ほとんどチートもらえないと言われたのに十分チートな件

スザキ トウ

第7話


ルナと一緒にペルグの街へと帰った俺は門兵に事情を説明するとすぐに宿に帰った。
やはり盗賊団(?)に襲われたのだから肉体的にも精神的にも相当参ってるだろうと考えて早く休ませてあげたかったのだ。
流石に相部屋にする度胸は無くもう一個一人部屋を取ってルナを泊まらせた。
俺も返り血がついたりして気分が悪かったから宿の娘にお湯とタオルをお願いして身を清めてると突然部屋をノックされた。

コンコンッ

「あの、カイトさんにお客さんが来てます。一階のロビーで待ってるそうなのでできだけ早く来て欲しいそうです」

俺に客?  この世界の知り合いなど少ないし俺がこの宿に泊まってるのを知ってる人など極数人だ。
不思議に思いながらも宿の娘にありがとうと礼を言って手早く体を吹きロビーへと向かった。

ロビーに行くとそこには短髪の銀髪が似合う爽やか系イケメンと赤髪ロン毛なのにゴリラ顔で笑えてきてしまう風貌の大男が立っていた。
イケメンホロベ。ゴリラオモロイ。
イケメンは俺を見つけるなりこちらに向かって爽やかに笑みを浮かばながら握手を求めてきた。

「夜分遅くに失礼するよ。我々は怪しいものではない」
「君に話があるんだ」

「俺はあんたらを知らないし夜遅くに話があると来られても怪しいだけなんだが」

「いきなり夜に訪ねてきた事は詫びるが我々も忙しくてね。急ぎになってしまったんだ」

うーんまぁ怪しんでても仕方がないし話を聞くか。

「それで俺に何の用が?  手短に頼む」

「我々は傭兵団[夢への翼]だ。そして君を勧誘したいんだ」

ハイ。怪しさMAX。胡散臭すぎるやないかーい

「……なんで?」

「今我々は最近多発してる盗賊団の討伐や隣国との小競り合いのために団員の増強を進めているのだ」
「実は偶然だが君が森の中でアストラ帝国の騎士どもを殲滅したのを見かけてね。
その実力を買って勧誘しに来たんだ」

ん?  まさか今日のを見られてたのか?  だが俺には気配察知スキルがあるはずだろ?
なぜ気づかなかった。

Aアンサー。マスターの気配察知スキルはスキルレベルが低いです。
隠密スキルが中位以上の者ならば察知する事は出来ません〉

なるほど……という事はこいつらは隠密スキルが中位以上……それがどんなもんかはぶっちゃけわからんがかなりの実力者と見た方がいいだろう。
まて!  何か違和感あるぞ?  はっ!  
アストラ帝国の騎士どもを殲滅した!?  こいつらアストラ帝国の騎士と言ったのか!?

その事に気付いた途端ゾクっと背中に冷たいものを感じて思わず腰の県に手をかけてしまった。

「む?  ほぅ。さては気付いていたか」
「武力だけじゃ無く頭もキレる。ますます我々の傭兵団に欲しい人材だ」

「……何のことだ?」

「惚けなくてもいい。さて、本題だが正直盗賊団の討伐など軍で十分だし隣国との小競り合いなどそれこそ軍の仕事だ」

は?  なんだそりゃ。意味がわからない。

「我々の裏の目的はとある高貴な方の指示で動いている」
「表向きの目的で人を集めてとある事に備えてるのだ」

「じゃあ何で俺にその話をした?」

「君が武力だけの脳筋だったら建前で勧誘していたのだがそうではなかった」
「頭がキレる人間なら建前なぞ見破る。だから我々が高い評価を下した人間には真の目的も話しているのだ。
もちろん真の目的は簡単には明かせない。
我々と共に来てくれると決断してくれるならば話そう」

「……アストラ帝国の騎士どもって事は奴らが盗賊団に扮してた理由は知ってるのか?」

「もちろん知っている。だがこれもおいそれと話したら無駄な混乱を生むため我々の仲間になったら教えよう」

「もしお前らの仲間になるとしてルナ……一人連れの少女がいるんだが連れてきても?」

「彼女の実力は未知数だが君が仲間となってくれるのならば全然構わない」
「君は退屈しているのだろう?  我々の仲間となれば新しい世界が開けて退屈する暇などないぞ!」

……正直怪しさがMAXどころか限界突破をしてるけどこの誘いに惹かれてる自分もいる。どうしようか、今すぐ決断するには難しい問題だ。

「一晩待ってくれないか?  連れとも相談をしたい」

「わかった。また明日の朝ここに来る。いい返事が聞ける事を祈ってるよ」


そう言い残すと彼らは宿の外へと去っていった。
さて、本当にどうしようか?
非常に難しい選択だ。あんな怪しさの塊みたいな奴らの誘いに乗るのはあまり賢い選択じゃないと思う。
だけど退屈する暇がないというセリフは俺にとって非常に魅力的なんだ。
この世界の人間にとっては普通なのかもしれないが娯楽が多かった世界から来た俺にとって同じ毎日を繰り返すのは退屈でしょうがない。
Q&Aヘルプさんどうしたらいいと思う?

Aアンサー。マスターの好きなようにしたらいいと思われます〉

それ一番困るなぁ……どっちかバシッと決めて欲しかった。
あぁルナにも相談しないといけないな。


コンコンッ

「はーい」

ルナの部屋をノックすると可愛らしい声で返事が返って来る。
もうすでにおじさんデレッデレっすよーハイ。

「どうしました?」

「実はさ……傭兵団に勧誘を受けたんだけどその傭兵団がさ……」

俺は先ほどの事を全てルナに話して俺は迷ってる事を伝えたい。

「何を迷ってるんです?  行けばいいじゃないですか?」

するとルナはキョトンとした顔をした。
何を言ってるだコイツって顔が言ってる。

「え?  でも怪しさMAXよ?  ヤバくない?」

「え?  でも行きたい気持ちがあるなら行けばいいじゃないですか?  ヤバかった途中で逃げちゃえばいいんですよ」

「……マジ?」

「マジです。まぁ最終的にはカイトさんが決める事ですけどね。
私は連れてってくれるなら何も問題はないですよ?」

「えーっとじゃあ傭兵団……[夢の翼]だっけ?  に入ってみる事にするよ」

「はい!  じゃあいつでも行けるように準備しときますね!  と言っても荷物なんてほとんどないんですけどね」

悩んでたのがバカらしくなるぐらいあっさりと入ればいいじゃんと背中を押されて俺は[夢の翼]に入る事に決めた。
と言っても怪しいのは事実なので不安はあるけどもしもの時はこの子を守らないとなぁとルナの背中を振り返りながら俺は自分の部屋に戻り明日に備える事にした。

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