一万の聖剣を持つ精霊
人助け
俺とイルミナは昨日のように走っていくのではなく、村まではあと二十キロ位なので歩いていた。
「? ねぇ、い今何処かで声がしなかったですか?」
「ん?俺には聞こえなかったぞ」
周りは森で囲まれていて、木々が揺れる音が聞こえてくるだけだ。
しかし、イルミナは猫族で他のどの種族よりも耳や嗅覚がいい、聞き間違えかもしれないがいちよう注意しておこう。
その途端、今度は俺にもはっきりと聞こえた。男性の声だ。
「ッ!やっぱり聞こえます!」
「ああ、次のは俺にもしっかり聞こえた。急いで向かうぞ!」
俺とイルミナは必死に草木をかき分け走った。すると一つの道に出た。
道には一人の商人らしき人と冒険者四人が犬型の魔物と応戦しているところだった。
「ちッ!こんなんじゃ拉致があかねぇぞ!」
「フォレストウルフが計七体、こんな奴が出てくるなんて聞いてないわ!」
冒険者達は剣術士、護術士、魔術師に聖職者で構成されていて、商人を守っているようだが見た感じ押されているようだ。
「どうする、助けるか?」
「私はあの人達を助けたいです...」
イルミナは上目遣いでこちらを見て言った。畜生、こんなんじゃ無理とか言えねぇじゃねえか。
「わかった。彼奴らは助けてやる。だけどイルミナ、お前は後ろで彼奴らの守りに徹しろ」
「わかりました」
そして俺達はタイミングを見計らって飛び込んだ。
「おっ、次は何だ!?」
冒険者達はこちらに気を取られ魔物が襲ってきていることに気づいていない。
「大丈夫だ、お前らの敵ではない。それより邪魔だ、後ろに下がってろ!」
俺はそう言いながら一匹のフォレストウルフの首を切り落とした。襲ってく魔物を一匹一匹順番に。
仲間があっさりと殺されたからだろうか、魔物達は途中で逃げ出した。
「逃がすと思うか?」
俺は一瞬のうちに奴らの裏に回り込んだ。そして二体同時に体を真っ二つに斬った。
俺が戦闘してからの戦いは実に早かった。狼達の死体は至る所に転がっており、俺は一つも返り血を浴びていなかった。
「大丈夫でしょうか、リョーマ?」
最初に駆け寄ってきたのはイルミナだった。どうやらしっかりと裏で彼等を守っていたらしい。
「ああ、大丈夫だ。イルミナはさっきの戦いは見えたか?」
「まぁちょっとだけど見えたよ。とても凄かったです!」
なるほど、イルミナは見ることができるのか。どうやら獣人族はレベルが上がると身体能力も格段に上がるようだ。
後からになって冒険者達を見てみると、何が起きたか分かっていない様な顔をしていた。
「まあ、彼奴らに話し掛けてみるか」
「そうですね…」
「? ねぇ、い今何処かで声がしなかったですか?」
「ん?俺には聞こえなかったぞ」
周りは森で囲まれていて、木々が揺れる音が聞こえてくるだけだ。
しかし、イルミナは猫族で他のどの種族よりも耳や嗅覚がいい、聞き間違えかもしれないがいちよう注意しておこう。
その途端、今度は俺にもはっきりと聞こえた。男性の声だ。
「ッ!やっぱり聞こえます!」
「ああ、次のは俺にもしっかり聞こえた。急いで向かうぞ!」
俺とイルミナは必死に草木をかき分け走った。すると一つの道に出た。
道には一人の商人らしき人と冒険者四人が犬型の魔物と応戦しているところだった。
「ちッ!こんなんじゃ拉致があかねぇぞ!」
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「わかった。彼奴らは助けてやる。だけどイルミナ、お前は後ろで彼奴らの守りに徹しろ」
「わかりました」
そして俺達はタイミングを見計らって飛び込んだ。
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俺は一瞬のうちに奴らの裏に回り込んだ。そして二体同時に体を真っ二つに斬った。
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