一万の聖剣を持つ精霊

夢野つき

三章 ハイベスター王国

「おいリョーマ達、もうすぐ着くぞ!」

ケインが大きな声で俺を呼ぶ。その声を聞いた俺とイルミナは、外を見た。
 大きな壁に囲まれていて、中は見えにくいが、とても活気がありそうな雰囲気が漂っているハイベスター王国。

「すごい...大きいですね」
「そうだな」

俺達が呆気にとられていても馬車は動き続ける。
 門の前まで来たが、特に傭兵は確認する事もなく中に入れた。きっと、人が多いから確認するのが面倒なんだろう。
 王国は予想通り活気に溢れていた。今までに見た事のないほどの人の数、道沿いに建ち並ぶお店の数々、全てが目新しいものでいっぱいだった。

「この国は魔法技術が発展していてな、国の至る所に魔道具があるんだぜ!」
「そしたら、あれも魔道具なのか?」

俺が指さした先には前世で言うところの『街灯』だった。

「ああ、そうだ。あれは二十年ほど前に復旧した魔道具でな、中の魔法石にライトの魔法陣が組み込まれているんだ」
「魔法石? 何だそれは?」
「リョーマ知らねえのか? 魔法石は簡単に言うと、魔力が固まって出来た鉱石のようなものだ。普通に買おうとしたら結構高いんだよなーあれ」

...ケインって、本当は賢いのか?俺は一瞬、鳥肌が立ったように気持ち悪くなった。

「何だよ、その顔」
「いや、ケインが賢くてびっくりしただけだ」
「ひでっ!」

結構ご乱心なケインをほっておいて、俺とイルミナは街の中を見ていた。
 今度、魔法石について調べるのも良いな…。

「ねぇリョーマ、私早く街中を見て回りたいです!」
「でも、俺達は学園に入るほうが先だ」

イルミナの尻尾が今までにない程に荒ぶっていた。たまに横に居るケインを勢いよくビンタしていた。おい、ちょっと変われそこ。
 走行している内に、冒険者ギルドに着いてしまった。この前居た村のギルドよりも三倍近く大きな建物で、冒険者らしき人達が行来していた。

「俺達は、お前達の分も換金してくるから、二人で街の中でも見てこいよ」
「いいのか、そんな事して?」
「いいんだよ、今回の魔物の素材の数は多めだし、お前達が換金しに行ったら大騒ぎになりかねんからな」

少しイラッとしたが、その通りだ。俺は精霊だから何とか誤魔化せるかもしれんが、イルミナの見た目はまだ子供だ。子供が大量の素材を換金しに行ったら怪しまれるに決まっている。
 俺とイルミナはケイン達との待ち合わせを決めて見て回ることにした。

「それじゃあ、行くか」
「やったー!」

そして俺達は街の中を歩き出した。

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コメント

  • ノベルバユーザー319162

    学園ん んが一つ多いですね。

    0
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