一万の聖剣を持つ精霊

夢野つき

二章 武器補充

 洞窟を歩いていてふと思い付いた。ドラゴンの鱗は戦っていた時とても硬かった。それで、武器の材料になるのではと。
 今までは、武器の材料に壁の岩や侵入者が持っていた武器を元に作っていたので、少しもろかったがドラゴンの鱗は硬く、大きく、沢山あるので便利なのではと。

「イルミナ。お前武器って持っているか?」
「ううん、そんな物騒なもの持ってないです」
「なら、おおよそこれからは必要になって来る。俺が武器を作ってやるよ」
「ほんとですか!? やったー!」

イルミナは少し嬉しそうに先頭を歩き出した。
 俺が使ったらすぐ壊れるだろうが、イルミナだったら大丈夫だろう。

「さて、作っていきますか」

俺はドラゴンから剥ぎ取った鱗に手をかざし創造し始めた。いつもなら三十秒もあればできたのだが、素材が硬く、魔力が通しにくいので二分もかかってしまった。
 目を開けてみると、そこには今までで一番と言ってもいいほどの物が出来ていた。
 見た目は赤黒く、刃先は青くなっており見るからに切れ味はやばそうだ。全体的に細くしてあるので、イルミナ用に作ったのだ。

「おい、イルミナ、出来たぞ」
「えっ、もうできたのですか?」

彼女はそう言って木の実を持ちながらやって来た。

「綺麗...」

そんな事を言ってイルミナは武器を手に取った。

「一様作ったが緊急時以外は使うな。まだイルミナは剣での戦い方を知らないだろ。これからは俺が前衛でイルミナが後衛だから、ドラゴン戦で使った結界を上手く使えるように練習しとけ」
「う、うん、わかったです...」
「あっ、あと、その剣あまり人前で抜くなよ。それでも聖剣だからな」
「せっ、聖剣!?」

俺は驚いているイルミナを無視して自分の武器を量産し始めた。比較的俺の武器は、使ったらすぐ壊れるので何の見栄えもないただの剣だ。少し色が赤黒いだけだ。

「リョーマって戦っていた時剣を使っていたけどあれも聖剣なのですか?」
「ああ、そうだぞ。俺が作ったら全部聖剣になってしまうからな」
「ドラゴンで沢山剣が壊れたみたいだけどまだ残っているのですか?」
「あと、三千本位は残っているな」

イルミナは少し驚いていたが慣れてきたらしい。
 これからどうしていこう。イルミナは村がなくなりもうここにいる意味が無いし、俺も外に出られるようになった。
 いっその事イルミナと旅に出るか...。

「イルミナ、明日からこの洞窟を出ていこうと思うから今日はしっかり寝とけよ」
「うん、私はリョーマについて行くよ。いつまでも...」

イルミナは少し顔を赤らめながらそう言った。何だかこっちも恥ずかしくなって来る。

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