第一歩

増田朋美

きっと、第一歩が

体に、異常があるほうがよいなんて、そんなことありえるだろうか?いや、よくある話である。特に自律神経とか、そういう人には。
バカな話だけど。
きっかけは夏の暑さだった。あまりにも暑かった今年の夏。
暑くて、午後はなにもできず寝てしまう日が続いた。でも、私は頼まれていた風呂掃除を一生懸命やっていた。なんだか、私がやらなきゃだれがやる!みたいなところがあったので。
これが、いけなかったのかもしれない。
九月になっても、涼しさを感じなくなり、10月から11月にかけても、エアコンなしでは寝ていられないほどあつい。
さすがに、11月位になると、寒くなってくる。そうなると、布団にははいる。でも、布団が暑くて30分寝ていられない。そうなると、布団から出る。その時は大量に汗をかいて今度は寒く布団にすぐ入る。これが繰り返されていつまでも眠れない状態がつづいた。
だから、おかしいなと、思い、病院にいった。採血とか、画像検査とか、何でもやった。でも、異常はなかった。
異常がなくてよかったね、何て言われてもうれしくなかった。寧ろあったほうがよい。あれば、その異常について対策をとるようになれば、またなおる。でも、ないのなら、対策のしようがないじゃないか!母は苦しくなりたいのか、と私を責めたけれど、私は、ここまでつらいのに、何もないなんて、みんな私の事をバカにしていると罵った。
そうすると、心配して、精神科という場所にいかされた。
でも、果たしてなんのやくに立つんかな?と思わされた。もし、本当に心に異常があって通うことになれば、あそこほど、役に立たない場所はないのではないかと思う。ただ、話を聞いてそれでおわり。私は、精神かんけいには詳しくないが、果たして悩みがあって相談にいくべきところなのか、はっきり言えば、使うべきではない機関だという、第一印象をもった。
大学病院も、みんな威張っている人ばかりで、あまり印象は持っていない。大学病院は、診療というより、研究に専念されるべきだと思う。その方が、より、よい結果をだせるのではないかな?それほど忙しそうだった。
12月、多汗だけではなく、痛みという症状がさらに悪化した。胸や首のつけねなどが著しく痛い。しかし、心臓ではまたも異常なし。
というか、痛い場所が心臓ではなく、心臓の上にあるなにかなのだ。でも、皮膚の表面的な胸痛ともちがう。言葉では言えない。なにかがあるんだろうけど、どう表現したらよいのかわからない。
12月下旬、祖父の薦めである個人経営の総合病院にいった。
そこでまた検査に検査をして、何十分もわたる問診をしてくれて、とうとう、胸腺に異常があるとわかった。かなりの老先生だったが、バカ笑いはせずに言ってくれる。おそらく免疫系の異常。やっと宝箱をあけたような気分になった。
ありがとう、先生。
胸腺だけではなく、首回りのリンパにも炎症があるという。
なったものは受け入れろというより、こうかくとおかしいが、やっとトンネルを抜けたような気分であった。
来年、治療計画がはじまるという。ここから、私の人生において、また新しい第一歩が始まるのだろう。


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