つかってない。すると、子供がいきなり走り出した。それに俺とイルミナもついて行く。

「お兄ちゃん!」
「お前、こんな所に居たのか! 探したぞ!」

親が見つかったらしいが、いきなり目の前でお説教が始まった。だけど、子供は全く動じない。何でさっきは泣いていたんだ...?
 俺は少し子供の兄が気になり、ステータスを見た。
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クリス・リチャード
種族:エルフ族
職業:魔法・精霊王国学園学園長
Lv82
150歳

体力:5000
攻撃:3500
防御:3000
魔力:20000

<スキル>
魔力感知Lv7
魔力操作Lv7
思考加速LvMAX

<アビリティ>
全属性
魔眼
付与魔法
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 俺は思った。イルミナよりも、もしかしたら強い。

「君達、弟がお世話になってすまなかったね」
「い、いえ、お気になさらず。当然の事をしただけですよ」
「そうですよ、これからはこちらがお世話になるんですから『学園長』」

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コメント

  • ノベルバユーザー319162

    おトーさん は草

    0
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