一万の聖剣を持つ精霊

夢野つき

二章 提案

 俺とイルミナはギルドの待合室でギルマスを待っていた。

「なんで呼ばれたんだろうな」
「絶対リョーマが素材を出したのが悪いんですよぉ...」

イルミナは涙目でこちらを見ていた。少し可愛い。
 待合室で待つこと十分ぐらいだろうか。ドアの外から話し声が聞こえた。きっとギルマスが来たんだろう。

「いやー、待たせてすまんかったね」
「いや、大丈夫ですよ」

見た目は少し細めの高身長で、服も少し豪華だった。一言で言い表すと、気の良さそうな人だ。
 俺はステータスを見ようとした前に、あちらが意外なことを言ってきた。

「また、凄いのが来たねぇ…」
「...どう言う事ですか?」
「私も持っているんだよ。君と同じ目を」

俺はすぐにギルマスのステータスを見た。
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クーリッシュ・クラウン
種族:人族
職業:ギルドマスター
Lv42
49歳

体力:660
攻撃:820
防御:520
魔力:700

<スキル>
両手剣Lv5
鑑定Lv8

<アビリティ>
火.水属性
神眼
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なるほど、相手にもステータスが見えてるのか。これは騙すことは出来なさそうだな。

「こっちのステータスが見えているのなら話は早い。今から出す素材を全て買い取ってくれ」
「全く図々しいな、やっと同じ目を持っているやつを見つけたのに、少しゆっくりして行ったらどうだ?」

確かに急ぐ必要はない。
 俺はギルマスが入れた紅茶を飲んで話し合うことにした。

「それで、今日は何用でここへ?」
「言っているだろう、素材を売るためだ」
「何でこんなにと聞こうとしたが…まあ、君達のステータスを見たら何となく察したよ」
「あと、俺達のステータスについても隠して置いてくれないか」
「ああ、それはもちろん。同じ目を持つもの同士。だけど、条件を出させて欲しい」

条件?と俺は聞き返した。もしも不利益な条件だったら、この村ぶっ潰してやろう。そんな事を思っている俺の横で、イルミナは美味しそうに
紅茶を飲んでいた。

「ああ、別に君達に不利益はない。君達に、ギルドに登録して欲しいだけだ。強い人が居るとギルド的にも利益があるからね、君達も、早めに介入しても悪くないと思うんだ」
「なるほど、なら登録しておこう」

そう言って俺は、ギルマスから渡された契約書に名前を記入した。イルミナにも書かせようとしたが、もう寝てしまっていたため明日に回すことにした。


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