ほとんどチートもらえないと言われたのに十分チートな件

スザキ トウ

0話


あぁ……ここはどこだ?  俺は誰だ?
……だんだん思い出してきた。俺は日向ひゅうが快斗かいとだ。
何の面白みもない普通の人生。
そこそこいい大学を出たはずなのだが就職難で希望してた会社は全滅。
困った俺は昔から体格が良く武道を嗜んでたことに目をつけ自衛隊に就職。
意外と才能があったのかめきめきと実力をつけていったが大した昇進することもなくダラダラと過ごす毎日。
まぁ俺は大学からだからしょうがない。
エリート達は高校の時点で自衛官になるための高校に通っている。
趣味はネットゲームで毎晩遅くまでひたすらパソコンにかじりついてやっていた。
今日も3徹で訓練に来て……あぁ倒れたんだ。もう30も近くなってきて昔は出来てた事が出来なくなってきてるのは感じていた。
流石に3徹で激しい訓練は無謀だったか。
別に出会いがないから結婚もしてなければ彼女もいないから心残りもない。
両親は悲しむと思うが兄がいるから老後は問題ない。
さて、自分に何が起こったのか確認ができたところでここはどこだ?
真っ白な何もない空間。
ふと自分の手を見れば茶色で指がない。
……なんだこれ?  足も茶色、てか体全体が茶色だ。まるでヌイグルミのような……

(あっようやく自分の状況を考え出した?)

ちょっとうるさい。今俺はこの状況について考えてんだ。

(えっ……)

うん。良く見れば布だなこれ。モコモコで中に綿が詰まってそうだ。やっぱヌイグルミじゃね?

(うん。ヌイグルミだからね)

あっやっぱヌイグルミ?  ……てかあんた誰?

(あっやっと話聞いてくれる?  じつはかくかくしかじかでね)

はぁ?  かくかくしかじかで通じるわけないだろ……

(え?  通じないの?  なんか漫画では通じてたんだけど……)

こいつは何を言ってるんだ……

(ちょっとしたボケじゃないか。僕は君たちにとっての神のようなものだね。
君たちの世界は僕たちのコンピュータに入ってるデータなんだよ。

うん?  どういう事だ?  俺らはデータ?  そんなまさか!?  つまりこの世界はVRの世界ということか!?

(まぁそのようなものと思ってもらって構わない。あと君はもう元の世界にいないからこの世界ではなく正確にはあの世界だね)

そんバカな!?  そういえば昔誰かが行った実験でVRの特徴である観測者がいて始めて事象が起こるという特徴を現実でも確認したという実験結果になったのを聞いた事がある。

(本来は人類の誕生の秘密なんかを解明するために作られたんだけど最近は君たちが独自に発展してるからね、君たちが作った漫画とかの娯楽を楽しむためのものになってるんだ。僕たちは技術の発展に重点を置きすぎて娯楽に乏しいからね)

で、お前はその管理人というわけか

(そうだよ。運営ってやつかな?)

なんとか信じられないとかそういう話は話が進まそうだから呑み込んで理解した。
で、今の状況を説明してくれ。

(ok!  まずこの状況の説明は君は死んだから肉体がない。というか肉体があってもいろいろめんどくさいからデータだけをそこらへんにあったクマのぬいぐるみに入れたわけだ。ここまではok?)

もうちょいマシなもんに入れてくれよと思わんでもないがとりあえずokだ。

(ちょうどあったからしょうがない。で、なぜそうしたかというと実験に付き合ってもらいたいわけだ。君にとってわかりやすい言い方をすると異世界に転移してくれ)

異世界?  どういう事だ?

(簡単な話さ、僕らが作った世界は君達の世界だけじゃない。最初に君たちの世界を作ったが他にも複数作ってある。
その中で君たちのゲームにインスピレーションを受けて作った剣と魔法の世界があってね、と言っても魔法のシステムはいろいろと難しくてチョピリしかないんだけどね……。
まぁそれでその世界が最近停滞気味なのよ。僕が管理してるわけじゃないんだけども担当に頼み込まれて思いついたんだ。
そうだ!  第一世界の人間を放り込んだら面白いんじゃね!?  ってね!)

なるほど……俺はそれに選ばれたわけか……なぜ?

(コンピュータをポチってやったらこいつってランダムに選んでくれただけだよ?)

そうかい……。つまらない毎日を送ってたから楽しそうな話だから乗り気ではある。
だが俺はその世界で何すればいいんだ?

(別に?  単純に放り込んだらどうなるかってだけだから好きにしていいよ。ただあまりオーバーテクノロジーを使うのはやめてほしいかなぁ)

何もないのか!  なら迷うことはない。
その話、了承した。

(それは良かった!  また選ぶのめんどくさいから拒否してもぶち込んでたけどやっぱり納得して行ってくれたほうがいいよね!)

だけどいきなりぶち込まれてもすぐ死んでしまうぞ?

(そこは考えてある。と、言ってもバランスを崩して欲しくないからあげるのは2点だけ。
一つは君の経験値獲得値を1.1倍にしてあげよう。
もう一つはスキル[Q&Aヘルプ]だ。
微々たるものでほとんどチートはあげれないけど多分Q&Aがあれば死ぬことはないだろうから頑張ってね〜ばいばーい)

は!?  ちょっ!  死ぬことはないって!  ちょっと待てよ!  おーーーーい!

あっやべ意識が飛ぶ……

奴が俺の呼びかけに返答することはなく俺の意識は暗転した。

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