ほとんどチートもらえないと言われたのに十分チートな件

スザキ トウ

第5話


「もう我慢できねえ。こんな上玉手をつけずに運ぶなんて無理だろ」

「全くだ。少しぐらい手を出してもいいだろ」

「仕方ないだろう。売るなら犯した後かどうかで値段が違う」

「だがたまには若い女を犯さねえとかやってられねえだろ」

違いないと男達は下品にギャハハと笑う。

「でも先輩いいんすか?  手を出したら団長に殺されますよ?」

「馬鹿野郎!  こんな上玉だぞ!?  手を出さないなんて失礼だろ!」

「ギャハハハハ!  そうだ!  黙ってりゃバレないんだよ。あの村は溜め込んでやがったからな。女がなくても十分だ」

どうやら男達はどこかの村を襲って金品を奪い彼女を攫ってきたようだ。
そして彼女ほどの美貌を前に我慢ができなくなってしまったようだ。

「いや!  やめて!  離してよ!」

彼女は必死で振りほどこうと暴れているが一人の少女が大勢の男達から腕力で逃げられるわけがなく男達はさらに力を込めて押さえつける。

「ちっうるせえな。布でも口に入れて黙らせとけ」

男達はいい加減少女の悲鳴にイライラしてきたようで口に布を詰めて強制的に黙らせる。その様子を見てすぐに助けたくなる気持ちを抑えて冷静に状況を分析する。
1…2…3……全員で8人。クソッ多いな。
どうする?  助けれるか?  いくら俺が第1階位に進化してるからといってもこいつらは荒事に慣れてるだろうから同じ第1階位に進化してる可能性は十分あるぞ?
もしそうだったら俺は助けるどころか殺される。
仮に殺れたとしてもし一人でも逃せば?
こいつらは団長がどうのとか話してたしもっと人数がいるのだろう。援軍を呼ばれて追いかけられる可能性だってあるんだ。
助けたいという気持ち、そんな危険は犯したくないといい気持ち。
二つの気持ちが俺の中でせめぎ合い答えを出せないでいる。

「いやぁぁぁぁあああ!」

少女が完全に組み伏せられしまいその衝撃で口から布が出る。
そして開いた口から大きな悲鳴が発せられ俺の耳に届いた。
馬鹿野郎!  俺は元自衛官だぞ!  襲われてる人を自分の保身の為に見て見ぬ振りなんかできるか!  ここで見て見ぬ振りをすれば一生俺は俺を許せなくなる!
俺は覚悟を決めたぞ!  絶対に助けてやる!


「ようし!  ここは俺が一番最初だ!  おい若えやつら!  お前らは見張ってろ。流石にこの森の中の道を歩いてる奴なんてそうそういねえだろうが念のためだ。しっかり見張れよ!  後の奴らはこいつの手足をしっかり押さえてろ!」

どうやらこの男達の集団は顔中に傷がある凶悪な人相の男がこの中のトップらしくブーブー文句は言いながらも彼の言うことに従い動き始めた。

傷の男は油断した様子でズボンに手をかけ下まで一気に降ろす。

よし!  今だ!  死ね!

その瞬間大木の陰から見つからないように移動して少女の近くの木陰に潜んでいた俺は飛び出し男の首めがけて剣を振り払った。

「がはっ……」

「ヒッ!」

傷の男は首から先が吹っ飛び血を撒き散らし少女の体の上に倒れこむ。
その様子を横目に見ながら俺は振り切った刃を返しさらに切り込む。
狙いは少女の肢体を抑えていた4人の男達だ。

「がぁぁぁぁあああ!」

「ぎゃあぁぁぁぁあ!」

「ぐぇぇぇぇぇぇえ!」

2人目は簡単に首を飛ばし3人目も頭を上から真っ二つにする。
4人目は狙いを外してしまい首を刈るつもりが防具がある胴体を斬りつけてしまった。しかしリンに貰った剣な鋭さは凄まじく防具ごと胴体をバターのように滑らかに真っ二つにしてしまった。

何だこの剣!  斬れ味が良すぎて恐ろしい。リンには感謝しないとな。

「ヒィィィィィ」

少女を抑えていた最後の一人は突然のことにパニックになりながらも腰に手を伸ばし剣を手に取ろうとする。
しかし少女を犯す為に武装を解除してしまっていた為にそこに剣は無かった。
俺がギリギリまで襲撃をしなかった理由はこれだ。武装解除をさせるために少女にはすまないがギリギリまで待たせてもらった。

「ば、馬鹿野郎!  見張りども何処を見張ってやがる!  襲撃だぁぁぁ!  奴をこr」

腰に剣がないことを確認するとすぐに男は大声をあげて見張り達へ助けを求めた。
しかし最後まで言い切る前に首を一突きされ絶命する。

「な、何だてめえは!」

「俺らのことを舐めてんのかコラ!」

異変に気付いた見張りが怒鳴りながら戻ってくる。

「てめえ!  死に晒せ!」

頭上に振り下ろさらた剣をガードするかのように俺は下から剣を合わせに振り上げる。
振り下ろされた剣と振り上げられた剣。
勝ったのは後者で俺の剣は男の剣を簡単に切り裂いてしまった。

ブシャッ

俺はそのままの勢いで頭を斬りつけ脳みそを地にぶちまけさせる。
後2人!  クソッ!  流石に慎重になってこっちの隙を如何ってやがる!

残り2人の男は6人も簡単にやられた訳だから嫌でも慎重になり無理に殺しに行かず隙を伺っていた。
場は膠着こうちゃく状態になってしまったわけである。

ダメだ。このままじゃジリ貧だ。賭けに出るしかねえか!

次の瞬間俺は脱力した。
剣は離さないが腕から力を抜き脱力させる。そして感情が抜け落ちたかのような表情で男達の元へとゆっくりと歩みを始めた。

「と、止まれ!」

「何のつもりだ!  く、くるな!」

何か得体の知れない不気味なものを感じたのであろう。男達に若干怯えの表情が浮かぶ。
次の瞬間俺はニコッと笑った。

「う、うわぁぁぁあ!」

とうとう恐怖が限界にきた片方の男がめちゃくちゃな動きで突っ込んできた。
男の荒い剣をすんなりと躱し俺の剣が横一文字に振り払われる。

ザシュッ

男は胴から鮮血を流しその場に崩れ落ちた。

ガシャンッ!

「あ、あぁ……あぁぁぁぁぁ……」

もう一人の男は完全に脳が恐怖に支配され剣を下に落として座り込んでしまった。
恐怖で腰が抜けて何もできない無防備な男を俺は……一瞬で首を跳ね飛ばして絶命させた。

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