一万の聖剣を持つ精霊
鏡
俺はイルミナを背負いながら移動をしていた。宿の予約はギルマスがしていてくれたらしく、そちらに向かっているところだった。
「すぅー...」
「相変わらず可愛い寝息を立てているのな」
イルミナは昼間とは違い、怖がっている顔ではなく、とても可愛らしかった。
そんなイルミナの顔を見ながら歩いていると、宿に着いてしまった。
「あのギルマス、結構高そうな宿を予約したな…」
宿屋の見た目は、比較的周りより高く、中には一面カーペットが敷いてあった。
「すいません、予約をしたリョーマですが、鍵貰えますか?」
「はい、リョーマ様ですね、少々お待ちください」
俺にしては珍しい、丁寧な言葉使いで鍵をもらい、イルミナを寝かせた。
部屋は二人部屋で、ベットが二つある。
「こんなに静かにするのは久しぶりだな」
俺は獣人族の村から借りてきた本を収納スキルから取り出し、読み始めた。決して盗んだわけではない。
何時間くらい経っただろう。ふと喉が渇いたと思った。俺は本をしまい、水道のある洗面所へ行った。水道の仕組みは、中に水の出る魔石が入っており、それが空気中の魔力を吸い取り水が出るらしい。
そして、ついに見つけてしまった。鏡を。
俺は人生で初めて、自分の体を見た。洞窟には鏡も無く水溜りすらなかったから、自分の容姿の確認の仕様がなかった。
髪の毛は銀髪、体は子供っぽく、制服のような服を着ており、左目が青、右目が黄色の少年が鏡に映った。
「ま、まさか、これが俺か…」
今までの言動の数々、子供みたいな格好で上から目線で接していた事や、前世で言う厨二病と言われるような格好。
急に頭の中がごちゃごちゃし始めた。
「うぉぉぉぉぉぉ!やってしまったァァァァァァァ!」
恥ずかしい、思い出すだけで超恥ずかしい。
俺は地面でのたうち回っていた。こんな姿にした神、絶対許さん!
しばらくのたうち回っていたらイルミナが起きたらしく、こちらへ来た。
「ふぁ〜、うーん。リョーマ、何してるの?」
「ああ、イルミナか、いやちょっと絶望していただけだ...」
もうこれはどうしようのない事だと思っても恥ずかしくなる。イルミナも起きたし、話を変えてやるか。
「それよりイルミナ、お腹すいてないか?お腹すいてるのだったら、外の屋台に食べに行こうぜ。お金も貰ったし」
「ほんと!?やったー!ねぇ、早く行こ」
彼女は飛びっきりの笑顔で俺の袖を引っ張っていく。可愛すぎてなんの抵抗も取れなかった。いや、取らなかった。
「ねぇ、リョーマ、思ったんだけど」
「何だ?言ってみろ」
「ここ、どこなの?」
「宿屋だよ!」
「すぅー...」
「相変わらず可愛い寝息を立てているのな」
イルミナは昼間とは違い、怖がっている顔ではなく、とても可愛らしかった。
そんなイルミナの顔を見ながら歩いていると、宿に着いてしまった。
「あのギルマス、結構高そうな宿を予約したな…」
宿屋の見た目は、比較的周りより高く、中には一面カーペットが敷いてあった。
「すいません、予約をしたリョーマですが、鍵貰えますか?」
「はい、リョーマ様ですね、少々お待ちください」
俺にしては珍しい、丁寧な言葉使いで鍵をもらい、イルミナを寝かせた。
部屋は二人部屋で、ベットが二つある。
「こんなに静かにするのは久しぶりだな」
俺は獣人族の村から借りてきた本を収納スキルから取り出し、読み始めた。決して盗んだわけではない。
何時間くらい経っただろう。ふと喉が渇いたと思った。俺は本をしまい、水道のある洗面所へ行った。水道の仕組みは、中に水の出る魔石が入っており、それが空気中の魔力を吸い取り水が出るらしい。
そして、ついに見つけてしまった。鏡を。
俺は人生で初めて、自分の体を見た。洞窟には鏡も無く水溜りすらなかったから、自分の容姿の確認の仕様がなかった。
髪の毛は銀髪、体は子供っぽく、制服のような服を着ており、左目が青、右目が黄色の少年が鏡に映った。
「ま、まさか、これが俺か…」
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「ああ、イルミナか、いやちょっと絶望していただけだ...」
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