一万の聖剣を持つ精霊

夢野つき

運命の歯車 Ⅰ

 その日、俺はいつもどうり聖剣を創ろうとしていた。外はもう夜らしく、洞窟に冷たい空気が流れて来る。

「何だか今日は騒がしいな…」

そう、騒がしいのだ。今までに俺は、猫族に祭りがあるなど聞いた事がない。
 確認しに行きたいところだが俺はこの空洞から出られない。

「まあ、俺はどうしようもないか」

そう言って俺は作業に戻った。

----そして起こった----

 外からの冷たい空気が一変し、熱風えと変わった。木々が焼けるような匂い、肌に当たるごとに少しヒリヒリする。
 そんな中、一つの小さな反応が魔力感知に引っかかった。それに続いて今までに見たことの無い位の大きな反応も引っかかった。なんかヤバそうだぞ…。
 小さな反応は、やはりイルミナだったらしい。

「せっ、精霊さん、逃げて!」
彼女は皮膚の所々が焼けただれ、呼吸も乱れていて、今にも倒れそうだった。

「おい!何があったんだ!」
「む、村にドラゴンが!」
「何!?」

 ドラゴンとは、竜種の一種で、魔物の中でも最も知能があり、強靭な力と頑丈な皮膚で相手をなぎ倒す。上位の冒険者が100人単位集まってようやく下位の竜種を倒せるレベルだそうだ。by 神様ブック
 そしたら、この大きな反応はドラゴンなのか!?こんなの俺でも勝てるかわからんぞ。

「すまんが、俺はここから逃げる事は出来んのだ。お前だけでも逃げろ。」
「で、でも...」

 走行しているうちにドラゴンはどんどんこちらに迫って来ていた。

「ちっ、お前は木の後ろに隠れていろ!」

 イルミナを木の後ろに隠した瞬間、空洞にドラゴンがたどり着いてしまった。

『村の近くにこんな洞窟があったのか…うむ、良い場所じゃ』
「おい、お前。外の状況はお前がしたのか?」

俺はドラゴンを睨みながら殺気を込めて言った。

『ほう、お主、我の言葉がわかるのか…そうじゃが何か?精霊ごときが知って何が出来る。
 それより、我はこの場所が気に入った、お主、ここをくれぬか』
「断る」

そう言って俺はドラゴンのステータスを見た。
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レットドラゴン
種族:魔物(上位竜種)
Lv153
360歳

体力:9000
攻撃:13500
防御:11000
魔力:8900

<スキル>
言語理解
ブレス(火)
終焉ノ業火
飛翔
融合

<アビリティ>
鉄壁
威嚇
記憶
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 マジか...。俺も昔よりレベルもだいぶ上がったが、こいつの方が全体的に高いぞ。
 今からイルミナを守りながら戦うのは俺の命に関わる。早く終わらなさければ。

『そうか、ならば力づくで奪ってやろう!』

 そしてドラゴンはブレスをはいた。

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