一万の聖剣を持つ精霊

夢野つき

二章 報告と情報

 俺とイルミナは今、クエストを終わらせた事を報告しに来たところだ。カウンターのお姉さんに頼み、今は待合室だ。

「はぁはぁ、ま、待たせてすまんかったね…」
「いや、いいよ。それより何でそんなに息切らしてどうしたんだ?」
「リョーマ、多分私達のせいだと思います…」

そうなのか?と言いながら俺は、クウィーンタランチュラの討伐の報告をしていく。しっかりと死骸の一部を見せて。

「全く、早すぎるのではないか?」
「そんなもんだろ、普通」

そんな事を言っている俺の横で、イルミナはクラウンに頭をペコペコしていた。何でそんなに謝る...。

「まぁいい。依頼したのはこっちだ、報告と情報はしっかりと出そう」
「そうだ、その情報ってなんだよ?」

 クラウンはニヤニヤしながら言葉を溜めて言ってきた。

「情報と言うよりも提案だね。君達、学園に行ってみる気はないか?」
「学園!?リョーマ!私行ってみたいです!!」
「イルミナ、ちょっと落ち着け...。学園か?」

 俺は学園と聞いて前世を思い出した。友達も居ず、先生ともあまり仲が良くなく、かばってくるのは妹だけと言う少し苦い記憶が...ウッ、アタマガ!

「そうだ、正確には『魔法・精霊王国学園』だ。今のこの国の王都、ハイベスター王国にあってだな。結構ここからじゃ遠い場所なんだがな、今年の入学試験があと一ヶ月後にあるんだ。今頃からここを出れば十分間に合うはずだ。どうだ、行ってみないか?」

 断ろうとしたが、イルミナが体をソワソワさせながら期待した目でこちらを見てくる。断らん訳にはいかんか。

「はぁ...、分かったよ。行くよ。だが、俺達が出ていってそちらには利益が無いだろう」
「そこでだ、この村は規模こそはそこそこだが、人は少ない方だ。だから君達をこの村出身として認知度をあげて観光客や移住する人などをあげようと思っているんだ」
「でも、認知度が上がるとは保証できませんよ」
「そこは君達だからだよ」

 クラウンと話していると見透かされてるような気がして少し苦手だ。

「わかった、それじゃあ俺達は走って向かい...」

イルミナの顔が絶望したような顔になった。

「リョーマ、馬車がいいです」
「ん?何でだ。馬車より俺達は走った方が早いだろ...」
「もう一度言います、馬車がいいです」

 何だ、イルミナが少し怖いぞ…。何が不満なんだ?でも、世の中レディーファーストって言うし合わせた方がいいのか。

「わかった、馬車で行こう。クラウン、すまないが馬車の手配をしておいてくれ」
「ありがとうです、リョーマ!」

 今日で何回わかったと言っただろう。イルミナはともかく、何で俺は言いなりになってんだ。
 そのあと、俺とイルミナはクラウンから学園の説明などを話し合って、明日の朝出発をする事になった。明日なんて急だな…。

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コメント

  • ナナシ

    うーん...
    喋り方にムラがあるかな、同じ「」の中で敬語だったりタメ口だったり、
    決めてたほうがいい......

    1
  • 夢野つき

    質問ありがとうございます。リョウマの力についてですが、隠すのはイルミナの力であってリョウマ自身は自分の力はバレてもいいと思っているからです

    0
  • ノベルバユーザー319162

    リョウマの力を隠しておかなきゃいけないのにリョウマで観光客とか増やしていいんですか?

    1
  • ネコの肉球

    世の中豆知識
    レディーファーストとは、男性より女性を優先させると言う勘違いをしている人がいますが。レディーファーストとは男性が暗殺されそうになったとき、女性を先に入らせ。女性を肉盾にする行為なので。勘違いしないようにしましょう。また、その事がばれないように男性よりも女性を優先するという嘘をついたのでこのようなことになったと言われています(諸説あり)
    追記:このことを知っている人は少ないので普段の使い方で問題はないかと

    1
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